基本情報
- ジャンル:RPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :アスキー
- 発売日 :1990年3月9日
ゲーム概要
さて、今回は『ウィザードリィIII ダイアモンドの騎士』ですね。これはですね、FC版としたは文字通り第三作の『III』なれど、オリジナルでは第二作のシナリオ『#2』にあたる作品。前回『II』(オリジナルのシナリオ『#3』)のときにも述べたんだけど、オリジナルのシナリオ『#2』は「実質的に前作を所持していないと遊べない」ものだった。その理由は「キャラクターの新規作成機能がついていなかった」から。すなわち「前作のキャラを転送する」ことが前提だったんだ。
そのため「新規キャラでの攻略が困難!?」なゲームバランスとなっていて、日本でのFC移植時にはこの調整が必要だった。ために、一時移植を見送ってオリジナルのシナリオ『#3』をFC版『II』として発売。その後、きちんとゲームバランスを調整した『#2』をFC版『III』として世に送り出したがために「オリジナルとのナンバリングの差異」が生じてしまっているわけね。ちなみにFC版でも「ターボファイル」があればキャラ転送は可能だったんだけど、これは普及率が低かった。そのため「本作の移植見送り」の判断はまぁ妥当だったんじゃないかなぁ――なんて、私も思ってはいるんだけど、ちょっとややこしいよね!
しかし、本作はこの「ゲームバランスの調整」があったために、ある意味で「オリジナルを超える完成度」となっている。オリジナルのシナリオ『#2』は、転送されたキャラが前作のレベルや強さを引き継いでいるため、序盤から強力なモンスターが登場する。おそらく製作者は、マスターレベルと呼ばれるレベル13前後のキャラによるスタートを想定していたはずなんだけど、これが悲劇の原因となってしまったな! すなわち「前作のプレイヤーたちは強くなり過ぎていた!」事件。『Wiz』というゲームはシリーズを通して「目的達成後もプレイを続けること」が当たり前となっていて、当然多くのプレイヤーは続編発売までに前作を遊び倒しており、そのレベルは相当なものに達していたのである。ゆえに、いくら『#2』の敵が最初から強く、アイテムを失っている状態とはいえ、鍛えに鍛え抜かれたキャラの前では赤子の手をひねるようなもの。高レベルの侍やすべての呪文を覚えた忍者などの手によって、『#2』は簡単にクリアされてしまったのである!
だがしかし、それだけに日本のFC版『III』のゲームバランス調整が光る! グラフィック、操作性も『I』『II』より向上し、独自のアレンジが加えられているにもかかわらず、全体としてオリジナル『#2』の雰囲気は崩されていない。本作の目玉である「ゴッズアイテム」は中ボスの役目も担う強力な武器・防具で、倒して入手すればまさに「鬼に金棒」状態、オリジナル『#2』ではこれがインフレ状態にさらなる拍車をかけてしまい、FC版『III』においても強すぎる嫌いは確かにあれど、それでも「良アレンジ」といえる出来栄えになっている。WizのFC移植は本当に素晴らしかったのである!
ストーリー
ニルダ(Gnilda)の杖は,それを作りし者の鍛造技術を示す最高の作品であった.適切に使われたとき,その杖はリルガミン(Llylgamyn)の街を,すべての侵略者から護る,無敵の街にしたのである.その杖の放つ力場は,武器による攻撃にも,いかなる魔法をもってしても,決して打ち破ることはできなかった.そして,リルガミンの街を脅かす意図を持ったものは街に近付くことすらできず,悪意のないものは自由に出入りすることができたのである.
杖の力による防御は完璧なものであった.しかし,ただ一つの致命的な欠点を持っていたのだ…….杖は,リルガミンで生まれたものに対して,なんら力を持たなかったのである.それゆえ,悪の心をもって生まれたダバルプス(Davalpus)は,闇の力に助けられて,リルガミンの王位を奪い,王家を滅ぼすことが可能だったのだ.
だが,幸いなことに,この突然の襲撃から逃れて,若きマルグダ(Margda)王女とアラビク(Alavik)王子の姉弟は生き延びた.そして,マルグダとアラビクは,ダバルプスを倒す唯一の望みにすべてを託した.その望みとは,偉大なる英雄”ダイヤモンドの騎士(The Knight of Diamonds)”の伝説に名高い鎧だったのである.旧王家の姉弟は力を合わせてこの鎧を取り戻した.
神秘的な装束に身を固めたアラビクは,リルガミン城へ攻め上がった.勇壮なる戦いの末,ダバルプスは倒れた.しかし,彼は死ぬ間際に,呪いの言葉を発した.その呪いの威力は凄まじく,彼ら2人の戦場であった城は崩れ,あとには大地に開いた煙たなびく穴だけが残された.ダバルプスとアラビク,そしてかの偉大なる杖は消え失せた.
もし,杖が戻らなければ,リルガミンの街は滅びてしまうであろう.
取扱説明書 <物語> より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
FC版Wizの最高傑作!
本作は順当に「FC版Wizの最高傑作」と呼べるものになっているんじゃなかろーか。WizのFC移植は本当に素晴らしかったな。原作者も高く評価していたって納得だよね。
コメント! (レトゲで一言!)
FC版Wizは第三作も良すぎるよね。