基本情報
- ジャンル:RPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :データイースト
- 発売日 :1991年5月24日
ゲーム概要
- 「メタルマックス!!!」ですね(?)。一言で評するなら、破天荒RPG(?)。発売当時のテレビCMのキャッチコピーは「竜退治はもう飽きた!」。『ドラクエ』を代表する王道ファンタジーRPGへのアンチテーゼを唱えた意欲作である。
- 別のキャッチコピーは「戦車と人間のRPG」で、内容的にはこちらの方がわかりやすい。本作は、文明が崩壊し荒廃した近未来を舞台に、主人公の少年が戦車を駆りモンスターハンターとして生きていく。モンスターハンターといえば『モンスターハンター』を思い浮かべちゃうけど『モンハン』とは別のゲーム(当たり前)。ただし、ゲームの自由度については通ずるものがあると私は考える。
- 本作において「クルマ」と総称される戦車は、従来のRPGに見られるただの乗り物(移動手段)とは一線を画す存在だ。搭乗したまま敵とエンカウント、しかし戦うのは生身の人間。――というのが当時のRPGのスタンダードだった中、乗り物自体を武器とする発想はなかったように思われる(ただし、『スパロボ』などのSRPGは除く)。もちろん、戦車を入手するまでの間や、あるいは地形によって戦車が乗り入れできない場所など、人間が戦うシーンもある。
- 戦車には主砲・副砲・エンジンなど6つのパーツが存在し、これにより戦車のカスタマイズが可能となり、『メタルマックス』の目玉となっている。カスタマイズも「救急車に主砲を搭載する」など自由度が高く、しかし無理な改造には相応のお金がかかるようになっており、このゲームはとにかくGを稼ぐ必要がある。
- 金策で効率的なのが「賞金首退治」。これはストーリーとは別に用意されたボスを任意で討伐すると大金が稼げるシステム。賞金首ボスはランダムエンカウントが基本となっているため、出現ポイントを探して遭遇待ちしなければならない。また、本作には埋蔵アイテムもあり、「地雷探知機」や「金属探知機」を使用して座標をサーチ、Gやパーツが拾える。拾えるものの中には戦車もある。
- 以上のように既存のRPGになかった要素が多く、自由度の高さが本作の評価に繋がっている。このゲームは大まかなストーリーの流れは用意されているが、ハンターとして独り立ちしてからは攻略順序がなく、強制的に行動を制限されることもない。当時の王道RPGに慣れたファミっ子たちが戸惑うほどフリーダムなゲーム性だったな。
- その特徴を最もよく表しているのが「エンディング」のタイミングである。エンディングの条件は「主人公の父親に話しかけて引退を選ぶ」こと。これは最初の戦車を入手後ならいつでも行える(最速でエンディングが見られるファミコンRPGトップ3に入るかもしれない)。もちろん、真のエンディングを見るためには、ラスボスに相当するキャラを倒さなくちゃいけないんだけど、それにしたって倒してから引退するという手段は変わらず。逆に、引退を拒否し続ければ、ラスボス討伐後にもこの世界で遊び続けることができる。
- こうした奔放なシステムは高評価を得て、現在でもシリーズ展開が続いているほど。熱狂的なファンに支持されている。しかし、スーファミ発売後のファミコン後期の作品だけに、当時プレイした経験を持つ人にはなかなか出会えない印象を持つ。隠れた名作と言っていいんじゃないかな。
ストーリー
いったい何が起こったのか!?
文明は崩壊し、平和はがれきの下へ朽ち果てた……。
人類はもはや地上の支配者ではなくどこからともなく現れたモンスターたちの姿に怯えて暮らすおくびょうな小羊になりさがっていた。
謎につつまれた〝大破壊〟の日々。
人類はその記憶さえも失くし過去の文明の遺産を食いつぶしながらただ生きているだけであるかのように見えた……。
だが、人類はまだ、年老いてはいなかった!
凶暴なモンスターがうろつく、この危険な世界にもいつしか村や町ができあがり人々はささやかな活気をとりもどしつつあったのである。
そしてここに、この時代であるがゆえに光を放つひと握りの、荒々しい人間たちがいた!
それは、強力な戦車を駆ってモンスターどもをなぎ倒す情け無用の賞金稼ぎ……。
人々は、尊敬と恐怖の念をこめて彼らを、モンスターハンターと呼んだ…!取扱説明書 <ストーリー> より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
- 斬新性と自由度!
――とにかく当時はこれが斬新だったな。RPGといえば魔法が使えるファンタジーが当たり前だった時代。荒廃した近未来を舞台に、戦車に乗って旅をするという世界観。そして何よりも特筆すべき「自由度の高さ」。モンスター退治、戦車のカスタム、レアアイテムの入手……、うん、こうやって書いていくとホント『モンスターハンター』的な楽しさが詰まってる。当時はまだこういった自由度の高いゲームはあまりなかったはず。指示されるままに旅を進めていく他のRPGに慣れていたファミっ子は「これでいいのだろうか?」なんて疑問に思いながらプレイしていたかも。ただ、すでにスーファミが発売されていたファミコン後期の作品だけに、知っている人がとかく少ない印象を受ける。だけに、語り合える人になかなか出会えない隠れた名作のイメージがある。
コメント! (レトゲで一言!)
息の長いシリーズだけど知っている人は割と少ないイメージ。語り合える人大募集。