田代まさしのプリンセスがいっぱい

基本情報

• ジャンル：アクション
• 機種　　：ファミリーコンピュータ
• 発売元　：EPIC・ソニー
• 発売日　：1989年10月27日

ゲーム概要

• はい出ました『田代まさしのプリンセスがいっぱい』。うん、もうこのタイトルだけでね。「イメージ悪い」って思っちゃうかもね。すでにタイトル画面で「田代まさし」って微妙におどろおどろしいフォントで書かれてるのも、なんとな～くその後の顛末を想像させる感あるよね。

• でもね、あえて言っておきたい。このゲームは一般的には「クソゲー」っていわれてるけど、内容的にはそこまでクソってわけじゃない。むしろ普通。そう普通なんです。

• EPIC・ソニーから1989年10月に発売されたこのソフトは見ての通りのアクションゲーム。主人公の田代まさしさんがヨーヨーを片手に4人のプリンセスを救出に向かう、普通のアクションゲーム。うん、至って普通のゲームである（慣性が働く操作性にやや難あれども）
• 個人的にはヨーヨーっていう武器が秀逸だなとか思ってて、ボスを倒すことでファイア・アイス・ストーン・プラントといった強化ができる。まさに『ロックマン』的なこのシステムね（ちなみになぜか最終ステージだけは『ゼルダの伝説』風の見下ろし型アクションになる）。『HUNTER×HUNTER』のキルアのヨーヨー（サンダー）にも通じるこの感じ、割と嫌いじゃない感じ。

• ゲーム内に登場するプリンセスはシンデレラ・人魚姫・おやゆび姫・白雪姫でそれぞれに現実のイメージモデルが存在してる。実際にオーディションが行われて1107通の応募者の中から審査員である田代まさしさんによる一次審査（書類）と一般投票により4名の少女が選ばれたんだ。
• そして、このオーディションの対象は「女子小学生」だった。
• そう、JSだったのである（なぜ言い直したのかはお察し）

• うん、まぁ当時ファミコンといえばメインユーザーは小学生だったわけだし。女の子にターゲティングしたマーケティングも悪くないと思われ。
• ただね、のちに本作の主人公だった田代まさしさんの転落人生。「大切なものは勇気。守るものは愛。下心はぜーんぜんナイ。」というキャッチコピーが何とも皮肉に響いて聞こゆる。

• しかも選ばれし4人のプリンセスのJSモデルたちは説明書などに名前、顔、年齢が掲載されてしまってたっていう話。……うん、やっぱり夢を売る人たちは、夢を見た子供たちのためにもちゃんとした人生を送ってもらいたいなっていう――割と切実なる話。
• そんなこのゲームのエンディングは夢オチともとれる内容だったっていう話（オチ）ね。

ストーリー

ある夜、マーシーこと田代まさしが例によって、ヨダレスタイルで寝ているとナント、ナント、枕元にカワイイ妖精が現れたではないですか。ビックリ顔のマーシーに妖精は語りはじめました。

フェアリーランドというおとぎの世界がとってもすっごく性格の悪いウルトラ・マージョとかいう魔界の女王に支配されちゃったから助けてほしい……ってわけ。

マーシーは妖精もカワイイし、かわいそうだと思ったんですが、なんとかマージョって、こわそうだしぃ～痛いの嫌いだしぃ～思わず寝たフリしちゃったわけなんです。

ところがさすが神の使い妖精さん、マーシーの性格バッチリ見抜いていて、捕らわれている4人のカワイイプリンセスたちの写真を見せたんです。

マーシーはムックリ起き上がり力強く一言。「私は困った人を見ると、ほっておけないたちなんです。ハッハッハ……。」

ともあれマーシーの旅は始まったわけです。ハイ。

取扱説明書 ＜ものがたり＞ より

れとげ部！での評価

馬鹿げ！：

ここが馬鹿げ！

• クソゲー扱いされるその理由……
  ――すべては主人公のイメージのせいっていうよね。確かに、ゲームのクオリティ的にはそこまでひどいことにはなっていないと思われ。かといって「ならいいゲームなのか？」と聞かれると、う～ん。唸らざるを得ないよね。本作に登場する4人のプリンセスのモデルを女子小学生の公募から選んでる点と「ミニにタコ事件」の印象が微妙にまっちんぐぅしていて、やっぱりイメージはよくないよね。しかもメーカーはこのソフト発売後にゲーム事業から撤退。今後ともダウンロード販売も望めないっていう。主人公もメーカーも消えてしまった幻のゲームという、う～ん、やっぱりイメージ悪いよね。