スペースハリアー

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シューティング
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :タカラ
  • 発売日 :1989年1月6日

ゲーム概要

これはなぁー、『スペースハリアー』。いや、元々のアーケード版は文句なく名作なんだが。FC版は当然の如く劣化ゲー。もちろん「コレをFCに移植するのは性能的に酷である!」――わかってる。「大人の寛容さで評価すべきだ」――その通りである。しかし発売年や他社の同系ゲームと比較しちゃうと、やっぱり「メーカーの技術力の至らなさ」を指摘せずにはいられないんだな!

本タイトルは1985年12月にセガさんより発売された疑似3Dアーケードシューティングで「セガの方向性を決定づける契機となった作品」とされている。同年に発売された『ハングオン』はバイク型の筐体に跨り左右に傾けながら操作する「世界初の体感ゲーム」としてヒットしたな。その第2弾として発売されたのが『スペースハリアー』であり、これは「画面内の自機の動きに連動してシートが動く」というこれまた業界初の試みだった。当初は不安視する声も多かったそうだが、結果的には大成功! とくに「ローリング筐体」は『ハングオン』ほど場所を取らずに設置でき、その面白さは「普段ゲームをしないようなライト層」の心をも鷲掴み、圧倒的なアピール力を誇っていた! この『ハングオン』『スペースハリアー』の成功の後、セガさんは大型筐体のゲームを次々と発売して、その多くがヒット作となっていったのである!

『スペースハリアー』のジャンルは「奥スクロールの疑似3Dシューティング」。かつて『ズーム909』という同ジャンルの作品がセガさんから発売されていて、ジャンルとしては決して新しいものではなかったものの、それまでの同ジャンルの作品に比べて「グラフィックの美しさ」が一際群を抜いていた! ゲームの内容は「敵をひたすら倒しながら一定距離を進めばボス戦となり、これを倒せばステージクリア!」と非常にシンプルなもの。体感ゲームという性質上「あえて奥の深いゲーム性は準備せず」「爽快感を重視した」結果が成功につながっており、とくにライトゲーマーが初めてプレイしてもそのルールが簡単に理解できたな。ある程度までは割と容易に進める「難易度の低さ」も本作ヒットの要因の一つで「体感ゲームとして優れたゲームデザイン」だといえそう。開発の中心となったのは『ハングオン』の開発者でもあり、後に「バーチャシリーズ」を生み出すことになる鈴木裕氏。氏は学生時代から3DCGを研究していて、本作は疑似3Dながらもその知識が有効利用されている。『スペースハリアー』以降、セガさんから発売された大型筐体ゲームには『アウトラン』『アフターバーナー』など時代を代表するものも多い。これらの成功によってセガさんは株式上場を果たし、ゲームメーカーとしての地位のみならず、企業としての地位も大きく上げていったんだよね~。

――で、ファミコン版なんじゃが。「キャラが小さい!」「グラフィックがしょぼい!」「スピード感がない!」「操作性が悪い!」など劣化がやっぱり目立ってる。私としては「処理落ち!」が致命的でとくにボス戦は快適なプレイとは程遠いストレスフル。冒頭でも語った通り「FCの性能的にACの完全再現は不可能」なのはわかってる。「処理落ち」も確かに仕方がないのであろう。……でもね。他メーカーの奥スクロールファミコンゲームでコレよりよくできたのあったよね? ――って冒頭でも言った通りね!

ストーリー

ここは、銀河系の彼方にあるドラゴンランド。かつて平和だったこの世界が、今や凶悪な魔生物たちに占領されてしまった。

この荒れ果てたドラゴンランドを救うためにやって来たのが、超能力戦士・ハリアーだ。未知なる魔生物たちが、次から次へと襲いかかる。対するハリアーの味方は、ドラゴン・ユーライアだけだ。はたしてハリアーは、ドラゴンランドを救うことができるだろうか…?

取扱説明書 <ものがたり> より

れとげ部!での評価

劣化げ!

ここが劣化げ!

遊べると思うかどうかはあなた次第!

――とまぁ、上ではちょっと酷評となってしまったかもだけど。「遊べるレベルであるかどうか」の感じ方は確かに「個人差大きそう」って気はしてる。移植元があってその内容が良いと「性能差が如実に表れてしまう」ってところもあるんだろうなと思ってる。本作は裏技が豊富でこれが一応「劣化による難易度アップ」への救済策だったのかなぁとも考えている。個人的には原作の再現度よりも操作性をもっと優先してほしかったけど、原作人気で売りたい上層部の意向とかもあったりして、実際に開発する立場の人もなかなかつらいところがあるのかもしれない……とか想像してる。そんなこんな「FC移植作品の評価は割と難しいな……」って最近感じ始めてる。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    セガの方向性を決定づけた傑作シューのFC移植。チョイ酷評ぎみなのはコンボイへの恨みからではない……はず。ちなみに、本作は「7日間」しかない「昭和64年」に発売された数少ないゲームソフトとしても知られているね(「昭和最後に発売されたゲームソフト」でもある)。

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