基本情報
- ジャンル:シューティング(公称はフォーメーションRPG)
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :スクウェア
- 発売日 :1986年9月18日
ゲーム概要
ファミコンには「誰が見てもシューティング」なのに「RPG」を自称していたゲームが2つ存在する。その1つが本作『キングスナイト』なのである!(もう一つは『頭脳戦艦ガル』である!)
本作のジャンルは「フォーメーションRPG」となっており、箱裏にも「ニュータイプのロールプレイングだ!」って書いてあるし、取説では「縦スクロールのフォーメーションロールプレイングゲームです」となっていて(「縦スクロールのフォーメーションロールプレイングゲーム?」ってなんだ!?)、明らかに公式に「RPG」と謳ってる。一年近くも前に『頭脳戦艦ガル』の「RPG詐称事件」を目の当たりにしていたはずのスクウェアさんが、なぜにこのような名称を使用してしまったのか……、おそらく何らかの大人の事情が介在していたのであろうとは想像に難くないんだけれども、そこんとこ激しく問いただしたいって今でも思っているのは私だけ……?
そんな『キングスナイト』は先にも述べた通りのシューティングゲームである。ただし、当時の一般的なSTGが「敵を撃ち倒すこと」に主眼を置いていたのに対して、本作は「地形を破壊してアイテムをゲットすること」を重視していたところは、他とちょっと違っていたかも。アイテムには「スピードアップ」「攻撃力アップ」「防御力アップ」などいろいろあって、入手するとキャラのレベルが上がる仕様。たぶんこの辺りが「ロールプレイング」なんだと思われる(弁護するわけじゃないんだけど、たしかにこの頃はまだRPGというジャンルが一般的には確立し切っていなかった向きはあったかもしれない)。これらのアイテムは最終面をクリアするためには実質的に必須といっても過言じゃない。つまり、このアイテムの場所をしっかりと把握していくことこそが、このゲームを攻略する上で大切だったというわけね!
プレイヤーは「ナイトのレイジャック」「ウィザードのカリバ」「モンスターのバルーサ」「シーフのトビー」の4人を操り、4ステージを攻略していく(余談だがシーフのトビーには男の娘疑惑がある――私だけか?――ドット絵がスカートをはいてるように見えるからね)。最終ステージでこの4キャラが集結し、フォーメーションを組んでラスボスのドラゴンに挑むところが「なるほどぉ、フォーメーションRPGのフォーメションの部分なのね!」(ただし、何度でも言うがRPGではない!)。ちなみに、キャラが死亡してもゲームは続くんだけど、結局4人揃ってないとラストステージには行けないため、1人やられた時点で事実上のゲームオーバーとなる。
本作は、同年代のFCソフトの中では「グラフィックは高品質!」でさすがはスクウェアさんって感じ。しかしゲーム性やボリューム面では見劣りする。正直、一般的な評価は割れている。当時はプレイしていると「あれ、これはひょっとしてRPGなのか?」と思わず思わされるような不思議な魅力がたしかにあった。でも、私は騙されない! 「フォーメーションRPG」という詐称に騙された私はもう騙されやしないぜ! 本作は紛うことなき「シューティングゲーム」である! よって本ブログでの評価はその他一切を考慮せず「駄げ!」と断ずる! まぁ、本作の発売当時はまだ『ファイナルファンタジー』も出ていなかったからね。今でこそ超一流のゲームメーカーの「一流になりきれなかった時代」を長く語り継いでいくゲームであるのは間違いないよね!
ストーリー
古代マラルリに伝わる有名な伝説がありました。その伝説は“勇者の伝説”ともよばれ、マラルリの人たちは、その伝説を何度となく聞いては、楽しんでいたと言われていました。
この伝説は、古代マラルリの隣り合う国、オルセア王国とイザンデ王国に起こった物語です。オルセア王国の王女-クレア姫がドラゴンの支配するイザンデに捕われてしまったのです。オルセア王国の陛下は姫を救い出すために、重臣たちに命じ“4人の勇者”を集めさせました。
こうして集められた“4人の勇者”……レイジャック(ナイト)、カリバ(ウィザード)、バルーサ(モンスター)、トビー(スィーフ)は、ドラゴンを倒し、クレア姫を救い出すことができるのだろうか。そしてオルセア王国に再び平和は訪れるのだろうか……
これが「キングス・ナイト伝説」なのです。
取扱説明書 <キングス・ナイト伝説> より
れとげ部!での評価
駄げ!:
ここが駄げ!
ジャンル詐称は絶対許すまじ!
同じくジャンル詐欺をやらかした『頭脳戦艦ガル』は内容も「クソゲー!」と呼ぶにふさわしいものだったけど『キングスナイト』は一般的な評価が少し分かれてる。というのも、難易度的にはクソに近いくらい難しいんだけど、システム的には「斬新さ」を感じられるところがあるからなんだ。たしかに「アイテムを入手してキャラのレベルが上がっていく」仕様は「ひょっとしてこれはRPGなのか?」と錯覚させられるけど、いやいや待って、騙されないで! それ、シューティングですから!? ――まぁ良評価している人のきもちも解らんではないのだけれど「RPGだと期待してやってみたらSTGだった!?」ときの絶望感を味わわせた罪は深い。でも「まぁこれはこれで楽しめたし」ってファミっ子もたしかにいて、その辺りが本作の評価を分けているのは間違いない。こうして語ってみると「私の心がせまいのか?」とついつい自己嫌悪に陥りそうになるんだよ。いや実際、私の心はせまいんだけど。その罪は深いよね~。
コメント! (レトゲで一言!)
ただし攻略本は面白いらしいしー。てか、ゲームよりも攻略本の方が面白いらしいしー。普通に一冊の漫画として読めるらしいしー。読んでみたいしー。しーしーしーしー。