イメージファイト

基本情報

• ジャンル：シューティング
• 機種　　：ファミリーコンピュータ
• 発売元　：アイレム
• 発売日　：1990年3月16日

ゲーム概要

はい、『イメージファイト』ね。これも言わずもがなアーケードシューのファミコン移植で、AC版は「縦スクロールシューティング屈指の難易度を誇る！」と言われている。アドリブで切り抜けられる場面は非常に少なく、コンティニューを何度も重ねて敵の出現パターンや地形を少しずつ頭に叩き込み、じっくり攻略していく――まぁ完全なる「覚えゲー」だったな。

ステージ構成は「8面＋ペナルティステージ（通称・補習ステージ）」からなり、1面から5面まではバーチャル空間を用いた「訓練ステージ」で、6面から8面が「実戦ステージ」といった設定――2周攻略で完全クリアとなる（エンデイングの最後に「THE END」と表示されゲームが終了する）。訓練ステージでは「敵の撃墜率」がステージ毎に集計され、実戦に進むためには撃墜率の平均値が90%を上回る必要がある。これを下回ってしまった場合に「補習ステージ」……しかして！　このステージは補習とは名ばかりの高難易度となっており、ハッキリ言ってどのステージよりも難しい！　とくに2周目の補習ステージは「ノーミスでクリアするのはほぼ不可能！」とさえ言われるほどの鬼畜ゲー。FC版は全体的に難易度が下がっているとはいえ、それでもやっぱり私には難しく感じられたな。

本作には両サイド及び後方に配置される「ポッド」と呼ばれる補助ユニットと、自機の前面に装着できる7種類のパーツが存在し、それらを場面に応じて使い分けながら攻略していくのが基本となっている。ただし、補習ステージにはこれらのパワーアップが一切用意されておらず――それが難易度の高さに拍車をかけている一要因となっていた。ポッドには赤色と青色が存在し、赤色なら方向入力と逆向きを、青色なら正面固定――攻撃をサポートしてくれる（基本的には赤色を使いこなさないと話にならない）。もう一つ、本作の特徴として「変速ボタン」（FC版はＡボタン）の存在が挙げられる。多くのSTGではスピードアップもアイテムによるが、このゲームでは変速ボタンを押すことでスピードを4段階に調整可能だ。変速時にはバックファイアが発生し、これには当たり判定があって後方攻撃ができる仕様。攻略に有益なテクニックの一つともなっている。

お約束のステージボスはそれぞれに存在、しかし安全地帯が存在するボスもいたりして、道中と違いそこまで強い印象は受けず。とはいえ、初見殺ししてくるヤツもいたりして、やっぱり油断は禁物だな。本作の敵は総じて硬く、となれば連射力が必要となり、併せて記憶力と強靭な精神力が求められる。ただし、それは理不尽と言えるものではなく「すべてが緻密に計算された」と評するべき。何度も繰り返しプレイして戦略を組み立てながら攻略していけばギリギリでクリアできるような優れたゲームバランスとなっている。……と、理解してはいても、やっぱり「難しい！」と言いたくなる！

ストーリー

20XX年、わずかでも軍事的優位に立たんとする東西陣営の果てなき競争が続く中、突然西側のムーンベースが大爆発を起こした。巨大な爆発は月を四つの破片と無数のアステロイドと化し、地上は大混乱に陥った。そして侵略はその間に始まったのである。

正体不明の戦闘機により軌道工業プラントが破壊されてゆく中、偵察衛星から驚くべき映像が送られて来た。妖しげな輝きを放つ植物がムーンベースのマザーコンピュータに寄生するがごとくからみついていたのだ。一部の学者はこれをエイリアンの侵略であると主張した。事態の収拾を急ぐべく西側の最新戦闘機OF-1“ダイダロス”が用意された。パイロット訓練は完璧でないものの、もはや一刻の猶予も与えられない。訓練飛行をクリアした者は即、宇宙へ飛び立って行った。

ここに人類という種の存亡をかけた戦いが始まったのである。

取扱説明書 ＜緊急事態発生！！＞ より

れとげ部！での評価

隠神げ！：

ここが隠神げ！

AC版が良すぎるが、FC版も頑張ってる！

FC版は前述の通り、全体的に難易度は緩和されていて、当然グラフィックなどの劣化は否めずとも、目立った処理落ちなどは見られず、なかなかの好移植だと私は思ってる。一般的な評価も「隠れた名作」的な意見が多い印象で、発売がファミコン後期にさえ差し掛かっていなければ、当時もっと高い評価を得られていたのでは――ってな感じ（まぁファミコン後期の技術力あったればこそと考えるならば、評価を引き上げる理由としてはちょっと厳しいかもだけど……）。ところが本作はAC版の評価がとっても高いタイトルとあって、コアなシューターに言わせると「ファミコン版は駄作」。さりとて、ファミコンシューティングとしては高い完成度となっており、ACファンもその雰囲気を感じるには十分な仕上がりなのではなかろーか！（どうだろーか？）