幕張少年マサイ族

文学・評論
  • 『幕張少年マサイ族』よむかも。
  • 著者:椎名誠 出版社:東京新聞
  • 定価:1400円+税 発売日:2021年5月20日 単行本:248ページ
  • ISBN-10:4808310570 ISBN-13:978-4808310578
  • この本は、千葉で過ごした幼少期から中学時代までを描く自伝エッセイ。
  • 著者の人、椎名誠さんは作家の人。「あの頃の幕張は、黄金の大草原でした」
  • 東京・三軒茶屋生まれの都会っ子だった椎名さんは、幼い頃千葉へ移り住む。
  • そこで初めて海を見た。
  • 裸足で外を歩く地元の子どもたちを見てカルチャーショック。
  • しかしそこは子どもの順応力。すぐ真っ黒に日焼けした海の悪ガキになった。
  • そんなシーナ少年の過ぎし楽しき千葉の日々。
  • 長いこと作家をやってるけど、この頃のことは書いてなかった。
  • いろいろ悪事を働いたから、気を使うんだって。
  • 昭和30年代の千葉・幕張エリア。
  • 幕張メッセはまだなかったけど、開発が始まり、みるみる変貌していく。
  • 遊び場だった海が埋め立てられてできたのは「見たこともない美しい海」
  • それが「死んでる海」だと気づいたとき、ショックを受ける。
  • でもその後、雑草が生い茂り、虫や鳥がすみ着き。
  • ビオトープ。幕張海浜草原。
  • 今や幕張が草原だったことを知る人は多くないだろう。
  • 草陰で逢引するアベック以外、普通の大人には用がない場所だったからね。
  • でも僕たちにとってはすごく広い黄金の大草原に見えた。
  • そのビオトープもやがて高層ビルや野球場に変わってく。
  • ここで地元あるある。開発裏話。補償金でプチ成金、急に外車を乗り回し。
  • 当時の地元の少年たちは、海浜地区の変貌並みに激しかった。
  • 小5で175cmあったシーナ少年、当然目をつけられる存在だ。
  • すごく勉強ができるか、すごくケンカが強いか。
  • あの頃の千葉は、どっちかでないと男は生きていけなかった。
  • 中学にはあちこちの町からやってくる勢力争いも勃発。
  • 入学してすぐ不良グループに呼び出され15対1。
  • (不良マンガみたいな話ね!)
  • もちろん返り討ちに……できるはずもなく、ボコボコにされ。
  • (やっぱ現実はきびしいね!)
  • 当時の日本は復員兵もいた、世相そのものが荒れていたって。
  • 岸壁の母の時代。今とは全然違う。貧しい国。
  • 今の日本は豊かになった。でもいいかげんに発達しちゃった。
  • 自然破壊や原発、人種差別――あちこちで危機を感じてる。
  • (昔の子どもの話って面白いね。今とあまりに違いすぎて)
  • (おじいちゃんおばあちゃんの話も聞いてみたくなったよ)
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