基本情報
- ジャンル:ガンシューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :タイトー
- 発売日 :1989年3月31日
ゲーム概要
『オペレーションウルフ』は1989年にタイトーさんより発売されたファミコン・ガンシューティングゲーム。1987年リリースのアーケードゲームの移植作なんだな(――筐体にはタイトー純正以外に複数バージョンがあったっけ。簡易版の「ちびっこ筐体」とか見たことあるかな。ステージセレクトが出来ないなど内容にも違いがあったね)
FC版は「光線銃」(ガンコン)にも対応していたのが、家庭用ハード版としては優れていたな(他のハードは照準を十字ボタンで動かすコントローラー操作のみ。ちなみにFC版はこの照準の移動スピードを5段階から調節できる親切設計)。本作の目的は「南米で捕虜となった大使館員を救出する」こと。プレイヤーは4つのステージから1つを選び、規定数の敵を倒せばクリアとなる。ステージクリア時には体力回復、弾薬補給などの恩恵があり、ジャングルステージクリア後は収容所ステージが登場、「捕虜救出 → 空港からの脱出」を経て1周クリアとなる。
武器は段数制限のあるマシンガンとロケット弾で、画面上に出てくるマガジンや弾頭を撃つことで残弾の補充が可能(これらのアイテムは「コンドル・ブタ・ニワトリ」に弾丸を当てても出現する)。マシンガンはボタン押しっぱなしで連射できるが、弾を撃ち切ってしまうとほぼゲームオーバー確定(捕虜バッドエンド)となる。ロケット弾は威力が高く、装甲車やヘリなど耐久力が高い敵も一撃で倒せるが弾数が少なく、やっぱり大事に使いたい。
ダメージ制を採用しており、敵から撃たれたり民間人などを誤射してしまうとダメージが蓄積、ゲージが満タンになるとゲームオーバーとなる。ダメージはステージクリアで回復する(とくに部落ステージをクリアすると大きく回復する)。画面上を敵の他に民間人が横切るのはこの手のゲームでは当たり前となっているけど、救護隊や少年はまだしも、銃撃戦の最中に水着ギャルが飛び出してくるのは……やっぱりお約束ですよね!(?)。収容所で救出した捕虜をすべて撃ち殺してしまった場合も即座にミスとはならないものの――ステージクリア後に大統領から罵倒され、ゲームオーバーとなってしまう。
基本的には規定数の敵を倒せばクリアだが、ラストの空港にはボスがおり――ステージの最後に武装ヘリを破壊すればゲームクリアとなり、人質の救出成功を大統領が満面の笑みで称えてくれる(大統領の顔が小憎らしく見えちゃうのは私だけ?)
本作はゲームオーバー、ゲームクリア、ステージ間に挿入されるデモ画面が劇画調で「濃い!」のも特徴的だったな。このあたりはファミコン版でも割と忠実に再現されていて個人的には好ポイント。日本ではあまり受けないタッチだけれど北米では大ヒットした事実を鑑みるに、この判断は「結果的に正しかった」と言わざるを得ないよね。本タイトル自体は「シューティングゲームの新たな道を切り開いた作品!」といっても過言ではない。ファミコン版は「ガンコン(光線銃)対応」で、見た目的にはAC版や他の移植版に劣るものの、「ゲーセン感を家庭用ゲーム機で楽しめた」のは大きかった思ひ出(当時のゲーセンは不良のたまり場的な印象も強く、ファミっ子が遊ぶのはとても勇気がいる行為だった気がしてる)。確かに、元がアーケードゲームだけに1周がやや短くボリューム不足感は否めず。とはいえ全体としては「神げ!」といってもよいレトロゲームだと私は思っているよ!
ストーリー
コードネーム 作戦名 オペレーションウルフ発令!
この人質救出作戦は、極秘のうちに成功させなければならない。198×年南米のリチェゴ国で勃発したクーデターは、一夜にしてリチェゴに新政権を誕生させ、世界中を驚かした。リチェゴの新大統領は、ただちに親国派の前大統領とカリメア大使館員等を、多くの政治犯とともに収容所へ送りこんでしまった。彼らが処刑されるのは、もはや時間の問題だ。
事態を重く見たカリメア大統領は、捕えられた大使館員の救出を国民に約束し、正規軍の投入も検討された。しかし、かつての某国での失敗のあの二の舞になることだけは、なんとしても避けねばならなかった。そして、ついに大統領の命令は下った。「カリメアの介入は避け隠密に処理せよ」。
そこで、ムトナベ帰還後、傭兵となり、カフリアでいくつもの戦火をくぐりぬけてきた歴戦のキミは、ひとりパラシュートでリチェゴに勇敢に降下した。
作戦のコードネームは「オペレーションウルフ(狼作戦)」…キミは人質を無事に国外に脱出させることができるか!?すべてがキミの腕にかかっている。
取扱説明書 より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
ガンシューティングの元祖!
いわゆる「ガンシューティング」というジャンルは古くから存在していたわけだが、その歴史はテレビゲーム以前のエレメカの時代にまで遡れる。その中でも任天堂さんの光線銃を使用したシリーズは、業務用では『レーザークレー』といった大型施設を実現し、店舗向けには『ワイルドガンマン』『シューティングトレーナー』などの筐体を販売していた。これらは主に70年代前半に流行していたゲームであり、テレビゲームが一般的になるにつれ自然と消えていったのである。
テレビゲームにおけるガンシューティングもまた、任天堂さんの手により広まっていったな。そしてそれもやはりファミコンの光線銃シリーズの発売によるものであった。このシリーズは銃社会であるアメリカでとくに絶大な人気を誇り、『ダックハント』は全テレビゲームの売上ベスト5に入るほど。では、このブームに乗って業務用でも……? と思いきや、ガンシューティングというジャンルは業務用では普及せず……。80年代の半ばを過ぎても、まだ未開拓の分野として市場が形成されていなかったのである。
本タイトル『オペレーションウルフ』(AC版)はそんな時代に発売され、日米で大ヒットを記録――テレビゲームの歴史を変えた作品ともいわれている。ちょうど大型の体感ゲームがブームになっていたことも後押しとなり、家庭用ゲーム機との差別化をはかるため専用の大型アップライト筐体が開発されたのだ。これは画面前に取り付けられたマシンガン風の銃が振動するなど、とても臨場感溢れるものになっていたな。こうして本作のヒットの後、ガンシューティングはメジャージャンルの仲間入りを果たす。とくにライトなユーザー層に楽しまれるゲームとして現在まで新作が発売され続けているのである。
コメント! (レトゲで一言!)
オリジナルはいわゆるガンシューティングの元祖ともいわれる作品。大統領の顔の小憎らしさがよく再現されているね。