基本情報
- ジャンル:アクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :データイースト
- 発売日 :1988年1月29日
ゲーム概要
『ドナルドランド』は1988年1月29日にデータイーストより発売のファミコン・アクションゲーム――「i’m lovin’ it!」とマクドナルドのCMでドナルドが言わなくなって久しい昨今(……いや、そもそもドナルドは言っていなかったっけ?)。このゲームはおろか、そのキャラクターさえ知らない世代が存在するのかぁ……と初っ端からしみじみ感慨に耽ってみたり(ちなみに「i’m lovin’ it」のフレーズは「iが小文字」「loveは進行形にならない」ということで「文法上は正しくない」「教師泣かせな英文」として知られているそう!)。本作はそんなマクドナルドのCMでもおなじみだったマスコットキャラクター、赤髪に白塗りフェイスの(ちょっと奇妙な)道化師ドナルドが主人公となる横スクロールアクションゲーム。
ストーリーは、悪魔軍団・グモン一族に襲われたドナルドランドを舞台に、仲間たちを救出して平和を取り戻すべくドナルドが立ち向かう! ――という王道のものとなっている。ステージは全部で12面。各ステージにそれぞれボスが待ち受けており、最終ステージにてラスボス・グモンと対峙する。プレイヤーは襲いかかってくる敵を武器となる「リンゴ爆弾」で倒していく。このリンゴ爆弾に「クセがある」のが、本作の特徴の一つで――投げると放物線を描くように飛んでいくため、動いている敵に当てるのにコツがいる。さらに、これに飛び乗ることで二段ジャンプが可能――重要なテクニックともなっている。
マリオのコインのように「バンバーガーコイン」がステージのあちこちに設置されている。このコインを集めておくと、ステージクリア後にマクドナルド(取説上は「ハンバーガーショップ」としか書かれていないがマクドナルド!)でハンバーガー、フライドポテト、マックシェイクといった商品やアイテムを購入できる。ハンバーガーなどの商品には特別な効果はないものの、その購入額に応じた回数(価格10毎)だけ「神経衰弱」のミニゲームが遊べて、当たりであるドナルドを引いた枚数によって「3枚当たり → 1UP、2枚当たり → ライフ回復、1枚当たり → りんご爆弾2連発」の景品がもらえる。ちなみにここでは「神経衰弱のカードの絵がなぜかリアルで怖っ!」「ハンバーガー・フライドポテト・マックシェイクを一緒に買うとその後のアイテム購入時に値段が割引される(これは現代で言うところのバリューセットだが、当時はまだセット名が存在していなかった)」など面白い演出が見られる。
本作は簡単に見えて「難易度は高い」。その理由は一般的に「操作性の悪さ」が指摘され、とくに「ドナルドが滑る!」この独特の慣性が働く操作感がプレイヤーを苦しめる。ステージ後半になるほど穴と穴の感覚(足場)が狭くなり、穴自体も増えてくるので、次から次へと出てくる敵を倒しながら軽快に進んでいくにはかなりのテクニックが必要だ。ミスしたときの復活がステージの頭まで戻される「戻り復活」なのもキツイ。――そして、その難しさは「開発側が意図したゲームデザイン」であることを示すかのごとく、本作には「好きなステージをセレクトできる裏技」が用意されている。
ストーリー
たいへんだ~!?
平和な国・ドナルドランドが、恐ろしい悪魔軍団・グモン一族におそわれた!
凶悪なグモン一族は、ドナルドランドに魔法をかけて、楽しく暮らしていた人々を閉じ込めてしまったのです。そればかりか、動物たちも乱暴ものに姿を変えられてしまい、美しい、自然に囲まれた平和の国・ドナルドランドは、たちまち暗黒の国になっていまったのです。
急げ、ドナルド!
森の奥に、街に、海の中に、かくれひそんでいる魔物たちを退治し、ドナルドランドに美しい自然をとりかえすのだ!
得意のリンゴ爆弾を武器に、悪魔軍団を追い払い、人々に笑顔を取りもどすのだ!
負けるな、ドナルド!
ガンバレ、ドナルド!取扱説明書 <ものがたり> より
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
ドナルドダックの方じゃない!
本作の一般的な評価は割れている感じ――論点は「高難易度を許容できるか否か」。このゲームは前述の通り、「難しいアクションゲーム」になると思う。しかしながら、その難易度は「バグやバランス調整の失敗」による理不尽なものではなく、「意図して難しくした」ものと私は解釈している。よって、「隠神げ!」。バカゲーっぽいのに決してバカゲーではないバーガーゲー! 指摘があって気づいたんだが、本作は『ロックマン2』や『スーマリ3』よりも前に発売されている。そんな時代的背景を鑑みても「アクション・グラフィックともに完成度は高い」と確かに感じたな。まぁ、そう言う私はアクション苦手でこのゲームも「ムズッ! ムズッ! ……」なんだが。――ところで、子供の頃おとんがタイトルを勘違い――買ってきてくれたパッケージを見て「そっちかーい!」ツッコんだファミっ子もひょっとしたらいたのだろうか?(私だとは言っていない!)――ダックじゃなくとも版権的に今後とも配信・移植はなさそうだよね~(てか、ビッグマックポリスって誰?)
コメント! (レトゲで一言!)
i’m lovin’ it! 赤髪に白塗りフェイスのドナルド知ってる? 最近めっきり見なくなったよね。そんなバカゲーならぬバーガーゲー。ご一緒にポテトはいかがですか?
【面セレクトの裏技】
タイトル画面で、画面が動き出す前に1PのA、Bボタン、十字ボタンの右、左の順番に押す。その後、下記のように「行きたいワールド」に応じたボタンを押しながら十字キーの上を押す。と、ワールド表示画面に遷移して、そのワールドから始められるようになる。
ワールド1:A
ワールド2:B
ワールド3:A、B
ワールド4:セレクト
ワールド5:A、セレクト
ワールド6:B、セレクト
ワールド7:A、B、セレクト
ワールド8:右
ワールド9:A、右
ワールド10:B、右
ワールド11:A、B、右
ワールド12:セレクト、右
ちなみに本作はマルチエンディングであるそう。条件は「クリア時のスコアを4で割った余りの数値」により4種類に分岐するって、そんなんわかるかっ!(解析した人すごい!)