基本情報
- ジャンル:シミュレーション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :光栄
- 発売日 :1991年5月23日
ゲーム概要
『ランペルール』とはフランス語で「皇帝」の意である。すなわち、本作はナポレオン・ボナパルトが主役の歴史SLGである! フランス革命後の混乱期に軍人として頭角を現し、ついには皇帝にまで登り詰めヨーロッパを席巻した希代の英雄――と、その人物を要約すればこんな感じかな?(端折りすぎかな?)
プレイヤーはそんなナポレオンとなりてヨーロッパの統一を目指すよ。――はい、ここで大事なお知らせね「本作は1P専用」なんだな。マルチプレイが出来ないってのは、当時のファミコン光栄SLGでは珍しかったのではなかろーか。プレイヤーキャラもナポレオンのみで、イギリスやロシアなどを選択して遊ぶことも出来ない。なので、ナポレオンが嫌いな人とか、ファミコンは多人数でワイワイやりたい派の人にはオススメ出来ないゲームだった(まぁSLGは一人で楽しむのが主流だろうし、そもそもナポレオンのことそんなに知らないって話になるかもしれないんだけども)
「ナポレオン」という主題もさることながら、『ランペルール』はシステム的にもそれまでの光栄歴史SLGとは一風変わっていた。まず、シナリオ(年代別)によってナポレオンの地位が異なり「司令官 ⇒ 最高司令官 ⇒ 第一執政 ⇒ 皇帝」と出世していくことになる。シナリオ1の地方の司令官時代では、ナポレオンに移動の自由はなく、命令を出せるのも自らが滞在している都市のみ。これが「クリア条件を満たして最高司令官へと出世する」ことで、都市間の移動が自由に行えるようになり、さらに第一執政・皇帝へと出世すればそれに従っていろんなコマンドが実行できるようになる。これは「史実のナポレオンの出世」をゲームシステムとしてうまく組み込み、段階的に戦闘・政治の枠を広げていくようになっている。このシステムのおかげで光栄SLGにありがちな「中盤以降の中だるみ」も軽減され、作業ゲー的になるのが防がれているのではなかろーか!
さらにもう一つ大きな特徴が「外交」である。ヨーロッパ諸国は史実通りに対仏同盟を組んでナポレオンに対抗するため、これに力一辺倒で対処するのは難しい。そこで外交が他作にも増して重要になり、これを駆使して徐々に敵を切り崩していく必要がある。本作には「反仏感情」というパラメーターが存在し、各国これが悪化すると宣戦布告してくる。開戦後にはフランスが勝利を重ねることで反仏感情が下がっていき、ある程度下がると講和できるようになる。いつまでも戦争を続けていると配下の忠誠が下がっていって離反を招いてしまうため「関係悪化 ⇒ 開戦 ⇒ 休戦 ⇒ 関係悪化…」という流れがこのゲームの基本で、これは「現実の戦争」をよく再現している。「いつまでも戦争を続けることが幸せなわけがない」と現実で戦争に接する多くの人たちは思うはず。これを表現している点はゲーム的な面白さとは別にしても秀逸なところだと私は考えているよ!
そんなこんな『ランペルール』ですが、正直「知名度は低い」と言わざるを得ない。ナポレオン戦争は欧米のウォーゲーマーの間では「ナポレオニック」と呼ばれて、それなりに人気のあるテーマであるらしいんだけど、日本人には『信長の野望』に代表される戦国時代や「三国志」に比してはなじみが薄く、セールス的にはパッとしなかったそう(実際、シリーズ化もされていない)。しかして「歴代の光栄SLGの中でも評価は高い」「最高傑作に推す声もある」など「良作」であることは否めず、これって「隠神げ!」と言っていいんじゃないかって、私なんかは思っているんだけど、どー思う?
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
いつまでも戦争を続けることが幸せなわけがない!
これな。最近ホント思わされるよな。
コメント! (レトゲで一言!)
言わぬが花かもだけど光栄SLGは最高傑作がホント多いよね。