高機動戦闘メカ ヴォルガードII

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シューティング
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :デービーソフト
  • 発売日 :1985年12月7日

ゲーム概要

『高機動戦闘メカ ヴォルガードII』は1985年12月7日にデービーソフトより発売のファミコン・シューティングゲーム。『II』となっているように、『VOLGUARD(ヴォルガード)』(1984年のPCゲーム)の続編となるタイトルとのこと。しかし世界観に直接の繋がりはないそうなので、ここからのプレイでも安心だ!

さて、さっそくプレイしてみると、まずはそのシューティングゲームとしては「独特な仕様」に面食らってしまうかも。一番初めに目に留まるのは画面上部のピンク色のPOWゲージで、これは「弾のエネルギー量」を表している(「エネルギー制」)。このPOWゲージの量に応じて攻撃や輸送機によるパワーアップが異なるため、プレイする上では最重要の指標の一つと言えそう。もう一つ、画面右上の2ケタの数字、これは「自機のライフ」を示し「99」を超えると自機が爆発してゲームオーバーとなってしまう(「ライフ制」)――これはすなわち「敵弾を100発喰らわなければ死なない!」仕様で、本作の自機である『ヴォルガードII』は「シューティング史上最強クラスの耐久力を誇る!」と評されることもあるんだよね。

これら「エネルギー制」「ライフ制」のシステムは、多くの既存シューティングの仕様である「残機制」「残弾無制限制」に比して「珍しい!」と評せそうだが、それだけに連射全盛時代の当時のファミっ子たちには「ちと敷居が高かった」感があったかな。ムダ弾を撃っているとすぐパワーダウンしてしまうシステムは「とにかく連射!」する他のSTGに比べると分かりにくく、多くの場合「クソゲー!」評価されてしまう要因となってしまっていたのである。

しかしながら本作は、このシステムさえ理解してコツを掴めば、じつは「とっても面白い!」シューティングに早変わり! そのコツとは「序盤は一切弾を撃たず、敵に体当たりしてPOWゲージを稼ぐ」というもの。このゲームは敵を倒す毎にPOWゲージが増えていくが、弾を撃つと減っていくため、先述の通り「連射でムダ弾を撃つ」のは避けなければならない。よって、一般的なシューティングは弾や敵を避けながら進まなければならないのに比して、本作の自機は「ライフ制」にて100発喰らわなければ死なない「シューティング史上最強クラスの耐久力を持つ!」ため、先に述べた戦術がベストとなってくる。減少したライフは地上に出現するレーダーを複数破壊していけば補給船が出現、これにドッキングすることでダメージが半分回復し、POWゲージの量に応じて「連射」「8方向弾」「レーザー」「バリア」のパワーアップが得られる。パワーアップさえしてしまえば敵の撃破率も上がり、ムダ弾によるPOWゲージの減少を気にすることもなくプレイを楽しめるようになるというわけだ。

さらに『高機動戦闘メカ ヴォルガードII』最大の特徴として「合体変形ロボットSTG」であることを取り上げたい! 本作では要所要所で2号機が出現して『グラディウス』などで言うところの「オプション」的な役割を果たし、さらにこの2号機を連れている状態でBボタンを押すと、戦闘機形態からロボット形態に合体変形! 十字キー操作で今度は地上をジャンプしたりしゃがんだりして移動、対地・対空ショットに加えてでパンチ(POWゲージ消費なし)を放つことが可能に! ――これが当時だと『Ζガンダム』を彷彿とさせて、大変アツかったのではなかろーか!(私だけ?)

そんなこんなで、本作の「れとげ部!での評価」は「奥深げ!」。一見するとクソゲーにも思われがちな『ヴォルガードII』なんだが、ちゃんとシステムを理解しプレイしてみれば「非常に良く出来ている!」と高く評価できるシューティングだ。その上、「ペンギン1千万点ボーナス」とか「本作のBGMは公式に歌詞がついた世界初のゲーム音楽」だとか――他にもいろいろと話題に事欠かないレトロゲームである。もしリアルタイムでプレイしたことのあるファミっ子ならば、同世代同士の酒飲み話などで意外と盛り上がること請け合い!(「ぜひ話を振ってほしい」と思っているのは、やっぱり私だけなのだろうか……??)

ストーリー

20XX年、地球で革命が始まる…………

発展した文明の果てに、生みだされた科学兵器。地球の各地で起こる戦争の被害は、他の惑星にまで及んでいた。太古、地球人に文明を教え去り、その行方を見守っていた高度文明人達は、19XX年、巨大コンピュータ「ズイガム・ボルド」を設置し、地球人の管理を始めた。しかし、時がたつにつれて人類の中には、コントロール音波を受けつけないものが生まれてきた。彼らは結束し、遠い祖先が開発した高機動戦闘メカを改造し、「ヴォルガードII」と名付け、出動させた。

取扱説明書より

れとげ部!での評価

奥深げ!

