基本情報
- ジャンル:シューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :タイトー
- 発売日 :1990年9月20日
ゲーム概要
『インセクターX』は1989年8月アーケード稼働の「コミカルな見た目が特徴的な虫シューティング」――そのファミコン移植にあたる作品。「敵の多くが虫で殺虫剤や虫網が武器」といった一風変わったコンセプトを持っている。オールドシューターならば本作をプレイして『中華大仙』を思い浮かべるのは当たり前。それもそのはずで、両作はホット・ビィ開発、タイトー販売と、その出自が同じ。両方とも縦長の自機の当たり判定が大きく注意が必要なんだな!
ゲーム内容としては派手なパワーアップとサブウェポンが特徴的で、メインショットはアイテム取得で6段階まで強化できる。初期の段階では普通のショットだが、強化されると虫網型の貫通ショットが撃てるようになり、同時に斜め方向にも弾が発射される。サブウェポンは殺虫剤のアイテムを取ることで使用できるようになり、その際主人公が殺虫剤に跨るようになる。殺虫剤は時間経過により色が変化して、対地(青)・対空(赤)のどちらかの性能を持ち、アイテムを取るたび4段階にパワーアップしていく。ただし、このサブウェポンは「段階によって性質が異なる」ため、無理に最強までパワーアップしない方が有利に進められる場合もある。パワーダウンアイテムはないので、この見極めがなかなか重要な気がしてる!
FC版は基本的にAC版を踏襲しており、音楽・グラフィックの劣化はまぁ仕方ないとして、全体的に良好な移植となっている(ラスボス、クリア後周回制などのアレンジあり)。大きな違いとしては「自機に女の子キャラが追加された」ことで、ゲーム開始時にプレイヤーは男の子・女の子からキャラクターを選ぶことができる。男の子はメインショットが「単発・連射なし」、女の子は「3WAY・連射あり」と性能が異なっており、グラフィックの違いのみならず「女の子は初心者向け」と差別化できているのがイイ工夫。タイトル画面からオプションにて難易度(ノーマル・ハード・スペシャル)と残機を設定できるのもユーザライクで好印象!
じつはこのタイトルを語るとき一番面白いと思うのは「メガドライブ版」なんだな! アーケード版のコミカルな見た目が比較的忠実に再現されているファミコン版に対して、メガドライブ版は「リアル&メカニック」なグラフィックに変わっている(あとサブウェポンも任意切り替え方式に変更されている)。実際のところ本来、本作は「コミカル路線ではなくリアルなキャラとメカ昆虫の戦いを描くシリアル路線」がオリジナルであったそう。ところがこのバージョン、販売元のタイトーさんからNGを出されて今のカタチに落ち着いたという。冒頭で述べたように「全体が『中華大仙』風になっている」のも、たぶんタイトーさん側の要求だったんだろーね!
れとげ部!での評価
虫げ!:
ここが虫げ!
虫とシューティングって……
すごく相性いいって気がしてる。最近ネットの3D図鑑とかすごくリアルで眺めているだけでも楽しいし。これを現代の技術で超リアル虫シューにしたら絶対面白い! ――って、思うのは私だけ?
ところで、ファミコン版のストーリーが不明で気になってる。アーケード版のストーリーは以下の通りなんだが――
悪の昆虫メカ軍団を倒すのだ! 全世界征服の野望を抱く小型種族の帝王バグロイドが動きだした。昆虫たちをサイボーグ化し、バグロイドの大軍を結成、人間世界へ大侵攻を開始したのだ。通常兵器では攻撃できないメカ昆虫を退治するために、人間たちは昆虫サイズのインセクター戦士「ヤンマー」を造りだした。ジェットエンジンより効率の良いはばたき羽を持ち、特殊スーツを装着した戦士だ。さあ、ヤンマーよ! 帝王バグロイドを倒せ!
メガドライブ版も「リアル&メカニック」路線に変更されているとはいえ、ストーリー的にはほとんど違和感を感じないんだけど、ファミコン版はラスボスが博士みたいなのに変わっていて、全体的にキャラもサイボーグ感が感じられず……。取扱説明書を未所有の上、ネットにも詳しく書かれているサイトがなく、とってもストーリーが気になってる。断片情報を組み合わせるに「アニー君とミュウちゃんの二人が、世界征服を企む悪の科学者(?)ぼっこまんの野望を阻止すべく戦いが始まる!」的な(困ったときの『ロックマン』スタイルみたいな?)。はたしてアニー君とミュウちゃんとは何者なのか? ――説明書を持っている方がいたらストーリーをコメントに書いてくれたら嬉しいし。
コメント! (レトゲで一言!)
コミカルな見た目が特徴的な虫シューティング。しかし開発元はリアル&メカニック路線にしたかったらしい(MD版)