- 『土葬の村』よむかも。
- 著者:高橋繁行 出版社:講談社
- 定価:1000円+税 発売日:2021年2月17日 新書:320ページ
- ISBN-10:4065225442 ISBN-13:978-4065225448
- 墓地埋葬法では、土葬は禁じられているわけではない。
- しかし土葬は今まさに消えんとしているって。
- 現在、日本の火葬率は99.9%以上。もちろん世界第1位。
- 著者の人が調査開始したとき、土葬の残る地域は限定的で固まってた。
- 奈良盆地の東側の山間部一帯と、隣接する京都府南山城村。
- 調査当時、村全体の8~9割が土葬を行っていたという。
- 土葬を行う地域の風習で、なにより特徴的なのは「野辺送り」である。
- 死者を埋葬地へ送る際、野辺の道で長蛇の葬列が組まれた。
- 遺族から一般の村人まで参列して、白い幟が風に舞う。
- 村人は手作りした葬具を野道具として携え、死者の棺を担いでく。
- 地域差はあれど棺桶に用いられることの多いのは座棺である。
- 縦長の長方体の棺に、膝を折り胡坐をかいた姿勢の故人を納める。
- 死者は西方の極楽浄土を拝む格好で墓穴に沈んでいく。
- 「お棺割り」という凄絶な風習もある。
- 葬式から49日後、墓をあばき埋葬された棺桶を掘り返し、棺のふたを割る。
- 割れた中からホトケの顔がのぞく。髭や髪が伸びてることもあったそうな。
- 土葬の希望者は「人間は死ぬと土に還る」という自然観を持つ場合が多い。
- そして死から目を逸らさないこと。見送る側にも大きな意味がある。
- 土葬は、古代、中世から1000年以上続いてきた。
- なのになぜ今消滅しようとしてるのか? 理由は縁故関係の疎遠化である。
- 土葬にかかる手間は火葬とは段違いだし、力仕事も多い。
- 必要な人手が集められず、土葬の実施は困難に。やがて忘れられてく。
- ほかにも、神式の土葬、野焼き火葬、与論島の風葬なども紹介される。
- 風葬、土葬、そして火葬――。
- 2000年近くかけて移り変わってきた日本の弔いの歴史を振り返る。
- 風葬や土葬といった様式は、時に目を背けたくなるような情景だ。
- 死者を悼む感情を、大掛かりなイメージとともに記憶することになる。
- 弔いの気持ちを忘れまいとした先人たちの思い。
- そうした情景も、土葬とともに今、消えていこうとしてる。
- この本は、日本の伝統的な弔いの文化についての貴重な記録である。
- (ゲゼルシャフト化が土葬消滅の理由だったんだね。納得です)
- (ショッキングな埋葬は死者を忘れまいとする気持ちに通ずる)
- (なんだか新鮮な気づき。私は鳥葬に興味津々)
- (……って、え? 土葬は?)
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