探偵 神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに…

基本情報

• ジャンル：アドベンチャー
• 機種　　：ファミリーコンピュータ
• 発売元　：データイースト
• 発売日　：1990年9月28日

ゲーム概要

• 「探偵 神宮寺三郎」知ってる？　ファミっ子の間では割と有名なタイトルだと思うんだけど、どうかな？　版権元が次々と変わりながらも、今でもシリーズ最新作が出たり、フルリメイクされたりしてる息の長い作品だよねー。

• 煙草を燻らせ閃きを得る！　っていうね。極道人脈も駆使するっていうよね。う～ん、ハードボイルド。そこに薄暗さが同居するコマンド式アドベンチャー。「時の過ぎゆくままに…」はシリーズ第四作目となる作品。ファミコン最後の神宮寺。

• 「探偵 神宮寺三郎」といえば全体的に「シナリオのクオリティが高い」って評価されているよねー。今作のストーリーもまたよし！　神宮寺と熊野警部が公園でバッタリ。過去に起こった事件を回想するカタチで物語は進んでいく。過去のシーンはセピア色で表現され、とっても落ち着いた大人の雰囲気。
• しかし、なぜセピア色なのか、時に必要な嘘があること――、大人な世界観だけに、当時のファミっ子にはなかなか理解しにくかったかも。それだけに、大人になり記憶の片隅に残っている人もきっと多いと思われる（どうですか？）。

• シナリオの進行具合により、神宮寺とアシスタントの洋子の視点がザッピングする粋な計らい。神宮寺が行方不明の絵画を追う話・洋子が偶然出会った少年の母親を探す話。この二つのお話が結末に向かって収束していく進行はお見事。そこに絡む、突然事務所で預かることになった元警察犬ズタの存在もまた秀逸である。
• 今作はシリーズ中でもかなり毛色が異なる部分が。それは推理ADVとしては珍しく「誰も死なない」こと。終始穏やかに進む本作は「推理ADVの一つのスタイルを確立した名作」といって過言じゃないんじゃなかろーか！
• そんなわけで、れとげ部！での評価は「神げ！」☆3つです！（ですよね？）。

ストーリー

都会の、それも大都会・新宿の真ん中だというのに、ここ新宿中央公園には、ただの”夏”だけがあるようだ……。

公園の外周道路を走り過ぎる自動車の騒音も、周囲の樹木から放たれる強烈な蝉しぐれに阻まれて、ここまでは届いてこない。照りつける太陽……、これでオレを見下ろすようにそびえ立つ高層ビル群が目に入らなければ、自分が新宿にいることを忘れてしまうかもしれない（そういうところが、オレがこの公園を気に入っている理由かもしれないが……）。

オレが私立探偵として新宿に事務所を置いてから、今年で何度目の夏を迎えることになるのだろう。因果な仕事だとは思うが、世の中の裏側ばかりを眺め、それを追いかけ、そこを走り回ることに忙しく、オレには立ち止まる余裕さえもなかったのだろうか……？

こうして束の間、”自然”（それは極度に人工的なものだが）に身をまかせていると、時の過ぎていくことが感じられる。そして同時に、過去に、今までにオレが関わった事件がいくつも思い出されてくる。

これから話そうとする事件は、そのなかでも特に印象深い事件のひとつだ……。

取扱説明書 ＜プロローグ＞ より

れとげ部！での評価

神げ！　：

ここが神げ！

• 人は誰でも嘘をつく。自分や愛する者を守るために。
  ――豪造親分のこのセリフね。基本的に嘘をつくのは悪いことだけど、時に人は誰かを守るために嘘をつかなきゃいけないこともあるっていう。銃が悪いんじゃない、銃を悪用する人の心が悪いのである、みたいな。まぁ、当時の小学生にこれを理解するのはなかなか難しかったかも。だけど、それだけに大人になってから感銘を受けるかもしれないところがあるある。う～ん、今度はフルリメイクでやりたくなってきたかも。