基本情報
- ジャンル:アクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :日本物産
- 発売日 :1986年12月26日
ゲーム概要
なぜビルを登るのか? そこにビルがあるからだ! オー、クレイジー! ――そんなわけ(どんなわけ?)で今回は『クレイジー・クライマー』ですね! このゲームは1980年11月にアーケードでリリースされて一世を風靡したんだけど、知ってるかな? 内容は、ビルの最上階を目指してクライマーを登らせていくアクションゲーム。「命綱もなしに高層ビルをよじ登る!?」ってだけで「オー、クレイジー!」って思うかもだけど、当時はそういうパフォーマンスが世界的に流行っていたのを覚えてる? この作品はそんな世相をゲーム化しているらしく、だから現在思われるほどには「奇異なゲーム」とは思われていなかったって、クレイジーだよね~。しかし本当のクレイジーは「ビルの住人たち」だからねっ。いや、窓から植木鉢やビンを落としてクライマーを妨害してくるんだけど、普通にクレイジーやろ!?
そんな本作、元々のアーケード版は「二本のレバーで操作する」。右のレバーと左のレバーを交互に動かすことで、右手と左手を交互に動かしてビルを登っていく体感が得られるっていう――なかなか考えられた工夫だったな。たぶんFCでもこの操作系を忠実に再現しようとした結果「クライマースティック付」っていうよね。この付属品を十字キーに装着することで「ゲーセンで遊ぶように家でもゲームが楽しめる!」って、想像はできるんだけど、……いやこれ、使える? 「接触悪くて反応鈍くなるだけやろ……」って考えるの私だけ? そもそもの操作方法からして独特で「二つのコントローラーを縦に持って使う」って「いや、操作性悪すぎない?」。噂では開発の人もそう思ってたらしいんだけど、でも実際に子どもにやってもらったら「スイスイ登っていくよ!?」。うん、子どもの適応力ってホントすごいんだよね。どうやら私は子どもの心も対応力も失ってしまったみたい――操作性悪いとか言っちゃってごめんなさい!
さらに本作の優れたるところは体感型の操作系以外にもあって、それは「画面スクロール」ね。スーマリ以降スクロールアクションは当たり前になった感あるけど、アーケード版のリリース当時は初めからフィールドの全貌が見えている「固定画面式」がまた主流で、ゲームを進めるごとに新たなフィーチャーが登場する「スクロール式」は珍しかったな。コンドル、キングコング、シビレ看板などの妨害が次々と現れては襲ってきて、その際には専用のテーマが流れ場を盛り上げてくれる――まさにエンターテインメントを意識した作りになっていて秀逸だった!
そんなこんなあって本作は大ヒットしたため、当時横行していた亜流ゲームやコピーゲームがいくつも出たのを覚えてる。データイーストさんからはミニスカドレスの女性が燃え盛るビルをがに股で登っていく(オー、クレイジー!)『ザ・タワー』が。タイトーさんからもこちらは山を登っていく『ロッククライマー』がそれぞれ発売されたんだよね。思えば、ニチブツさんも『スペースインベーダー』をコピって『ムーンベース』を作っていたし。「コピーする側からコピーされる側へ」なったのかぁ……と振り返れば、なんだか感慨深いものがあるような気がするのは私だけ? ――そんな『クレイジー・クライマー』の「れとげ部!での評価」は当然「神げ!」(まぁ、昔のゲームなので☆の数は少なめだけど)。操作系、演出など当時としては斬新な工夫が見られ、製作したメーカーを一端のゲーム開発企業に押し上げた良作なのではなかろーか!
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
古き良き時代のアクションゲーム!
――と、思ってしまうのは、やっぱり……(言わずもがな)
コメント! (レトゲで一言!)
今思えば、命綱もなく高層ビルを登るのが割と流行ってたクレイジーな時代だったな。