基本情報
- ジャンル:シューティングパズル
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :コナミ
- 発売日 :1990年4月13日
ゲーム概要
『クォース』は1989年にコナミ開発・販売でアーケードにてリリースされた「シューティングパズル」という――なかなか珍しいジャンル。一見マイナーに思われるけど、結構多くの移植があって、ネットなんか見てると意外と知ってる人がいる感じ。本作はそのファミコン版にあたる作品。
まず「シューティングパズル」ってだけでお察し頂けるように、本作のゲーム性は「シューティング+パズル」という一風変わったもので、MSX2版のパケ裏には「前代未聞の――」と謳われており、まさにそのキャッチコピー通りの仕上がりとなっている。前述の通り、それなりに人気のあったゲームなのだが、現在に至るまで続編が作られることはなく、類似作もない――「孤高のシューティングゲーム」とでも言うべき存在だ。
ゲーム性は「固定シュー+落ち物パズル」といった内容で、画面上部から落ちてくるブロックを、シューティング操作で消していくのが目的。そのためには、自機から発射される弾でブロックを「四角形」に成形しなければならない。弾はブロックに当たるとくっついて、それにより四角を形成するように撃っていく。ブロックは次々と出現し、それを消す前に画面下に到達してしまうとゲームオーバーになる。複数のブロックをまとめて大きな四角にして消せば得点に倍率がかかり、結果的に少ない弾数で効率よく消すことができる。銀色(FC版は白)のブロックを消せば画面内のブロックが全て消える。さらにファミコン版(家庭用ハード版)では「消すとブロックが一定時間停止する」など、特殊ブロック(アイテムブロック)の種類が増やされている。
ここまで書いた内容から「作業ゲー?」と思われる方もいるかもだけど、本作は「より大きな四角を作ること」「複数のブロックを同時に消すこと」で高得点が狙えるよう設計されていて、そこに様々なテクニックを生み出す面白みがある。また、2人プレイのバリエーションが豊富で協力プレイや対戦プレイが可能となっている。……とはいえ、実際のところ「地味(とくにFC版)」「どうしても作業感は拭いきれない」というのが、正直なところ。シューティングパズルとは言いつつもシューティングとしての爽快感は薄く、両ジャンルの面白さを併せ持つ反面、欠点も幾ばくか見られる。続編が出ないのは「ゲーム性を発展させにくい」ことがその原因となっているんじゃなかろーか。
ストーリー
199X年、遠い宇宙空間で突如重力崩壊が始まり、大爆発が起こった。その時空間のひずみによってブロック群(クォース)が発生した。このクォースは、ダイヤモンドよりも硬い物質でできていて、周辺のありとあらゆる物体を砕き、飲み込んでいった…。
そしてこのクォースは地球の目の前まで迫ってきていたのだ。このままでは地球はクォースに砕かれ破壊されてしまうだろう。
しかしクォースにも弱点があった。ブロックピース(正方形の弾)が当たると同化し、四角形(長方形、正方形)の形になると分子分解が起こり消えてしまうのだった。
そして今、人類はブロックピース発射装置搭載の戦闘機を開発し、その最終段階に入っていた……。
れとげ部!での評価
融合げ!:
ここが融合げ!
シンプル+シンプル=ベスト
他ジャンル同士の融合って、やっぱり何かと複雑になりがち――そこへ落ち物パズルのシンプルなゲーム性に、これまたシューティングのシンプルな操作性を加えて、やっぱり「シンプル・イズ・ベスト」と思わせるゲームを確立したのは率直に言って凄いと思う。良作の「いいとこどりしたゲーム」とは得てして「二番煎じ」と言われたりするし。「スペースインベーダー+テトリス」みたいな――簡単に言うほど簡単ではないんじゃないかパズルとシューティングの融合形。『クォース』に「唯一無二」と評すべきゲーム性があると考えているのは、私だけじゃないはずだよね(たぶん)
コメント! (レトゲで一言!)
落ち物パズルのゲーム性+シューティングの操作性。それはきっと簡単に言うほど簡単ではない「シンプル+シンプル=ベスト」。なぜか自機のロケットを両サイドから抱える天使といったルネサンス調もシュールで素敵。