蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シミュレーション
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :光栄
  • 発売日 :1989年4月20日

ゲーム概要

歴史三部作の中でも最大のスケールを誇るのが「蒼き狼と白き牝鹿シリーズ」である。本作はその第二作にあたる作品『蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン』である。――とはいえ、第一作の初出はPCで1985年と意外と古く、初代の「パワーアップ版」的な内容であったため、第一作と同様に扱われているところがちょっとややかこしい。……てか、「歴史三部作」って聞いたことある? 一時は光栄さんもこのフレーズを推してたんだけど、いつの間にかまったく言わなくなってしまったな。まぁ、その理由は「本シリーズが続かなくなってしまった」からだよね。え、なぜかって? 一番は「信長・三國志に比して売れなかった」から。あとは「オルドが女性蔑視的に捉えられてしまう」から。オルドについては後述するけど、この内容を現代にてメジャーなメーカーさんが一般ゲームとして発売するのはチョイ勇気いるかも。しかして「シリーズの復活を心から願う!」同志は決して少なくないと私は信じているよ!

さて。前置きが長くなってしまったけど、本作はジンギスカンとしてモンゴル高原を平定し(モンゴル編)、さらにはユーラシア大陸を制覇する(世界編)という「壮大なテーマ」を持つシミュレーションゲームである。「世界編」ではモンゴル帝国のジンギスカンの他、イングランドのリチャード1世・ビザンツ帝国のアレクシオス・日本の源頼朝といった4人の中からプレイヤーキャラを選択することもでき、各勢力による世界制覇が主軸となっている。そして世界制覇を1代でなすことはもちろん難しく、そこで君主にとって重要な仕事になってくるのが「子孫を残すこと」であり、これが本シリーズ最大の特徴とも言うべき「オルド」なのである!

とにかくオルド! 内政も戦争もそっちのけでオルド!(私だけ?)――「オルド」とはゲーム中のコマンドであり、これを実行して后を選択することで「子どもをもうけるシステム」である。オルドとは実際には「ハーンやその后妃の宿営地」を指す言葉だが、本作によって「子作り」の意味が一部のファミっ子たちの間に広まってしまった。今でも「オルド」に反応する人がいたらそれはきっとこのゲームの経験者(同士)に違いない!

オルドする際、后が時にその気にならず、それをなだめすかしたり、強引に迫ったり、金にものをいわせたりする駆け引きが大人のリアル。后は敵勢力を滅ぼすことで奪うことができ、この辺りが現代では「女性蔑視」を彷彿とさせ、新作やリメイクを出すのが難しい要因と思われる。昔のモンゴルでは普通だった史実を踏まえると、なんか妙な感慨が湧くのは私だけじゃないと思う。オルドで生まれてくる子供は男と女の性別がしっかりとあり、息子は「後継者」や「他の地域の太守」にすることができ、娘は将軍に嫁がせることで血縁関係を築くことができる。これがこのゲームでは極めて重要で、それは「血縁武将は決して裏切らない」という仕様があるため。本作は反乱確率がなかなかに高く、安定した統治をするには血縁が非常に有用なのだ!

その他のシステムでも、独自の特徴が多く見られる。とくに顕著なのは「内政」で、本作には「内政用のコマンドが存在しない」。代わりに「住民の割当を変更する」。例えば「食料作りの割当を増やせば食料が多く生産される」「町作りに多く割当すれば経済力が上がる」といった感じ。これは「世界制覇」というテーマ上「広大な地域を支配するのにトップがいちいち細かい指示をするわけにはいかず、大まかな政治方針を打ち出すしかない」といった現実的なところが反映されていて秀逸だと思ってる。あと、そのためにシステム的にもシンプルでわかりやすくなっていて、プレイしやすい気楽さが割と好き。それから、日本では絹、モンゴルでは毛皮などの「特産品の売買」もできて、当時は商業をここまでクローズアップした歴史SLGはまだ他になかったのではなかろーか(あったかもしれないけど)。昔のイスラム商人や中国商人の活動が再現されていて、「中国商人なら絹・陶磁器・火薬を安く販売し、ガラスや宝石を高く買ってくれる」みたいな。前述のシステム上、本作は内政による劇的な効果が期待できない反面、この特産品の売買による経済活動にて手っ取り早く資金を調達できるのが「上手いな」と思わせてくれたな。――うん、ホントいいゲームなんだよねコレ。シリーズの復活を切に願って止まないのはたぶん私だけじゃないはずだけど、前述の理由からなかなかに厳しそう。今では語られることも少なくなってきて「隠神げ!」化の道は避けられないと感じているんだけど、どう思う?

ストーリー

「上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき。
その妻なる惨白き牝鹿ありき。」

元朝秘史より

1155年秋、モンゴリアの草原に一人の男児が生まれた。
男児は、その手に血の塊を握っていた。
その時戦場にあった父親は、
捕らえた敵の大将の名を我が子に与えた。

その子が13になった時、父親が殺された。
一族の者たちは、次々に去って行った。
残された少年は、母と兄弟を守るために、
少しでも強くなろうとした。

少年は伝説を聞いて育った。
蒼き狼と惨白き牝鹿の伝説だった。
強くなることを強いられた少年は、
蒼き狼に憧れ、蒼き狼たらんとし、蒼き狼となった。

蒼き狼は草原を駆け抜けた。
蒼き狼は砂漠をも駆け抜けた。
駆けて駆けて駆けまくり、
この世の果てまで駆けて行った。

人は呼ぶ彼の名を。
人は呼ぶ狼の名を。
とり憑かれたかのように疾走した蒼き狼の名を。
テムジン―史上最強の征服者。

<蒼き狼と白き牝鹿 操作ガイド> より

れとげ部!での評価

隠神げ?

ここが隠神げ?

オルドしよ!

この一言でアレを想像してしまう人は間違いなく同士だよね! これにドキドキしていたファミっ子は意外といるんじゃなかろーか? オルド成功時の后の顔グラに色気があるよね!(――いやこれまじ当時のドット打ちさん凄くね?)

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    オルドしよ?

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