基本情報
- ジャンル:RPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :任天堂
- 発売日 :1987年12月15日
ゲーム概要
今回は『銀河の三人』ですね。これは『地球戦士ライーザ』と言った方がピンとくる人もいるかも。『地球戦士ライーザ』は1985年にエニックスさんから発売されたPC用のSF-RPG。『銀河の三人』は任天堂さんがそれをアレンジしてファミコン移植(グラフィックなどはもはやオリジナルとはかけ離れた「別物」といってもよい仕上がりに)。パケ絵を見れば一目瞭然にキャラデザは永井豪さん!(『マジンガーZ』や『デビルマン』などでおなじみの!)。でもこれホントにパケ絵だけで、ゲーム内キャラの顔グラはまったく別人に!(まぁ、これはファミコンあるあるではあるよね!)。内容は「宇宙を舞台に人型兵器に乗って宇宙人と戦う」いわば『超時空要塞マクロス』のイメージでほぼ間違いない。難易度が高く「クソゲー」呼ばわりされることもしばしばだけど、重厚かつ悲劇的なストーリーは高評価を得ていて、実際にプレイしたことのあるファミっ子たちの評判は上々。私としてもちょっと判断に迷うタイトルではあるんだよね~。ちなみに本作は「任天堂初のRPG作品」らしいよ!(移植じゃない完全オリジナルのRPGなら1989年発売の『MOTHER』なんだって!)
当時「宇宙を舞台にRPGを制作する」のはとても大変なことだったように思うの。3Dダンジョンでも2Dフィールドでも「ただ広大な真っ暗闇」となる宇宙空間をどう表現すべきか……ハードスペック的にも厳しいものがあったんじゃないかなー。しかし、そこで本作は大胆な手法を打ち出した! それが「時空跳躍を使っての宇宙移動」である! 目的地を決定すると距離が表示され、その距離を跳躍で縮めていくことで目的地に到着する――この方法なら広すぎる宇宙でプレイヤーが迷子になることもなし、また宇宙空間の広大さを数値の差で表現することもできる。跳躍時にランダムで敵とエンカウントしてザコ戦が発生する仕様もRPGとして成立するものとなっており、なかなか秀逸なのではなかろーか!
主人公は人型ロボット兵器「ライーザ」に搭乗し、相棒のブルーと共にガルム星人と戦う。攻撃方法は「弾数無制限のビーム」「弾数制限ありのミサイル」「接近戦のソード」と3種類存在する。これらを敵によってうまく使い分ける必要があり、とくにミサイルは一度に多数発射することで高威力の攻撃ができるようになっている。序盤は大きなイベントもなく淡々と進んでいく印象だけど、中盤以降は大きな展開を見せる。本作のヒロインであるリミは終盤において非常に重要な役割を担っており、ラストはかなり悲劇的なもので、このストーリーに当時から賛否両論存在したな!
ゲームバランス的には「場面ごとにレベルアップ上限がある」「ラスダンが広い・敵強い・エンカ多い」など「無理げ!」な要素が散見され「正攻法ではクリアが難しい」仕上がりに。ただし、この辺りは「メニュー画面を開いて閉じた後の数歩はエンカウントが発生しない」のでメニュー画面の開閉を繰り返して進むなどの裏技的な攻略法が存在している。――とはいえ、現代ではこうした情報を得るのは容易なれど当時は自力で気づくしかなく、やっぱりクリアは相当困難なものだったのではなかろーか。冒頭でも述べたとおり、この辺りのゲームバランスとストーリーが「クソゲー」「隠れた名作」の評価の分かれ目となっていて、現代では「隠れた名作」寄りの評価が多い印象を持つよ。私的にもストーリーはなかなかよくて、思えば昔のSFロボットアニメってこんな感じの「悲劇的な結末」が多かったような気がしてる!(もはや「隠神げ!」と言ってもいいようだけど一応疑問符つけておく!)
ストーリー
ガルム暦5462年 ――故郷ガルム星消滅――
ガルム星の2大王国で戦争が起き、戦いはエスカレートし、最終兵器〝ポラー″(反陽子爆弾)の使用に発展。ガルム星は一瞬にして宇宙空間から消えた。偶然、宇宙空間にいたガルム人は結集し、第2のガルム星をさがして放浪の旅に出た。
ガルム暦6726年 ――ライエル大虐殺事件――
軍事顧問ライエルの恋人であったスイートマドンナが商人カリザと恋におちて、心中をはかった。ライエルは怒り狂い数十隻の宇宙船を爆破させ、856万人の死者を出した。当時の帝王は、第2のガルム星を見つけるまで、遺伝子操作で全ガルム人の「愛」という感情を消去した。
取扱説明書 『ガルム星人の歴史』 より
西暦2300年――。
人類は地球連邦国家をつくり、永遠に戦争を放棄した。国境はなくなり、すべての人に愛と平和が与えられた。しかし、外宇宙から現れた謎の文明〝ガルム″の攻撃により、地球はふたたび危機をむかえることになった。
「我々はおろかなる戦争によって我が大地ガルム星を失った。
我々は第2のガルム星をさがし、2億6千万光年の旅を続けてきた。
そして今、ここに安息の地を見つけたのだ。
その名は地球……。」ガルムの強大な軍事力に地球は敗北寸前まで追い込まれていた。
取扱説明書 『プロローグ<銀河の三人の世界>』 より
れとげ部!での評価
隠神げ?:
ここが隠神げ?
衝撃的結末!?
簡単に書くと、主人公と相棒のブルーは任務中に記憶喪失の少女リミを発見。リミは主人公たちの仲間となり、そのサポートをするうちに主人公を愛するようになっていく。しかし、ラストにおいてラスボスであるガルム帝王との戦いでブルーが戦死、リミは「ガルム帝王の妹である」という記憶を取り戻すことになる。ラスボス撃破後、主人公もリミを愛していて「もう一度その記憶を忘れてくれないか…」と対峙するも……。リミたちガルム星人は「人の規律を乱す愛という感情を捨てる遺伝子処置」が施されており、愛を抱いた瞬間にガルムウイルスを発生、消滅する。ガルムウイルスは地球を死の星へと変えるもので――語り終えたリミは兄の仇である主人公にレーザーガンを向け、主人公のレーザーガンがリミの胸を貫く。そして、リミのレーザーガンのロックは外されていなかったのだった――みたいな。うん、こういう悲劇的な結末、割と嫌いじゃないのは私だけ?(ドラクエ4のラストとかもこういう想像しちゃうんだよね!)
コメント! (レトゲで一言!)
「キャラ変わりすぎやろっ!」っていうファミコンあるある。「FC版のことはなかったことにしてください」っていうけれどそんなこともないよね?