『アイドル八犬伝』は1989年トーワチキより発売のファミコン・アドベンチャー・レトロゲーム
……シュール? 当時でも人を選んだゲームなんじゃないかな。でもエリカかわいいしエンディングの「きみはホエホエむすめ」は一聴の価値あり!
『アイドル八犬伝』の基本情報
- ジャンル:アドベンチャー
- 発売元 :トーワチキ
- 発売日 :1989年9月14日
『アイドル八犬伝』の対応機種
ファミリーコンピュータ
『アイドル八犬伝』のストーリー
財産相続で揺れる大財閥の西園寺家。当主のおばばは三人の孫娘に「この三ヵ月間、一番器量の優れたものに全財産を譲る」と宣言した。大いにはりきる超エリートの姉二人。だが、末娘のエリカには誇れるものなどなにもない。「そうだ、私には歌がある」そこに、うばのミホが芸能評論家で占い師でもある真実一郎を連れてきた。彼は「エリカがアイドルとして売り出すには、後七人の仲間を捜し出さねばならない。」そして、一人目の仲間は一郎の孫娘で占い師の星美だと言う。エリカは星美と共に残り六人の仲間を捜し出し、また、エリカを誘惑してイロモノタレントにしようとする、謎の暗黒イロモノ大王ひきいるイロモノ軍団の妨害を乗り越え、エリカが国民的アイドルスターとしてデビューすることができるだろうか!
取扱説明書 <プロローグ> より
『アイドル八犬伝』のプレイ雑感
……なんか凄いゲームきたね――バカゲーっていうの? はじめてやったんだけど、なんて言っていいのかよくわかんないよね
『アイドル八犬伝』は、あの『メタルスレイダーグローリー』や『リップルアイランド』と並び評されることもある、ファミコン屈指の名作アドベンチャーゲーム
いやいや『メタルスレイダーグローリー』『リップルアイランド』は同じファミコンゲームとしてともかく、『アイドル八犬伝』を表すためにあの『アイドルマスター』を巻き込んでしまっていいの?
――そのくらい言い表すのが困難なゲームってことで見逃してください
だけど調べてみると一部熱烈なファンの人たちはいるみたいなんだよね!
電波系の超絶シナリオと独特のギャグが刺さる人には刺さったみたいね
「ウーパールーパーじゃなくって乳母」「ちょっと待ってチェルノブイリ」「ありがタイヨーホエールズ」――だっけ? わかるのがチェルノブイリくらいしかないし(ギャグの意味は不明だけど……)
「ウーパールーパー」はメキシコサンショウウオの俗称で、昔テレビで取り上げられて話題になったんだって。「タイヨーホエールズ」は「横浜DeNAベイスターズ」の前身となるプロ野球チームらしいよ
へー……あ、でも、ウーパールーパー、なんかちょっとかわいいかも。かわいいかもといえば、『アイドル八犬伝』の主人公のエリカも表情豊かでかわいいよね!
そんなエリカは日本有数の大財閥・西園寺家の末娘で、跡取り争いのために7人の仲間を探してスーパーアイドルを目指すコマンド形式のアドベンチャーゲーム――ちなみに仲間の数以外で八犬伝の要素はないね
コマンドの種類は割と少なく、バッドエンドは最終章くらい――サクサク進むね。プレイ時間は1~3時間くらい? 悪く言えば「ボリューム不足」だけど、内容的にはまぁこのくらいでちょうどいいかなって感じ
でも当時の定価6000円を思えば、ボリューム不足は問題点になりそうだよね。さっきも言ったけど、独特なギャグ、破天荒なストーリー、暗黒イロモノ軍団の予測不能な出現とか――とにかく展開がハチャメチャ
でも作りに粗さは見られない、丁寧な印象を受けるね。「本気でバカゲーに取り組んでる」っていう制作スタンスはなんか尊敬しちゃいそうになる!
そして本作最大の魅力は、なんといっても見事な「サウンドとテキストの融合」
このゲームはだいたいエリカが「うたう」ことによって物事が解決していくんだけど、そのシーンで出てくるBGMとテキストの表示タイミングはぴったりくるんだよね! 頭の中でエリカの歌が聞こえてくる感じ!
これは容量的にボイスを入れるのは難しいファミコンゲームの「苦肉の策」的な演出なんだと思うけど、これが見事にはまってるんだよね
ズゲッときたワ! きみはホエホエむすめ!
ね。なんでもそうだけど、「想像の羽を広げる余地が大きい媒体」の方が、なんか作品として優れてる印象を私は受けるんだよね。メディアミックスとか、『小説 > 漫画 > アニメ > 実写』って感じで
……ひょっとして「小説や漫画原作の実写化は認めない!」派の方?
そこまで頑なじゃないよ。いろんな楽しみ方があっていいと思うし。でも原作を超える実写化は見たことないかな。原作を超えるアニメ化は部分的にはあることは認めざるを得ないね。いやはや最近のアニメ技術の発展には目を見張るものがあるよね――
あ、そのあたり、語らせたら長くなりそうな予感
――まあ、そんなこんなで、表情豊かでかわいいエリカには感情移入しやすいし、ボリューム不足とはいえそれなりの時間をかけて聴くエンディングの「きみはホエホエむすめ」には一聴の価値があると思うよ
いまのとこ移植もリメイクもないみたいだから『ニンテンドースイッチオンライン』とかの配信に期待したいところだね!
おしまい。
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