基本情報
- ジャンル:RPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :ジャレコ
- 発売日 :1989年3月28日
ゲーム概要
『じゃじゃ丸忍法帳』は1989年3月28日にジャレコより発売のファミコン・RPG――秀作アクション『忍者じゃじゃ丸くん』を当時のブームに乗ってRPG化した作品。てか、「じゃじゃ丸くんにRPGあったんだ~」っていう人も少なくないかも――まぁ、そのくらい全くヒットとはならなかったなぁ。
このゲームはスタンダードな和風RPG――『ドラクエ』というか『桃太郎伝説』を思い浮かべてもらえたなら、まさにドンピシャ。経験値は「たましい」、レベルは「位」、お金は「両」といった感じに和風アレンジが施されている。最大の特徴となるのは「初めに三つの章から一つを選んでゲームスタート」すること。本作は四章構成となっており、初めに選んだ章によって「一→二→三→四」「二→三→一→四」「三→一→二→四」の3通りの進め方ができる。章をクリアすると位(レベル)や所持アイテムがリセットされ、四章開始時のみ直前の章の状態を持ち越すことが可能だ。
他には「グラフィックの描き込み」も特徴的。このゲームは主人公のじゃじゃ丸やヒロインのさくら姫はもちろん、お店の主人や家の住人など多くのキャラクターにアドベンチャーゲームさながらのグラフィックが用意されている。この辺り、ステージのバリエーションが豊富だった前作の「丁寧な作り込み」を彷彿させるところ――併せて、『じゃじゃ丸くん』でおなじみの敵キャラが助けてくれたり、さらわれるばかりだったさくら姫が仲間となって一緒に戦ってくれるのも嬉しかったな!
システム的にはオーソドックスなレトロRPGといった感じ。「エンカウント率が高い」「メニュー画面の操作が煩雑」「パスワードが長い(最大48文字)」など不満点があるが、当時のファミコンRPGとしては許容せざるを得ないと思う(ただし、年代的には『ドラクエIII』(1988年2月10日)がすでに発売されている時期であり、これと比べてしまえば『ドラクエI・II』を彷彿とさせる本作のシステム面は明らかに劣っていると言えるだろう)
ストーリー
序章
大悪人“なまず太夫”から、さくら姫を救い出したじゃじゃ丸は、その後、修行の旅に出ていた。
そしてある日、久しぶりにさくら姫の城をおとずれたじゃじゃ丸は、殿さまから重大な事を頼まれた。
「じゃじゃ丸よ! 人々の噂によると、何かこの国によからぬ事が起きようとしているらしい。どうかそれが本当の事か確めてきてはくれぬか?」
じゃじゃ丸は元気に答えた。
「へへっそんな事、朝飯前さ! まかしておきな!」
「うむっその言葉、信じたぞ。わが娘、さくらもきっとお前の役にたってくれるはずじゃ」
こうして、じゃじゃ丸、さくら姫の2人は国中の事件を解決する為、旅立っていった。第一章「盗まれた忍の書」
日本中で巻き起こる、数々の大事件…その謎を追うじゃじゃ丸の元に、生まれ故郷“忍の里”から大事件の知らせが届いた。先祖代々、妖怪退治の秘術を伝える“忍の書”が盗まれたと言うのだ。怪事件の影でうごめく妖怪軍団と戦うために必要な巻物が何者かの手に落ちてしまった。「まさか、忍の里までもが…」不安を胸にじゃじゃ丸は“忍の里”へと向かった。
じゃじゃ丸の不安は的中した。犯人はやはり、悪の妖怪軍団であった。「もはやこれまでか…」戦う術を失ったじゃじゃ丸は、すべての術を心得、史上最強と言われる伝説の忍者“はっぽうさい”の噂を知る。「“はっぽうさい”に会えば、なんとかなるかもしれない」最後の望みをたくし、“忍の里”を後にするのだった。
草原を行くじゃじゃ丸の前にさえ妖怪共が現われる。「こんな所にまで妖怪の手が伸びているとは…」国中が妖怪に支配される日は刻刻と近づいている。いそげじゃじゃ丸! おまえだけがたよりなのだ!!
