基本情報
- ジャンル:アドベンチャー
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :CBS・ソニー
- 発売日 :1989年12月15日
ゲーム概要
『かってにシロクマ もりをすくえのまき』は、漫画原作のファミコンゲーム。原作は、「独特な世界観がクセになる漫画家」相原コージ氏が1986年~1989年にかけて『漫画アクション』にて連載していたヒット作で、OVA化もされている。
内容は、エゾヒグマのアルビノである主人公「シロ」、要領のいい双子の弟「大ちゃん」と教育ママの母親、そしてイノシシの子「ウリ坊」が中心となり、北海道の自然の中で過ごす日常を描いたギャグ漫画。
ゲームは、原作の主要キャラクターとシーンを交え、アレンジされたオリジナル作品。神に選ばれたシロが森を救う勇者として旅に出る――といった王道ファンタジックRPG的なストーリーとなっている。システムはコマンド選択式に加え、やはりRPG風のマップを移動するパートがある。イベント地点やキャラを発見して接触するとADVパートに切り替わるしくみ。
ゲーム開始当初はシロひとりでの行動となるが、シナリオを進めていくと仲間を加入させることができる。最大で3人編成での旅となり、ちょっとした戦闘もあるなど、やっぱりRPG風の仕上がりが目立つ。アドベンチャーパートでは状況に応じてキャラを切り替える場面があり、『ふぁみこんむかし話』の「ひとかえる」コマンドを彷彿させる特徴的なところだ。
レベルなどの概念はないが、「IQ」という数値が存在するのも特徴的で、その値を上げることで「ステータスの上昇」「技の習得」が可能となる。IQは言わば「経験値代わり」といったもので、基本的にはイベントをこなすことで得られ、仲間が技を覚えることで行けなかった場所も通れるようになったりする。――ファミコンADVとしてはいろんな機能に富んでいると言えそうな。
しかしながら、このゲームを真に特徴づけているのは独自コマンド「うんこしろ」であり、ここにこのゲームのすべてが集約されているといっても決して過言ではない(いや、過言だろうか……)。これ以外にも、このゲームは「うんこ」が全体的なキーとなっていて、確かに原作でも「うんこ」にまつわるエピソードは存在するものの、シロの技でうんこを投げたり(技名もやはり「うんこしろ」だったり)、うんこから生物が転生したり――とにかく「うんこ」を推してくる。そして、ここまで言えばお察しの通り、本ブログでの評価「糞げ!」もこれに由来しているのは間違いない(それにしても、これほどまでに「うんこ」を推してくるファミコンゲームがかつてあっただろうか?)
ストーリー
ストーリー:シロたちの住んでいる森が、森の魔王と名乗る何者かの仕業によって、消滅し始めている!森の魔王の野望を打ち砕くため、シロは立ち上がった。仲間である、うりぼう、ちょしちゃんを捜し出し、森を破壊から救うのだ!
箱裏 より(簡易版ストーリー)
森の消滅をくいとめろ!
事件は、ある日突然起こった。ごはんを食べ終え、いつものようにウンコをしに木陰へとむかったシロ。足をひろげ、ふんばるシロの目の前で、うっそうとおいしげった木々が、アッという間に消えてしまったのだ! 後には暗黒の空間が残るばかりであった。驚くシロ、止まらぬウンコ……。
あまりの事にボーゼンと立ちつくすシロの前に、まばゆい光とともに1人の老人が現われた。
「わしは全知全能の神じゃ。シロよ、いまや森は危機にひんしておる。森の魔王なる怪物によって森が消滅しようとしているのじゃ。森を救えるのは、おまえしかいない。シロよ、森の魔王を倒し、森を救ってくれい! ヤツには丸腰では勝目はない。まず、四季の玉を探すのじゃ」
神はみけんにシワを寄せ、何やら早口でまくしたてたが、シロにはいっていることがよくわからなかった。どうやら理解できたことは、仲間を集め、四季の玉を手に入れ、森の魔王を倒せ! ということだけであった。
そんなわけで、シロは成りゆき上、森の魔王打倒の旅に出かけることになる。めざすは魔神山。森の魔王が住むという恐怖の山だ!
だいちゃんに話を聞いたところ、どうやらちょしちゃんが魔神山について何か知っているらしい。シロは、ちょしちゃんの巣穴へとむかうのだった。しかし、巣穴にはちょしちゃんのかわりに、ももちゃんの姿が。最近ちょしちゃんの姿を見かけなくなったという。
ちょしちゃんの姿を求めて森をさまよい歩くシロ! 途中、復活神という神様が住む泉にまよいこんでしまった。復活神は、ウンコを持ってくればそれを消化前の姿に復活させてくれるという。ウサギを食べた後にしたウンコなら、ウサギを生き返らせてくれるというのだ。(ウンコを食べた後にしたウンコは、何に復活するんだろう?)重大な使命を前にくだらない事を考えつつ、シロは旅を続けるのだった……。
はたして、シロは森の魔王を倒し、再び森に平和をとりもどすことができるのだろうか!?
取扱説明書 <ストーリー> より
れとげ部!での評価
糞げ!:
ここが糞げ!
良い意味で
本作の一般的な評価は「良くも悪くもキャラゲー」って感じ。漫画ファンからすれば「原作の雰囲気が感じられる」「漫画の絵柄とファミコンのドット絵が絶妙にマッチしている」など好感触だが、原作を知らないプレイヤーからしたら「うんこしろ → クソゲーの連想ゲーム」「マップ画面のキャラがデカくて障害物をかわすのに少し煩わしい」など「イメージと操作性の悪さ」が悪印象として指摘されていたりする。実際、原作者の方がクリアしたらしいのだが――それを担当氏に伝えたところ「最後までやった人なんか誰もいないよ」「プロデューサーでさえやってない」と言われてしまった思い出が、インスタのコメントで語られているのを発見して吹いた。私個人としては、これをプレイして原作がすごく読みたくなった。この感覚は私としては珍しいもので、ファミコンだと他に『魍魎戦記MADARA』と『少年アシベ』くらいだろうか……(いや、珍しいとか言っておいて他にもまだまだある気がしてきたんだけれど)。漫画原作ゲームだけに、今後とも移植・配信には期待が持てないだろうか(――とはいえ、今のところ中古価格は箱説付きでもそんなに高くはない感じか)。あなたの原作が読みたくなるゲームは何ですか???
コメント! (レトゲで一言!)
良い意味で。ウンコを食べた後にしたウンコは、何に復活するんだろう? 原作読みたなった。
【パスワードメモ】
ラスダン前:くきくこえおうあかああああこく(ちなみに、ラスボスはレベル上げでIQ900以上にして「すごいこうげき」を覚えないと苦戦するかも?)