基本情報
- ジャンル:3Dアクションシューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ ディスクシステム
- 発売元 :DOG(スクウェア)
- 発売日 :1987年3月12日
ゲーム概要
『とびだせ大作戦』は1987年にファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフトとして発売され、販売はスクウェア・DOGブランドが行っていたな。この「DOG」というのは「ディスク・オリジナル・グループ」の略称で、当時スクウェアが音頭を取り、主にPCゲームを開発していたメーカー数社が参加して、ディスクシステム用タイトルを制作・販売していた連合体である(本作に関してはスクウェア本体が開発を行っているんだけど、例えば翌1988年に書き換え専用タイトルとして発売された『亜空戦記ライジン』は、開発マイクロキャビン、販売スクウェア・DOGといったカタチ)。さらに、本作の開発には『ファイナルファンタジー』のスタッフであるナーシャ・ジベリ氏や植松伸夫氏が携わっている。
このゲームを紹介するときによく対比されるタイトルが1985年にアーケードで一大センセーショナルを巻き起こした『スペースハリアー』である。ゲーム画面を見ても一目瞭然に似ているけれど、『とびだせ大作戦』は「アクション色がより強い」作品に仕上がっているのが特徴的だ。両タイトルともに疑似的な3D空間がフィールドとなっており画面の奥へ向かって進んでいくのだが、主人公のジャックは飛行するのではなく自分の足で走りジャンプする。敵や穴を跳び越えながら、途中でアイテムのミサイルを取得することで弾が撃てるようになり、クラッシャー(薬ビン)を取れば敵を踏み潰せるようになる。本作はこの「奥へ進んでいく」様を再現するため、ラスタースクロールを用いている。ファミコンでありながら処理落ちしない高速移動の実現に成功している。障害物の拡大表現も秀逸の一言で、動きも非常になめらか。主人公のアクションもコミカルで面白い。
さらに本作は画面が立体的に飛び出して見える3Dメガネ(左右のレンズ部分がそれぞれ赤と青とになっているもの)を「とびだせメガネ」として同梱(書き換えの場合には別売りあり)。メガネをしてゲーム中にセレクトボタンでモード変更すると文字通り「画面が飛び出して見える」仕組みを取り入れていた。この赤青2色メガネを使う3D表現技法は「アナグリフ方式」と呼ばれるもので、江戸時代(1853年)に発明され、大正時代(1922年)にはそれを用いた映画が製作されるなど意外と古くから存在している。80年代前半では映画『ジョーズ3』などにも使用され、子供たちの間でも結構知られていたっけね。この3Dモードが本作の最大のウリであったのだが、「目がチカチカする!」ってことで私の周りじゃあんまし評判よくなかったな。そのためか、この仕様は後が続かなかった記憶がある(本作を「とびだせシリーズ第1弾」と銘打っていただけに、メーカー側としてはシリーズ展開を狙っていたのは明らかだったんだけどね)
ストーリー
俺はジャック。町から町、星から星へと渡り歩いている流れ者さ。気ままな1人旅を続けていた俺が、キラキラ星の小さな村を訪ねたときのことだ。宿を借りて、さて、ひとねむりしようか、と思っているところに、村長の孫娘のシンディが訪ねてきたんだ。
「おねがいっ」と言って、シンディは床につっぷして泣き出してしまった。気の強そうな女の子なのに、いったいどうしたっていうんだろうか?
「おねがい」の内容ってのは、近頃キラキラ星で暴れまわっているドラゴンを退治してほしいってことだった。
「ドラゴンの1匹や2匹、簡単にこらしめてやるぜ」と軽く引きうけたのだけれど、実は、ドラゴンは8兄弟だったのだ!
ま、美人の頼みとあっちゃしかたない…。
取扱説明書 <ストーリー> より
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
ファミコン版を比べてみると……
ゲームとしては単調ながらも作り的には明らかに『スペースハリアー』よりも『とびだせ大作戦』の方が優れていると感じられる。まぁ前者はAC移植であるためにどうしても削れない部分があったのかもしれないけれど。しかし2年という発売年の差を鑑みるにメーカーの技術力の差を感じずにはいられない。メーカーというかプログラマーの差なのかもしれないけれど――さすがナーシャ・ジベリ氏ですね!
コメント! (レトゲで一言!)
とびだせメガネはともかく、技術力の高さを感じずにはいられない。