基本情報
- ジャンル:アクションシューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :アルトロン
- 発売日 :1991年1月30日
ゲーム概要
勤労少年の苦悩を描く社会派ゲーム(?)といえば、はい『ペーパーボーイ』ですよね! 「少年は思った。『働かなきゃ……働いて、働いて、有名になるんだ!』……そして、少年は新聞配達を始めた!!」ってメガドライブ版の宣伝文なんだけど、この時点ですでに「バカゲー臭全開!」ですよね!
世にも珍しい「新聞配達のゲーム」ということで、主人公である少年の目的は言わずもがな「新聞を配達をする」こと。「新聞配達をどんなゲームにしたのか?」っていうと、答えは「アクションシューティング」! 新聞を投げて配達するというアメリカらしい(?)発想だよね! そして、新聞は敵を撃退するのにも使える! 敵というのはなんと「町の住民たち!?」で、まぁファミコンではよくある話なんだけど、町の住民たちがいろんな手段で主人公を邪魔してくる! 配達に失敗するとその家は翌日から新聞の購読を止めてしまい、契約件数がゼロになるとゲームオーバー! 7ステージ一周制で、つまり一週間配達できれば無事クリアとなる!
さっき「アメリカらしいゲーム」と述べたように、本作はアメリカのゲーム会社アタリが開発したアーケードゲームのファミコン移植作。オリジナルが開発された1985年当時のアタリには「1つのゲームで使った操作系は2度と使わない。たとえヒットしても続編は作らない」といったルールがあって、製作者たちは常に新しいゲームのアイデアを考えなければならなかった。この社風のためかアタリ製アーケードゲームには「当時テーブル筐体が主流だった日本では考えられないような操作系が独特なゲーム」ばかりで、面白いものも多かった。アタリはこの社風が消えた頃から作られるゲームに魅力がなくなっていった――と思うのはたぶん私だけじゃないって思ってる。
AC版『ペーパーボーイ』の操作系も独特なもので「自転車のハンドル型コントローラー」がとっても特徴的だったな! ハンドルを前に倒せば加速、後ろに倒せば減速。左右に曲げればその方向に曲がり、ハンドルについたボタンを押すことで主人公が新聞を投げる。このゲームは意外にも当時最新のハードであった「システムⅡ基板」を使用しており、ハイレベルなグラフィックを実現してた。しかして、その美しいグラフィックで描かれるのが「包丁を持って追いかけてくるおばあさん」などの奇抜な町の住民だったり民家だったりと――なんとももったいないような。馬鹿げたことを大まじめにやる、そこに面白さが生まれる! ――みたいなところは、アメリカでも日本でも共通のようね。本作はゲームバランスもなかなか練り込まれていて、自転車のハンドル型コントローラーという独特な操作系こそファミコンでは再現されていないものの、その面白さは充分感じられるところとなっている。アメリカでは大ヒットしている一方で、しかし日本ではあまり知られていない印象を受けるよ。れとげ部!での評価は「馬鹿げ!」ただし「隠神げ!」。ご覧のとおり、語り出したら割と長くなる面白いレトロゲームだと私は思っているよ!
ストーリー
小鳥もさえずる早朝。そこから君が思いうかべるのはただ一つ、町の新聞配達! 眠そうな目をこすりながら、君は大切なお客さんに新聞配達をします。配達する間にちょっとしたイタズラをしてもかまいません。しかし、それぞれの日の終わりには社長が君の配った所を調べます。もしうまく出来たら君は、次の日も新聞配達に行けます。うまく出来なかったら仕事が少なくなってしまいます。
さぁ!自転車をうまくのりこなして、郊外の道を走りぬこう!!取扱説明書 <ゲームストーリー> より
れとげ部!での評価
馬鹿げ!:
……ただし!
隠神げ!:
ここが馬鹿げ!
新聞配達をしなければクリアできる!?
「新聞配達を題材に」ってあたり、すでに奇抜なアイデアで馬鹿っぽさがプンプンしてくるんだけど、私が一番「馬鹿げ!」だと思ったのは「新聞配達をしなければクリアできる!?」という皮肉なところね! 本作は一見難易度が高そうなんだけど、ハイスコアさえ狙わなければクリア自体はさほど難しくないっていう――本末転倒な! 新聞を配達できないとその家からは契約を切られてしまうが、一軒でも契約を切られなければゲームオーバーにはならないわけで、最初の一軒だけ確実に狙い打てばクリアはできるっていうよね。……しかし、町の人たちがいろんな方法で主人公を妨害してくる「ファミコンの住民って怖っ!」(ファミコンあるある)。主人公は主人公で「大事な商品であるところの新聞を投げる、しかもそれで町の人たちや家の窓を攻撃する」という傍若無人っぷり。そして新聞は道に落ちているのを拾って補給、その新聞は窓が割れるほどの破壊力を持っているって、もう無茶苦茶。――ね、「馬鹿げ!」でしょ?
ここが隠神げ!
全米が泣いた!?
勤労少年に全米が感動した! ――かどうかは定かじゃないんだけど「アメリカで100万本以上販売の超ヒット商品」っていうのはパッケージにも書いてある定か! 事実、テレビゲームを題材にした映画『シュガー・ラッシュ』や『ピクセル』にも本作の主人公が登場しており、海外でのこのゲームの人気を物語っているよね~。しかし、日本ではどちらかといえばマイナーげ。アメリカやヨーロッパでは数多くのハードに移植されているんだけど、日本だとFC版とMD版くらいだし販売数も少なくて今では希少品となっている。このばかばかしさがいいんだけどな~、ゲームとしても悪くない出来なんだけどな!
コメント! (レトゲで一言!)
少年は思った。『働かなきゃ……働いて、働いて、有名になるんだ!』……そして、少年は新聞配達を始めた!! ――勤労少年の苦悩を描く社会派ゲーム(?)。アメリカでは大ヒットしてるんだけど知ってる?