ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シミュレーションRPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :任天堂
  • 発売日 :1990年4月20日

ゲーム概要

  • はい出ました「ファイアーエムブレム」。S-RPGの代名詞ともいえる有名タイトルですよね。その始まりとなったのが本作「暗黒竜と光の剣」なんだな!

  • このゲームは「S-RPGの元祖」とも呼ばれていて、シミュレーションRPGという当時はまだ存在しなかった新ジャンルを確立、世に知らしめた功績が凄い! しかも、さらに凄いのは「現在も続く大人気シリーズの基本システムが第一作目にしてほとんど完成していた」という事実!
  • ユニットは単体のキャラクターで構成されていて、戦闘による経験値獲得で成長していく。武器には使用回数があり「回数ゼロ = 武器が壊れた」となる。死亡したユニットは基本的には復活できない。などなど、これらはシリーズを重ねても守られ続けている基本システムと呼べるもの。

  • そして「死亡ユニットが復活できない」というのは、S-RPGの原点としての地位を築いた要因のひとつ。すなわち、ユニットを兵器や駒ではなく人間として扱うこと、名前のついた登場人物にすること。死んだら生き返れないようにすることで、プレイヤーがユニットを大事に育てる。それはつまり「感情移入すること」に繋がっていく。戦略を練ったり、戦闘が楽しいのも確かに重要。しかして、そこに感情を乗せる! これによって、より広範なユーザーに受け入れてもらうことに成功したといえるんだね。

  • また、過剰な演出が抑えられている点も、この作品の大きな特徴である。ストーリーを見せるのは会話パートであり、それ以外は戦闘だけでゲームが構成されている。小説で言ったら「地の文がない」みたいな。まぁレトロゲームってみんなそんな感じかもだけども。ゆえにやっぱりこれも旧ハードの容量的な問題であって、狙ったものではないと思われ。とくに初代は無味乾燥と表現してもいいくらい演出は排除されている。例えば、戦闘画面は全部黒バック。ペガサスナイトが出てきても空の背景とかないから、その動きはとっても地味に感じられる。でも良くいえば、ストイックに難度の高い戦闘やユニットの成長を楽しめる作品になってる。

  • ゲームをスタートする、いくつかの会話が流れる、そのまま戦闘が始まる。戦闘に勝利すると、次のマップに移動。また会話が少々あって、戦闘がスタートする……。「会話 → 戦闘 → ……」これが本作のゲームフローを最も簡便に示したものと言って過言じゃないシンプル。
  • もちろん、進む毎に新たなユニットが登場して仲間に、育てたユニットをクラスチェンジさせて強化したり、物語も育成要素も進展はしていく。でも、基本的には「会話 → 戦闘 → ……」の繰り返し。このストイックさがたまらん! ってプレイヤーは今でも少なくないんじゃないかって、私は思っていたりする。

  • それから「ファイアーエムブレム」といえば、敵軍にいるユニットで特定の味方ユニットが会話すると仲間になるやつですよね! ボス以外で名前のある敵ユニットが出てきたときにはテンション上がっちゃうあれあれ! でも、その特定の味方ユニットと会話する前に、偶発的な戦闘で殺してしまう悲しみ。その悲しみを何度も目にするもはや日常茶飯事。そして先述の通り、死んだらそれまで。復活不能……。するともうリセットボタンを押すしかない! そしてセーブは戦闘終了時にしかできないからの、そのマップの最初からやり直すことに……。
  • 完璧なクリアを目指すためにはリセットするより他になし! でも、S-RPG好きは意外とこれが嫌いじゃない(私だけ?)。自分の満足いく結果が出るまで何度もリセットボタンを押してやり直す。そうして得られたる最良の結果は、なんだかガチャを回すにも似る快感がある(私だけ?)。ゆえにこのゲームにハマったファミっ子の多くは、クリアするまでに何十回もリセットボタンに手を伸ばした記憶を持っているんじゃなかろーか。
  • そんなこんなで、S-RPGの元祖! なのに完成されたシステム! 『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』は間違いなく「神げ!」。現在でも最新作がリリースされるほどの人気シリーズとなっている点を鑑みれば、もはやわざわざ言葉にする必要もないくらい、確かな事実といえそうだよね!

