基本情報
- ジャンル:RPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :コナミ
- 発売日 :1990年1月5日
ゲーム概要
『がんばれゴエモン外伝 きえた黄金キセル』は1990年1月5日にコナミより発売のファミコン・ロールプレイングゲーム。1986年に『がんばれゴエモン!からくり道中』でファミコンデビューを遂げた「気っ風の良さなら天下一!」のゲーム主人公・大泥棒ゴエモンが、今度はRPGに登場だ! 前2作はアクションゲームとしてリリースされたけど、おそらく当時のRPGブームの影響を受け「外伝」として『ドラクエ』スタイルのタイトルが作られたんだね――この流れは『がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝』、後のゲームボーイ2作まで続いていたっけ。
ストーリーは、先祖代々伝わる大事な家宝「黄金キセル」が何者かに盗まれる。それを取り戻すためにゴエモンとえびす丸が和風ファンタジー世界を冒険する。アクションゲームでは「しゃべらない主人公」だったゴエモンが、本作では相棒のえびす丸ともどもオープニングから陽気に会話を交わし、そのキャラクターを確立させている。日本全国行脚に加え、中国大陸にまで進出するなど、カートリッジのデカさに見合ったビッグボリュームだったな。
クライマックスには「ペモペモ星人」が登場するなど、奇想天外な展開がてんこ盛り! ――多くのファミっ子たちを惹きつけたはず。そしてなんといっても本タイトルは、後に「がんばれゴエモンシリーズ」で大活躍することになる美少女忍者「ヤエちゃん」が初登場することで知られているね。
本作の特徴としてはまず「戦闘時のアニメーション」が挙げられる。これはファミコン末期の時代にあってもまだまだ珍しい演出で、キャラクターが細やかな動きを見せてくれるというのは、それだけで本当に楽しいものだった。また敵の種類も多く、RPGではお約束となっている「色違いキャラ」がほぼ存在しない。味方のキャラクターがダメージを受けた際には音声が流れるのも当時としては特出した演出であり、総じて「豪華な内容」といえる。
時代劇にそぐわないアイテムやイベント、あるいは現代風の要素やパロディ、小ネタなども盛りだくさんだが、これは以降の「ヘンテコなゴエモンワールド」を確立したと見るべきで、評価できるポイントだと私は考えている。実際「おにぎりに梅干しが入っていると回復量がアップする」など、クスッと笑えるネタも多く――クリエイターの遊び心がとっても楽しい! ――しかし惜しくも。本作のような「ゴエモンRPG」はスーファミ以降の据え置き機ではリリースされていない。とはいえ本作は「シリーズがコメディ路線に発展すること」を決定づけた「ターニングポイント」的なタイトルとして、大きな意味のある作品だと私は思っているよ。
ストーリー
長い旅から久しぶりに我が家に帰ったゴエモン。
旅の報告をしようと、神棚を見上げてびっくり。な~~~~~い! 先祖代々伝わる家宝の大事な“黄金のキセル”が………ない、ない、どこを捜してもない! さー大変だ! 御先祖様に顔向けができない。
天下の大泥棒の家に泥棒が入っちゃシャレにもならねえ。ゴエモン大慌てで“黄金のキセル”捜しの旅支度。
そんなところに、「お困りのようですな。わてエビス丸といいまんねん。わて、困ってる人を見てると手伝いたくなる性分でんねん。どうでっか、わても一緒に捜しに行かさしてもらえまへんか。」と、とても忍者とは思えない正義の忍者エビス丸が現われた。まあ、足手まといにならないならという条件付きでゴエモンはエビス丸と一緒に旅にでることになった。
はたして“黄金のキセル”はどこに。
ゴエモンの新たなる旅が始まった。しかし…ゴエモン一行を見つめる影が一つ…二つ…三つ…。
そして想像もつかないような大きなワナがゴエモンたちを待っている。
なにがあってもへこたれるな。
それ行けゴエモン! がんばれゴエモン!
(エビス丸も忘れないでねっ!)取扱説明書 <ものがたり> より
れとげ部!での評価
好げ!:
ここが好げ!
「トラのコテ」と「エンディングのヤエちゃん」
上では良い点ばかり語ってしまったけれど、本タイトルのゲームシステムは確かに良いとは言い難い。「アニメによる戦闘がテンポを悪くしている」「ムダに広いダンジョンとエンカ率の高さ」「バグ」「よくセーブが消えるファミコンソフトNo.1」などなど――作りの粗さが目立っている。でも、当時のプレイ感としてはその辺気になってはいたよーな気はするんだけど「面白かった!」思い出のほうが大きかったと記憶していて、私は好きだな。とくに有名な裏技である「トラのコテ」と「エンディングのヤエちゃん」はインパクト大だったよねっ!
これらの裏技は今でもこのゲームの話をすると真っ先に出てくるのではなかろーか。とくにヤエちゃんとか「当時はよくもあんなに興奮できたな!」的な。現在からしてみると「全然、いやん! ……じゃないよね~」っていう(大丈夫か、現在!?)。「いやん!度」でいえば『まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!』の「いよなちゃん」の方が圧倒的に上なんだが――これは後年になって発見された裏技なんだよなぁ。あの頃知っていたら一体どうなっていたことやら……(いや、どうにもならんか)
コメント! (レトゲで一言!)
確かにゲームシステムに粗が目立つが、シリーズの作風を決定づけた功績は大。トラのコテとヤエちゃんの裏技もインパクト大。