虹のシルクロード ~ジグザグ冒険記~

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :ビクター音楽産業
  • 発売日 :1991年2月22日

ゲーム概要

『虹のシルクロード ~ジグザグ冒険記~』は1991年2月22日にビクター音楽産業より発売のファミコン・RPG――RPGと言いつつ経験値やレベルの概念がなく、装備を買ってパラメーターを強化していく『サンサーラ・ナーガ』スタイルだが、敵を倒してもお金を入手することができない。では、どうやってお金を稼ぐのか? 本作は「アイテムを売買する」ことで稼ぐ「陸路での交易」をメインに据えた「一風変わったRPG」となっている。この「経験値もレベルも魔法もない!?」という仕様は「既存のRPGに対するアンチテーゼ」をも感じさせる意欲的な試みであると、私は高く評価したくも思うのだけれど……。正直申し上げて「中身が伴っていなかった!」感が強く、やっぱりRPGは基本となるシステムがあってこそ面白い! ということを再認識させられたというか、やっぱり交易ゲームはシミュレーションで作った方がいいよねというか……以下、もう少し詳しく述べていきたい。

交易で稼いで、装備を整えて、敵と戦って――と書いてみると疑問に思うのが「なんで敵と戦うの?」。先述の通り、本作は「敵を倒したところで、経験値もお金も得られない」。代わりに得られるのが「LP(ライセンスポイント)」で、これは国から発行される商売の「許可証」を入手するのに必要となり、許可証なしには特定の交易品の売買ができない。交易品は町によって売値と買値が異なり、この差額による利益で儲けるのがこのゲームの基本となっている。そして、ここでさらなる疑問「なんで許可証もお金で買えるようにしなかったんだろうね?」――おそらくRPGに必須の「敵との戦闘」を入れるため。苦労して敵と戦うからには何かしら得られるものがなければならず、そのためにLPを導入したのだと考えられるのだけど、ぶっちゃけLPだけでは「戦闘の意義」を際立たせることができていない!

これはやっていてふと思ったんだけど「RPGにおける戦闘ってお得な行為だったんだな」。レベル上げのついでにお金を稼いで装備を整える、あるいはその逆も然り――このお得感が案外大きいことに改めて気が付く。本作の「LPのためだけに戦闘をする」というのは、いかにもお得感が薄く面倒くさい。「LP → 許可証 → 交易 → お金」という稼ぎ方もまわりくどく分かりにくい。たぶん交易が主体であるためにあえて避けたのだろうけど「なぜLPとお金を統一しなかったし?」言いたくなる。交易システムについては「単純ながらよくできている」とは思うのだけれど、大きな隊商を組んで国を跨いでこれを行おうとすると元手や税金がかさんで、苦労の割には思ったように稼げず。安全確実に利益を得ようとするなら「税金がかからない同国の隣町同士」を行き来するスタイルに落ち着き、せっかくのシルクロード貿易というメインテーマを腐らせている――しかしながら、この辺りは非常にリアル。最善手とも呼べる稼ぎ方を自ら発見する楽しみもあるのだが、「ゲーム的な面白さ」にはイマイチつながっていないような気がしている。

プレイ感としては「低年齢層向け貿易ゲームを目指していたのかな」といった感じ――『大航海時代』をもっと簡素にして「RPGバトル」をプラスした、みたいな?(確かに、貿易SLGはシステムまわりが煩雑で子供には難しい)。上では多少酷評気味みなってしまったけれど、レベリングよろしくお金を稼ぐ楽しみがないわけじゃない。もう一つ難点を加えるなら「シナリオが雑」ということも一般的には指摘されている――まぁ、ツッコミどころは多いよね。しかし、個人的には「そんなに嫌いじゃない感じ」で、評価としては「惜げ!」くらいでもよかったんだけど――でも、なぜ「そんなに嫌いじゃない感じ」なのかといえば、「『大航海時代』が好きだから!」ということに気が付き……

ストーリー

その昔、ある所にリタルランドという国がありました。リタルランドは小さな国ですが、やさしい王様の治める平和な国でした。

ところがある時、悪大臣ズルーの陰謀によって、その王様が暗殺されてしまったのです。しかもズルーは、生まれたばかりの王子までも亡きものにしようとたくらんだのです。

もうひとりの大臣であるラドリーは、ズルーの悪だくみに気付き、赤ん坊の王子を連れてリタルランドから逃げるよう、乳母に命じました。そしてラドリー自身は、王家の証である「虹の鏡」を、王子に渡すためこっそり城から運び去ったのです。それから10余年…。

取扱説明書 <プロローグ> より

れとげ部!での評価

駄げ!

ここが駄げ!

『大航海時代』をやればいいんじゃないかな!

――ってなるよね、やっぱり。「貿易RPG」という挑戦的試みは評価したい。けどやっぱり、RPGは王道が、貿易ゲームはSLGがちょうどいい――という当たり前の事実を再認識させてくれたことを評価すべきだと思ったんだな。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    貿易RPGという挑戦的試みは評価したい。けどやっぱり、RPGは王道が、貿易ゲームはSLGがちょうどいい。

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