先祖の霊を守る民が暮らす“はかもりの町”ここでじゃじゃ丸は“はっぽうさい”の消息を知る。同時にこの旅が果てしなく長くなる事も知るのだった。そんな時、一人の味方の事を思い出した。(さくら姫ならきっと力になってくれる…)姫が住む城へたどりついたじゃじゃ丸を殿様は丁重に迎かえた。そして、むかしより、ちょっぴり大人になった、さくら姫も…
こうして二人の新たなる旅立ちが始まる。第二章「江戸城の大妖怪」
人々が集う街、江戸。その江戸へこともあろうに“大入道”が現れた。恐怖におののく町民たち。どうする?じゃじゃ丸。
始まりはたびの町。まずは街の人たちと話をしてみよう。妖怪のうわさで町はもちきりだ。町の外では“おぼうさん”が、力になってくれる人を探している事がわかる。さらに歩いていくと、一匹の妖怪に出会う。とりあえず、話しかけてみると…何も答えない。どうやら悪者ではなさそうだが、何か様子が変だ。気がかりな思いを残しつつ、まだ話をしていない人々に会う事にしよう。もちろん“ぶきや”“よろずや”等へ寄って装備することは言うまでもない。
さあ町の外へ出てみよう。
“おぼうさん”に会うと、そこで初めて江戸を荒らし回っている“大入道”退治を頼まれる。さらに進むと、妖怪に姿を変えられた人間を、元へ戻すための物についての話が聞ける。そう、町の中で会った妖怪は実は人間だったのだ。敵を倒して、お金を貯めて“よろずや”で○○○○○を買おう。そして、町へ引き返していま買った物を妖怪に使うとやっと人間に戻すことができた。さっそく話を聞くと彼は“むさし”という侍だったのだ。「お礼に○○に置いてきたものをあげるよ」指定されたところを探してみると、「あった! ○○○○だ。これさえ手に入れれば洞窟でも先に進むことができるぞ!!」まだまだ旅は始まったばかり。がんばれ!! じゃじゃ丸。第三章「怪!竜神山の主」
ここ、西の国ではひでりのために田畑が荒れ果て、人々が苦しんでいた。天気を治める神様の一人“竜神”が雨を一滴も降らせてくれないためだ。「農民思いの“竜神様”が何故?」何か訳があるにちがいないとにらんだじゃじゃ丸は事の真偽を確かめる為に旅立った。明るい人々で賑わっているはずの“めでたい町”も、この噂のため暗い。「このまま飢え死にする」「竜神様に会いに行こう」町人たちは話し合っている。町はずれに住む仙人までも“竜神”は悪人に寝返ったのだと言う。旧敵“なまず太夫”の協力で海を渡り“竜神山”の麓の村“竜神村”をおとずれても、悪い噂は流れていた。「やはり、本当の事なのか…」じゃじゃ丸は“竜神”との対決を覚悟した。果して勝ち目はあるのだろうか!?
“竜神山”へ到着した、じゃじゃ丸を待っていたのは意外にも困り果てている“竜神”の姿だった。「“黒竜”が現われ雨の元“水晶玉”を奪ってしまったのじゃ」なんと真犯人は、遥か南の島に住む“黒竜”であった。じゃじゃ丸は“水晶玉”を取り戻す役目を引き受けるが、行く手には新たな敵、新たな謎が立ちはだかる。「娘が行方不明になった、助けてほしい」「南の島では見たこともない化物達が大暴れ手している」謎が謎を呼び、それを追うじゃじゃ丸…。
悪と恐怖に満ちた事件の真相を求めて、じゃじゃ丸は旅立って行く。再びこの国に平和をよみがえらせる事ができるだろうか?取扱説明書より
れとげ部!での評価
凡げ!:
ここが凡げ!
最初に章を選ぶとこ要る?
これの良さが私にはわからなかったなぁ。確かにRPGって序盤の頃のレベル上げや装備を整えていく過程が一番楽しい気はするんだけど、本作をプレイしていて「その感覚が3回も味わえるなんてお得だ!」――とはならない。なぜなら、「苦労して上げたレベルがリセットされる」から! 試みとしては後の『ドラクエIV』などにも見られるオムニバス形式を先立って採用したカタチとなり、評価されて然るべきポイントなのかもしれないんだけど私には無理!(ただし、「章ごとに新鮮な気分が味わえる!」と評価する声もある)。とはいえ先にも述べた通り、キャラグラなどは丁寧に作り込まれている印象を受けるだけに、これとシステム面が良ければひょっとしたら「神げ!」になり得たかもと思わせる――なんとも惜しい「凡げ!」である。
コメント! (レトゲで一言!)
「ブームに乗ってRPG」ファミコンあるある。レベルリセットは意見が分かれるところかな。