基本情報
- ジャンル:アドベンチャーRPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :バンダイ
- 発売日 :1989年10月27日
ゲーム概要
『ドラゴンボール3 悟空伝』は1989年10月27日にバンダイより発売のファミコン・アドベンチャーRPG。言うまでもない大人気漫画・アニメが原作のファミコン版第3弾となりて、カードでDBワールドを摩訶不思議大冒険するゲームがコレ。基本的なシステムは前作『ドラゴンボール 大魔王復活』を踏襲しており、当時のDBゲーといえばカードバトルだったよね。
主人公はもちろん悟空、ブルマや亀仙人といったおなじみのキャラも登場する。ストーリーは、世界中に散らばる7つのドラゴンボールを探し出し、ピッコロ大魔王が消滅させた「天下一武道会」を復活させることを目指す――この設定はゲーム独自のものとなるが、要所のイベントはほぼ原作に準じている。「悟空の少年時代~青年時代・マジュニア編」まで、かなりボリューム感ある内容だ。
本作は「マップ・バトル・アドベンチャー・イベント」と4つのパートから構成されている。中でも最大の見どころはやはり「バトルパート」になるだろう。プレイヤーは5枚の手札から枚数を指定して、1枚ごとに星の数が多い方に攻撃権が与えられる――これは前作から引き継がれているシステムで「子供にも非常に分かりやすい」。画面上下に手札のカードが表示され、画面中央では戦闘アニメーションが表示されるのだが、まるで「漫画のコマ割り」のように展開されるアニメは、今見ても味があっていい――おそらくこれは「ファミコンのハード制限をクリアするための工夫だったはず」と想像できるのだが、素晴らしい演出となっている。しかもザコキャラにまで用意されているのがまたスゴい。
さらに前作にはなかったものとして「ステ振りによる成長システム」――つまり「自分だけの悟空」を育てることができる。悟空がレベルアップすると、レベルポイント(最大5P)が与えられ、4つのステータス「スピード・パワー・テクニック・タフネス」に振り分けて悟空を成長させていく。このシステムは『女神転生』など他のRPG作品でも見られる割とメジャーなものではあるが、本作のそれは「問題点」として一般的には指摘されることが多い。というのも、「成長させると有利なもの(スピード)と不利になるもの(タフネス)」がハッキリしており、それだけなら同系システムを採用した多作にも多少は存在する要素と言えるのだが、このゲームについては「均等に割り振っていくと中盤以降詰む!?」と評されるほど、攻略に必須の知識となっていて「ゲームバランスが悪い」と言わざるを得ない仕様だ。現代ならばインターネットで調べることができるが、当時はこれを自力で発見するのは厳しかった(しかも説明書には <必見!攻略のポイント> ととして「レベルポイントはまんべんなく上げろ!」との記載があった、完全に罠やろこれ)――そのため「普通にプレイしていてはクリアできない!」高難易度ゲーとして本作を挙げるファミっ子は今でも少なくない。
とはいえこのゲーム、全体的な操作感覚は悪くない。カードバトルのテンポはいいし、画面には情報が詰め込まれている割にグラフィックは見やすく、目が疲れない。前作で不評だったADVパートにおける「理不尽な即死トラップ」もほぼ廃止され、体力の回復も「食べ物、ご馳走、仙豆」のストックで容易となった。ADVパートには目的の行動をとるために冗長的な選択をしなければならないところもあるが、当時のアドベンチャーゲームはだいたいそんな感じだったと擁護は可能だろう。BGMは本作オリジナルのものだが、原作の世界観にピッタリ合っているし、隠しボスとしてラディッツやアラレちゃんと戦える演出は嬉しかった。れとげ部!での評価は「神げ!」。DBゲー第3作ということでまだまだ発展途上の感はあれど前作より確実に良くなっており、今後が非常に期待できた。「いいゲームを作ろう!」としている開発陣の意気を私は感じることができたと思っているよ。
ストーリー
世界を救うため、旅立て悟空!
むかしむかし、都から数千公里も彼方の山奥に、悟空というしっぽのある子供がおった。悟空は、死んだじいちゃんの遺言である「天下一武道会」に優勝するために、毎日修行にはげんでいた。しかし、その「天下一武道会」は、ピッコロ大魔王の手にかかって消滅し、今では伝説となっていた。ピッコロ大魔王は、ウサギ団、ピラフ一味、レッドリボン軍を使って、世界を悪に満ちたものにしようとしている。その目的のためには、強い武闘家たちが集まる「天下一武道会」が邪魔だったのだ。そこで悟空は、「天下一武道会」復活のため、ブルマと共に、たったひとつ、どんな願いも叶えてくれるという、7つのドラゴンボールを捜す旅に出る決心をした。次々にたちふさがる強敵たち、この世界を悪の手に渡してはいけない。がんばれ悟空! 広い世界を旅して修行し、悪の手から世界を救うのだ!
取扱説明書 <ストーリー> より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
いいゲームを作ろうとの意気を感じる。
結果論かもしれないけど。一般的に指摘されている「ステ振り」に代表される「ゲームバランスの悪さ」なんかは確かにまだまだ発展途上。しかし『北斗の拳』などと比較するにどうしてもそれを感ぜずにはいられないんだよね。
コメント! (レトゲで一言!)
レベルポイントについて説明書にはこうあった「片寄った上げ方をしていくと、後で痛い目に合うぞ!」嘘だッ!!