基本情報
- ジャンル:シューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :カプコン
- 発売日 :1988年6月20日
ゲーム概要
本作は1987年6月リリースのアーケードゲーム『1943 ミッドウェイ海戦』のファミコン移植。サブタイトルは「THE BATTLE OF VALHALLA」とパッケージに記載があって、AC版は「プレイヤーがアメリカ軍で、敵の日本軍をやっつける!」内容だったけど、FC版では「架空の国同士の戦争」が描かれ、なぜか敵艦の名前が三国志の武将(主に董卓軍)に変更されているっていう(……ヴァルハラどこいったん?)。――ちなみにAC版における「日本製ゲームで日本軍を敵とするゲーム性」には右翼から抗議がなされ、これをプロデューサーの岡本氏が「結構重く受け止めていた」って話があり、その真摯な姿勢が印象に残ってる。ファミコン版は、そんな「敵の名称変更」に代表されるような「かなりアレンジのきいた」移植となっている。
前作『1942』同様、今作も縦スクロールで進行するシューティングゲーム。AC版のステージは全16面エンディングで二人同時プレイが可能だったが、FC版は24面に増加し「二人同時プレイは廃止」されていたっけな。それから、『1942』の「残機制・被弾1発アウト」から「エネルギーによるライフ制」へ。さらに「メガクラッシュ」という必殺ボタンが追加され、これを使用すると雷や津波など超自然現象(FC版では「雷」に統一)による強力な広範囲攻撃が行えるように。このメガクラッシュは代償として生命線であるエネルギーを消費するためゲームオーバーのリスクが増す攻撃だが、2発で艦隊を沈められるほどの破壊力があり、このゲームのバランスブレイカーともいえそう。『1942』で特徴的だった緊急回避の『宙返り』もしっかりと受け継がれていて、FC版では同時にメガクラッシュも発動する親切設計だ!
ファミコン版はこれらに加え、さらに特徴的なアレンジとして「自機のカスタマイズ」ができるようになっていた。アイテムによって取得できるポイントを「攻撃力・防御力・エネルギータンク・特殊武器・武器使用時間」に割り振ることでRPGのような自機強化ができるのだ。これに伴い、オリジナルではただのスコアアイテムだった「タケノコ」「トンボ」は取り逃せないものとなったな。他にも「パスワードコンティニュー」が導入されていて、これもSTGとしては中々に珍しいケースだよね!
ストーリー
強大な敵の奇襲に我軍の海上基地は壊滅に近い打撃をうけた。奴らはそれからも各地に侵攻し、今や我国も奴等の手におちるかと思われた。しかし我々も指をくわえてみていたわけではない。残された艦船を総動員して、ここヴァルハラにおいて起死回生の決戦を行おうとしていた。だが、またも勝利の女神は我々にひじ鉄をくらわせた。敵空母から発進した爆撃機が、不運にも我艦隊を発見し爆撃を加えてきたのだ。あまりにも鮮やかな奇襲に我々は手をこまねいて見ている事しかできなかった。ブルーホライズンもグローリーもジミーヤングも沈んだ。残ったこのホークネストも半壊し、艦載機も全滅してしまった。ただ一機、俺の愛機、P-38ライトニングを残して……。
取扱説明書 <ストーリー> より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
大胆なアレンジが光ってる!
メガクラッシュの存在で大味な感が否めない作品ではあるんだけれど、前作に比べて確実に進化している『1943』! さらにFC版は先にも述べた通りの、かなりなアレンジ移植となっている。これは「ACの忠実なFC移植が不可能ならば、もはや大胆にアレンジしちゃえ!」というようなある種の潔さが感じられ、結果的に成功していると私は思ってる。確かにボス戦などでは処理落ちが見られるんだけど、敵の攻撃が激しすぎるため逆に助かっちゃったりしたな。『1942』の移植がアレだっただけに、よりカプコンさんの好移植が光って感じられるね(それは言わないお約束?)
コメント! (レトゲで一言!)
自機カスタマイズに、STGでは珍しいパスワードコンティニュー。忠実な移植が不可能なら大胆にアレンジしちゃえ。その意気や良し董旻。