ファンタジーゾーン

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シューティング
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :サンソフト
  • 発売日 :1987年7月20日

ゲーム概要

『ファンタジーゾーン』はセガさんより発売のアーケード横スクロールシューティングで、本作はそのファミコン移植。開発・発売はサンソフトさん――と聞けば、嫌な予感がするファミっ子も多かったかもしれないけど、いい意味で期待を裏切る好移植となっているのは、今じゃ割と有名だよね!

本作の最大の特徴は「自機のパワーアップシステム」にあり、本作ではパワーアップのために「お金」が必要だったな。当時はシューティングゲームのパワーアップがすでに一般的にはなっていたものの、その方法がいろいろと模索されていた時期。『グラディウス』に代表される「カプセル&ゲージ」による任意選択、『B-ウイング』や『ASO』のようにウイングやアーマーを装備する方式など、各メーカーが趣向を凝らして新たなシステムを開発していたのである。そんな中、本作に採用されたのは「買い物システム」。これは敵を倒した後に入手できるお金を使ってパワーアップを購入するという――言われてみれば誰でも思いつきそうなアイデアなんだけど、STGでこれを採用したものはその頃まだ他になく、そのため本作は「買い物系シューティングの元祖」ともいわれているよ。

フィールド上に現れる赤い風船に接触すると画面がショップへと切り替わり、制限時間と残金が許す限りさまざまなパワーアップの購入が可能だったな(FC版では制限時間は廃止されている)。スピードアップやショット・ボムなど、それぞれプレイヤーの戦略に合わせて自由にカスタマイズでき、1UPまでもお金で買えるという――まさに「ゲームの世界でもお金が大事!」なことをファミっ子たちに教えてくれた作品であった!(個人的にこの「買い物システム」は現代のSTGとも相性がいいような気がしているんだけど、今はシューティング自体あまり人気のあるジャンルとは言えなくなってきているからなぁ……)

このゲームは上下左右への任意スクロールを採用しているんだけど上下の幅は狭く、実質的には横シューといっていいと思ってる。フィールドには10個(FC版は8個)の敵前線基地があって、これをすべて破壊すればボス戦へと突入する! この際、基地を壊すのに時間がかかると破壊時に得られるコインの金額が下がっていくため、スピード感が大事だったな(FC版はどうだったっけ?)。本作のメインともいえるボス戦は、各ステージそれぞれに個性的である。その独特な攻撃方法は初見プレイヤーを大いに苦しめること請け合いだ。また、強力なメインショットのパワーアップには時間制限があるため、ボス戦では基本的に効果が切れておりノーマルショットで対処しなければならない。とはいえ、対策さえ知っていれば倒すのは割と容易となっており、例えば3面のコバビーチなどはヘビーボム一発で撃破できてしまうのだ。こんな感じでステージ全般をかなりパターン化しやすく、パワーアップもほぼ完全に固定化できる。ミスした場合もボス戦以外はショップに行くのが容易なので、復活が楽なのもうれしいところ。難易度は決して低くはないんだけど、ボスへの対処さえ覚えていれば1周クリアは比較的簡単で、なかなか優れたゲームバランスだと個人的には思ってる。

最終ステージではこれまでのステージで倒してきた全ボスと再び戦う、いわゆる「ボスラッシュ」(これも当時のSTGとしてはかなり画期的だった気がしてる)。各ボスはそれまでよりも強力になってはいるものの、基本的な対処法を押さえていればそれほど難しくはないんだよね。そして、ついに対峙する最終ボスの姿はなんと巨大なオパオパ(自機)!? じつはこのラスボスは「行方不明であったオパオパの父親」で、敵に操られているという設定。体内から飛び出してくる虫のような敵をすべて倒せばエンディングとなるのだが――結局、オパオパは父親を助けることができず……。『ぼくの勝利には払った代償に見合うだけの価値が本当にあったんだろうか?』。この結果をオパオパが生涯悩み続けることが明示されていて、続編『ファンタジーゾーンII オパオパの涙』にも繋がっていく――って、パステルカラーでポップなゲームの雰囲気に似合わぬ物悲しい感じのEDが印象的なんだよね……。「れとげ部!での評価」はもちろん「神げ!」。ゲームそのものも面白いんだけど「移植度の高さ」が秀逸で、一般的にもこの辺りが高く評価されているよ!

ストーリー

宇宙暦6216年――

惑星間の公式通貨が乱れ、エリダス第9惑星は大恐慌におちいった。スペースギルド(宇宙協会)の調査の結果、何者かがメノン星人を操り、外貨を奪い、“ファンタジーゾーン”に巨大基地を建造しているという情報が入った。

早速オパオパはメノン星人を倒し、悪霊たちを全滅させるべく“ファンタジーゾーン”に向かったのだが……。

取扱説明書 <ストーリー> より

れとげ部!での評価

神げ!

ここが神げ!

ファミコン移植がすばらしい!

これは滅多にない現象だよね。しかも移植を担当したのはあのサンソフトさん!(サンソフトといえば『いっき』『アトランチスの謎』など、今では「元祖クソゲーメーカー」をウリにしちゃっているけれど、確かに当時の評判はあまり芳しくなかったな。後年になって数々の名作を残していて、私はかなり好きなファミコンメーカーなんだけど!)。この頃のセガさんは「セガ・マークIII」があったし、任天堂さんのサードパーティに入るつもりはほとんどなかったものと推察される。そこで移植を任されたのがサンソフトさんなわけで、これが大変いい仕事をしてくれました! もちろん、劣化は否めない。けど、ゲーム性を大きく損なわないように、また劣化を逆手にとってゲーム性を良くしようとしてる努力が見られるなど、好移植と言っていい仕上がりになっている。ここからサンソフトさんの評判は一気に高まったという見方もあって、私的にものちの名作誕生を予感させるいいゲームだったなぁ、と思ってる!

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    買い物系シューティングの元祖。サンソフトの好移植がキラリ。ぼくの勝利には払った代償に見合うだけの価値が本当にあったんだろうか?

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