基本情報
- ジャンル:アクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :カプコン
- 発売日 :1990年8月8日
ゲーム概要
- 「ストリートファイター」と聞くと、どうしてもあのゲームが思い浮かぶよね。しかしてこのゲームは、あの格ゲーの『ストリートファイター』とは何ら関係ないっていうよね。でも海外版ではパラレル的に繋がりがある設定に変わっているそう。ちなみに海外版のタイトルは『Street Fighter 2010 The Final Fight』となっていて、いや「ファイナルファイト」って、さらにややこしいわ!
- はい、そんな(?)本作『2010 ストリートファイター』ですね。タイトルは「ニイ マル イチ マル」と読み、サブタイトルが「ストリートファイター」。前述の通り、格ゲーの『ストリートファイター』とはほぼ無関係。舞台は近未来でストリート要素もないに等しいのになのにストリートファイター。格ゲーの方は知っていても、こっちの「ストリートファイター」を知ってる人は少ないかも。今回はその理由を説明することでこのゲームを紹介していこうかなって思うよ。
- 知る人ぞ知る、その理由とは、ひとえに「難易度の高さ」である! 最近ではめっきり見なくなったけど、昔のカプコンさんのゲームはとにかく難しかった! 『魔界村』とか『ロックマン』などが有名だけど、実際同時期の同メーカー製ゲームはどれもこれも難しかった印象を持つよ。
- ただし、多くの作品において「難しい中にも理不尽な部分は少なかった」な。練習するほど上達できるゲームになっていて、他のメーカーのクソゲーと呼ばれるタイトルとは一線を画す出来になっていた。
- 上達とは、ゲームを遊ぶ上での本質的な楽しみである。とは、偉い人も言っていた(誰?)。RPGではそれが経験値やレベルといった概念に置き換わっているに過ぎず、プレイヤーは強くなっていく主人公に満足感を覚えるのだ。
- アクションゲームではより直接的に「自身のスキルが向上する」ことこそレベルアップとなる。このようにジャンルは違えど、プレイヤーが感じる「楽しみ」というのは、じつは意外と同一のもので、そのために最重要となる要素が「ゲームバランス」であると私は考えるのだけど、どうだろうね?
- うん、ちょっと脇道に逸れた感があるけど、本作『2010 ストリートファイター』も、このゲームバランスには問題がなかったと私は思ってる。確かに難しい。でも、理不尽さはそんなに感じられない。しかして、本作があまり知られていない理由は「難易度の高さ」……いったいどういうことなのか???
- それは「難易度の高さ」のベクトルの問題であり、端的に言って「独特な操作性」である。操作自体はファミコンだけにボタン数の制限もあってシンプル。でも、そのシンプルさの中に多彩なアクションを実現していて、これは一見ファミコンの限界に挑戦したがごとき長所とも捉えられそうなところなんだけど、アクションが多彩であるだけにかなり臨機応変な対応が求められ、そこが問題となっている。
- 要するに「この操作に慣れるまでゲームが続かない」ために、途中で投げてしまうユーザーが続出した結果、良質な高難易度ゲーであるにもかかわらず、隠れた名作となってしまった、なんとも惜しい作品だったな。然るに後年、再評価されて隠れた名作と評されるように。高難易度アクション好きなら一度はプレイしておいて損のないタイトルだよね。
ストーリー
西暦2010年――――――
人類は新たなる地を求め、
他惑星に移住を始める。
しかし、その中で、人間と
異星人との社会で起こる犯罪は、
最悪の事態となっていた。
犯罪者たちは、自らをサイボーグ化し、
パワーを手に入れていたが、
それよりも破壊力のある
“パラサイト”が現われた。パラサイトとは――――――
装甲虫というセラミックより固い甲羅をもち、
それらを体の表面に奇生させ、
同化することによって、はかりしれないパワーを
発揮する者である。その強力な“パラサイト”と戦うべく、
ギャラクシーポリスは、
サイボーグ警官ケビンを送りだしたのだ。取扱説明書 <ストーリー> より
れとげ部!での評価
無理げ!:
……だけど!
隠神げ!:
ここが無理げ!
- 操作に慣れるまで続けられるか!?
――うん、これね。一般的には「独特な」「クセが強い」操作性などと言われたりしてる。具体的に言うと、壁にはりついたり、斜め上に武器を撃ったりしなきゃならない臨機応変な操作を身につけるのが大変な。垂直ジャンプ中に、向いている方向と反対側に十字キーを入れる「フリップジャンプ」は本作の攻略には絶対必須のアクションだけど、必要な場面に対応して使うのがやっぱり難しい。この辺りは「ジャンプアクションと格闘ゲームを合わせたような操作感」とも。まぁ、そんな操作に慣れないと、ボスとの戦いで一杯一杯、パワーアップアイテムを取ってる余裕がない。すると、次ステージのクリアが困難に……。この悪循環から、ゲームを投げてしまうプレイヤーが続出。本作が高難易度ゲーと評される大きな所以のひとつとなっている。 - ステージ移動を急かしてくるよね!?
――ボス戦後の話ね。次のステージへ移動するために出現する次元ドアに、10秒以内に入らなきゃいけない。でも、まだアイテム回収できてない! アイテムはボス戦中か遭遇前になるべく回収しとかなきゃなんだけど、前述の通り操作に慣れていないとこれがなかなか難しい。からの、次ステージの攻略が困難になって投げてしまう人続出っていうのも、前述の通りね。
ここが隠神げ!
- 操作に慣れちゃえば神ゲーでしかない!?
――グラフィックがいい。とくにキャラの動きは滑らかで美しい。BGMも高品質で、アツい曲、哀愁感じさせる曲など揃ってる。高難易度も決して理不尽なものではなくて、しっかりとバランス調整されている。されども前述の理由から、操作に慣れるまで続かず、隠れた名作と評されているのはなんとも惜しい感じだよね。とはいえ、操作に慣れたとて、高難易度ゲーであるには違いない。ゆえに『魔界村』『悪魔城ドラキュラ』『忍者龍剣伝』など、とくにダーク系の高難易度アクション好きには文句なくオススメできる「隠神げ!」ね。
コメント! (レトゲで一言!)
ちなみに海外版の主人公は初代『ストリートファイター』(1987 ストリートファイター)で優勝してから年月を経て科学者となった未来の「ケン」。されどシリーズ本編の方は初代で優勝したのは「リュウ」。ゆえに本作は『ストリートファイター』のパラレルワールドやifの世界との説も。なお『ストII』で設定されたケンの生年は1965年、つまり『2010 ストリートファイター』でのケンの年齢は45歳となる。