ストーリー

その昔、アカネイア大陸は、マムクートの帝王、暗黒竜メディウス率いるドルーア帝国の侵略により、恐怖と絶望の渦中にあった。それまでアカネイア大陸を治めていたアカネイア王国の軍隊は、恐るべき力を持つドルーア帝国と暗黒竜により壊滅状態に瀕していた。今まさに世界は滅びさろうとしていたその時、人々はひとすじの奇跡の光を見た。
アリティアのアンリという若者が、苦難の旅の末に手にした光り輝く神剣・ファルシオンによって、暗黒竜メディウスをみごとに打ち倒したのだ。
メディウスを倒されたドルーア帝国は、アカネイア軍の反撃にあい滅亡していった。
世界は再び平和な時代を迎え、アカネイア王国は再建され、アリティア王国はじめ、多くの国が建国された。そして英雄アンリはアリティア王国初代国王に選ばれた。

100年の時が流れた・・・・・・・
長い時を経て、暗黒竜メディウスが復活した。
メディウスは、グルニア王国とマケドニア王国を併合しドルーア帝国を再建、同じく世界制覇の野望を持つ闇の魔王・大司祭ガーネフが加担し、アカネイア王国に攻撃を仕掛けた。アカネイア王国は懸命に防戦したが、グルニアの名将カミュと暗黒竜メディウスの力の前に敗退を重ね、その城を奪われてしまった。
英雄アンリの血を引く、アリティア王国のコーネリアス王はメディウスを倒すべく神剣ファルシオンを持って出撃したが、同盟国グラ王国の裏切りにより壊滅、アリティア王国は滅亡し、神剣ファルシオンまでもが奪われてしまった。
しかし、そのとき14才であったアリティア王国の王子マルスは、姉エリスの助けを得て、守役ジェイガンらと共に辺境の島国タリス王国に逃げ延び、王女シーダをはじめこの国の人々に暖かく迎えられ、祖国解放の日を夢みていた。
だが、平和な日々は長く続かなかった。マルスが16才になったとき、ドルーア帝国に協力するガルダの海賊が上陸し、タリス城を占拠してしまった。
城から逃げ延びてきた王女シーダから、このことを聞いたマルスは、わずかばかりのアリティア兵と共にタリス城へと向かった。

版取扱説明書 <アカネイア大陸・暗黒の歴史> より

れとげ部!での評価

神げ!

ここが神げ!

  • S-RPGという新ジャンルを確立した功績は果てしなく大きい!
    ――っていうよね。日本最古のS-RPGといえば『未来戦史ライオス』(FC)や『飛装騎兵カイザード』(PCE)などの名前も挙がる。でもね、当時はまだS-RPGというジャンルはなくて、これらはたぶん「ストーリー性のあるSLG」として制作されたんだと思われる。ゆえに、初めから新しいジャンルとして開発されたわけじゃあなくて後付け認定されたものと言える。すなわち『ファイアーエムブレム』こそ「S-RPGの元祖」っていう一般的な意見に落ち着くわけね。そも、S-RPG(シミュレーションRPG)の定義からして難しいってお話。なぜならRPGというジャンル自体、ある種のシミュレーションゲームともとれるから。それでもあえてS-RPGの定義を挙げるなら「ユニットに主人公が存在する」「強いストーリ性を持つ」「RPG的な成長システム」などといった特徴を持ったゲームかな。後発のゲームジャンルであるだけに「ヒット作の模倣からジャンルとして固まった」との見方もあったりするよね。さらに言うなら、S-RPGは「海外ではあまりメジャーなジャンルじゃない」。海外ではストラテジーRPGとか呼ばれてたりするんだけど、積極的に制作しているメーカーはほとんどないらしい。現在出回っているのはほぼほぼ日本製の海外版とのこと。しかも、今後とも海外で大人気となる可能性は限りなく低いとかいわれていたり……。個人的には「なんで海外では不人気なの!?」疑問に思うほど面白いジャンルだと思ってるんだけど、どうなんだろうね?

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    シンプルなアルテリオス計算式が採用されているのも本作の特徴のひとつだよね。あと、成長は神に祈れ! だとか。それから「ひかりのけん」なのか「ひかりのつるぎ」なのか問題。話題を挙げていけばいつまででも話していられそうなゲームだよね、ファイアーエムブレム大好き。

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