基本情報
- ジャンル:落ち物パズル
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :ハドソン
- 発売日 :1990年12月14日
ゲーム概要
今回はちょっと変わった疑似3D落ち物パズル『クラックス』をご紹介。本作はそもそもアーケードゲームにて、その筋では有名なアメリカのゲーム会社アタリが開発したんだな。
落ち物に一ひねり加えたような「独特なフィールド」が特徴的で「斜め上からの見下ろし視点の画面は疑似的に奥行き」があり、その奥方向から色付きタイルがぱたぱたと転がってくる。プレイヤーはそのタイルをパドルでキャッチして、手前にある箱に落としていく。箱は「5×5」の大きさで、同色のタイルを縦・横・斜めに3枚並べることで消せる(これを「クラックス!」というらしく――たぶん造語だと思われるけど、語源を調べてみてもしっくりくるものがなく、ちょっと気になり……)。パドルは左右に移動可能で、5枚までタイルを重ねることができる。箱には縦横5枚までしかタイルを積み上げることはできず、それ以上は落とせない。タイルのキャッチミスはドロップメーターが点燈し、全点燈でゲームーオーバー。箱が一杯になっても同様となる。
ゲームはステージクリア型で、例えば「斜めに3回揃える」などの規定条件を達成すればクリアとなる。序盤はタイルの動きも遅く色の種類も少ないし、クリア条件も緩いため簡単なのだが、徐々に色の数が増えタイルのスピードも速くなり、クリア条件も厳しくなって難易度が上がっていく――かなりの思考速度が必要になってくる。なので、じっくり考えるよりも反射的に考えて動ける人向きのパズルゲームとなっている(あと、几帳面な正確な人もこのタイルを箱に並べていく感覚好きかも)。FC版を含め家庭用ハードへの移植は全体的に良好で、パズルが好きなら楽しめるが、「地味で爽快感に欠ける」「逆転要素が少なく、追い込まれると挽回が困難」などの欠点もあり、他の爽快なパズルゲームの陰に隠れてしまった感は否めない。しかしながら、さすがはアタリのゲームだけに、全体的な出来としては決して悪くないと私は思っているよ。
れとげ部!での評価
当げ!:
ここが当げ!
アタリだけに
うん、まぁ取って付けたような評価だとは私もわかってる。――とはいえ、本作のオリジナルの発売元であるアタリ社は『ポン』から始まるアーケード(テレビ)ゲームの歴史を集約したような会社なんだな。しかしながら、家庭用ハード事業の失敗によって創業者であるノーラン・ブッシュネルは追放となり、有能な開発者たちも次々と会社を追われ――そして『クラックス』が発売される頃にはすでにかつての栄光は見る影もなく……85年から90年頃まで、そのアーケード部門はナムコの傘下になっていた。最初の頃のアタリには「一度出したアイデアは二度は使わない」的なルールがあったと聞いたことがある。その頃は「常に新しいゲームを作ろう!」って意欲が感じられる斬新なゲームが多かった。ちなみに社名は囲碁用語の「アタリ」から取っているそうな。
コメント! (レトゲで一言!)
疑似3D落ち物パズルという独創性はさすがアタリ。全体的な出来も悪くない。しかし他の爽快なパズルゲームの陰に隠れてしまった感がある。