ルナーボール

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:テーブル
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :ポニーキャニオン
  • 発売日 :1985年12月5日

ゲーム概要

『ルナーボール』は1985年12月5日にポニーキャニオンより発売のファミコン・テーブルゲーム――本作は同年6月にPC88にてリリースされたPCゲームのファミコン移植だ。本格的なビリヤードブームの到来を予見するようなタイミングで登場したのが印象的で、しかしその流行に乗って大ヒットするようなこともなく……皆が挙ってプールバーへ繰り出す土曜の夜に、一人寂しく本作をプレイしていたのは、きっと私だけではないはずだよね??

さて、本作はビリヤードをモチーフにしてはいるものの、「じゃあビリヤードゲームなのか?」と聞かれたら、「う~ん」唸らざるを得ない。例えば、ステージはビリヤード台同様の長方形だけではなく、アルファベットの『Z』の形だったり、矢印『←』の形だったり――全30種(初期球の配置が2パターンあり合計60面)と豊富。ルールは手球を撞いて、番号に関係なくすべての球をポケットに落とせばステージクリア、次のステージへ……と進んでいく。

持球は3つで、3回連続的球を落とせなかったり、手球を落としてしまった場合はミスとなり、持球を1つ失う。ステージクリアで持球が1つ増え、一回も失敗しないパーフェクトゲーム達成でさらに1つ増える。2人プレイ、COM対戦も可能だ――失敗するたび手番が交代となる。持球がなくなった時点でゲームオーバー。ステージの形状、的球とポケットの配置がそれぞれ異なるため、それらに合わせた戦略が必要になってくる。手玉を撞く強さはパワーゲージをタイミング良く押すことで決定――この強さや角度が少しでも違えば的球の弾き方が変わり、当然手球の軌道も変化する(この辺りはビリヤードのゲーム性がうまく落とし込んでいる印象を持つ)。また、得点は「レート×球の番号×10点」となり、的球を一度落とすたびにレートが上がっていく(2コ以上の的球を一度に落とすとさらにレートがアップ、ミスで1に戻る)。このため、高得点を目指すと必然的に「ナインボール」のような遊び方になるのも面白い(球は6、7個と通常のナインボールより少な目ではあるが)

本作はビリヤードそのものではないものの、実際のビリヤードを上手くシミュレートしたような作りになっており、「プールバーでの勝負にも役立つテクニックがあるのではないか?」と、思わせるようなところも。そして、『ルナーボール』のタイトルが示すかのように、本作最大の特徴として「摩擦係数」が挙げられるだろう。これを変えることでプレイ感覚はまた大きく変化して――最小値0なら球はまるで無重力空間を漂うように延々と転がり続け、最大値255ならほとんど転がらず……この両者は本作体験者にはネタ的に語られている。派手さはないが地味で意外と奥深く、プレイしてみると存外ハマる楽しさがある、古き良きレトロゲームだと私は思っているよ。

れとげ部!での評価

隠神げ!

ここが隠神げ!

ビリヤード流行ってた!

日本にビリヤードブームをもたらしたのは映画『ハスラー2』だった。そのヒットとともに街にはプールバーが続々とオープンし、ビリヤードはオシャンティーな娯楽として一気に普及していったのである。お酒を嗜みながらプールバーでナインボールに興ずる……そんなシティーボーイズ・アンド・ガールズには馴染めず……しかしビリヤードはプレイしてみたいファミっ子がいたとしても何ら不思議じゃないよね~(私だとは言っていない)。とはいえ、『ハスラー2』が公開された1986年末といえば、未だ本格的なビリヤードゲームは家庭用ゲーム機では存在しておらず――その登場は1987年6月の『エキサイティング・ビリヤード』(コナミ/ディスクシステム)や、同年10月の『サイドポケット』(ナムコ/FC)まで待たなければならなかったのだ……いや、『ルナーボール』があるじゃない! ……うん、このゲームが厳密にはビリヤードゲームと呼べないことは分かってる。でもそこはほらファミっ子お得意の脳内補完でビリヤードの雰囲気は十分に感じられたはず! しかも、やってみれば地味にハマるなかなか面白いゲームだったな。本作は映画『ハスラー2』公開のおよそ1年前にリリースされている。つまり、まるでビリヤードブームを先取りしたかのようなタイミング。しかし、当時もあまりこのゲームの話題にはならなかったな……。そんなこんな、私の中では隠れた良作の部類に入るレトロゲームなんだけど、どうかな??

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    皆が挙ってプールバーへと繰り出す土曜の夜。一人寂しく本作をプレイしていたのは私だけ?

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