ここが奥深げ!

ペンギン1千万点ボーナス!

じつはこのゲームの得点は「当時としては非常に珍しい1点単位」で、最大は899,999,999点となっている。シューティングといえば「ハイスコア争いがアツい!」わけだが、このゲームにてハイスコアを狙うには「ペンギン1千万点ボーナス」しかない。ところが、この条件が「実行不可能」と言われるほどに困難であることがオールドシューターの間じゃ知られているよ(「ハイスコアを取るのがあの『スターフォース』よりも難しい!」とは界隈じゃ割と有名な話だそう)

説明書には『LEVEL4で30万点突破すると「戦士バッジ」、100万点突破で「革命勲章」が貰えるという懸賞キャンペーン』の記載があったが、はたしてこれらを貰えたファミっ子たちはどのくらいいたんだろうか――「戦士バッジ」「革命勲章」がどんなものだったのか、私は未だに気になってる!

ちなみにペンギン1千万点ボーナスの条件
  1. 2号機をつけない
  2. バリアをつける
  3. 奇数エリアでタンゴにさわる(撃たないで体当たりで破壊)
  4. 偶数エリアでヌーボを逃がす
  5. エリア8か14で出現するアダパーの上から3番目、6番目、7番目を伸ばして縮める(他のアダパーや単体で出るアダパーを伸ばして縮めたら無効となる)
  6. ドング(3発弾を当てるとロボットに変形する敵)を変形させない

上記の6条件を満たし、ペンギンを出現させ、撃ち落として触れると1千万点ゲット!

とはいえ、この列挙を見るだけでも「難しそう……」なのが伝わると思うんだけど、これを実際にプレイしてみると「実行不可能!」なことが理解できる。「本当にペンギン1千万点ボーナスは存在しているのか?」。長い間、幻のボーナスとされていたんだな。

公式に歌詞がついた世界初のゲーム音楽!?

『高機動戦闘メカ ヴォルガードII』には「パワーアップの状態によってBGMが変化する」特徴があり、以下のような歌詞が攻略本に載っていた!

連射BGMの歌詞

「れんしゃれんしゃ ついたぞれんしゃ すごいれんしゃ れんしゃれんしゃ もうこれでー あんしんだー すごいー れんしゃー」

8方向ショットBGMの歌詞

「はちほうこう はちほうこう にごうきついたら ろくほうこう」

レーザーBGMの歌詞

「れーざー つよいぞ れーざー」

バリアBGMの歌詞

「ばりあー Ahー ばりあー Ahー」

これらのBGMが非常にノリがよく、歌詞もわかりやすく、歌いながらプレイするのも楽しかった思ひ出!(ただし、「8方向~ 8方向~ 2号機ついたら6方向~」の意味が未だにわからないのは、ひょっとして私だけ?)

本作の漫画化作品の評価が意外と高い!

たまだとしみつ氏が手掛けた徳間書店刊行の『わんぱっくコミックス 高機動戦闘メカ ヴォルガードII』が「地味に高い評価を受けている!」そう。もちろん現在は入手困難品と化しているけれど、機会があればぜひとも読んでみたいレトロゲーム関連書籍の一つなんだよね。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    プレイに役立つ操作メモ

    〇操作方法

    ・戦闘機形態

    十字キー:キャラの移動
    Aボタン:対空&対地ショット攻撃(POW消費)
    Bボタン:ロボット形態に変形(オプション機取得時)

    ・ロボット形態

    ↑:ジャンプ
    ←→:キャラの移動
    ↓:しゃがむ
    Aボタン:対地&対空ショット(POW消費)
    Bボタン:パンチ(POW消費無し)
    ※戦闘機形態に戻るにはジャンプして最高地点付近でBボタン

    〇パワーアップシステム

    ゲーム開始時は最大量の40%から開始、自機のPOWゲージ量によって攻撃や輸送機の補給が異なる。

    0%(POWゲージ無し):対地ショットしか打てなくなる
    20~39%(ゲージピンク1):パワーアップ消滅
    40~59%(ゲージピンク1):特になし
    60~69%(ゲージ灰色1):輸送機と合流で連射が支給
    70~79%(ゲージピンク2):輸送機と合流で8WAY支給
    80~89%(ゲージ灰色2):レーザー支給
    90~100%(ゲージピンク3):バリアが支給される

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