長い一日

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :滝口悠生
  • 出版社   :講談社
  • 定価      :2250円+税
  • 発売日   :2021年6月30日
  • 単行本   :354ページ
  • ISBN-10:4065236142
  • ISBN-13:978-4065236147

『よむかも』な本のポイント

  • ダメなんだけど、他人の日記帳を見てみたい欲あるある。

『よむかも』な本のレビュー

  • 『長い一日』よむかも。
  • この本は、人生がわかる本。
  • 人生とは、一見よくわからないことや些細な偶然の連なりで成り立ってる。
  • 本の装丁が独特で、縦の寸法が少し短い。博物館の日記帳風。
  • 主人公は小説家の男性である。
  • ――7年間暮らした借家からの引っ越しをめぐる「妻」とのやりとり。
  • ――階下に住む大家の老夫婦との交流。
  • ――友人宅での集まり。
  • ――行きつけのスーパーのこと。
  • 作者の実生活らしき日常が綴られてる。日記を覗き見るような感覚がある。
  • 日記帳の読み切りのエッセーが、小説に変貌してしまったらしい。
  • やっぱり話者がするっと変わるのが特徴的。
  • 芥川賞受賞作『死んでいない者』にも見られる著者の小説の特色の一つ。

  • 慣れてくるとそんな視点の移り変わりが面白くなってくる。
  • とくに印象に残るのは「不染鉄」という日本画家の展覧会を見た日の記述。
  • 再読すると、その章の重要性に気づかされる感じ。
  • ちなみに、この画家は創作ではなくて1981年生まれの実在の画家である。
  • 日記を面白く書けるのも作家さんならでは――って気がするよね。
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