2017年05月07日放送『さまぁ〜ずの神ギ問』のまとめ。
今回は神ギ問2、グ問1。
神ギ問:無音の状態を「シーン」という言葉で表したのは手塚治虫が初めてらしいけど、手塚治虫が発明した手法って他に何があるの?
まずはグーグル、「手塚治虫 手法 初めて」で検索すると、『手塚治虫 マンガの書き方 ―似顔絵から長編まで―』という本に、「音ひとつしない場面に「シーン」と書くのは、じつはなにをかくそうぼくが始めたものだ」という記述があった。本人が言っているなら正しいはず。
ちなみに、初めての「シーン」という表現が使われたのは、1951年の『新世界ルルー』。今となっては当たり前だが、当時はこれが画期的。
ほかにも手塚治虫が発明した手法はないか、手塚プロ協力の下、話を聞かせてくれる人を探したところ――、かつてアシスタントを務めていた三名の大御所漫画家が答えてくれた。
Q 手塚先生が発明した表現方法は?
まずはあの『BARレモン・ハート』の古谷三敏先生(元アシスタント歴1959年~3年半)に話を聞く。
手塚治虫の発明①:「それまでにないカット割りとコマ構成」
手塚治虫の発明②:「あるキャラクターが違う作品にも出てくるシステム」(スターシステム)
続いて、サイコガンでおなじみ『コブラ』の寺沢武一先生(元アシスタント歴1976年~1年)に話を聞いてみる。
「流線」(物の動きを感じさせるための効果線)。しかし流線自体は元々あったモノ、それを多用して動きに躍動感を与えたのは手塚治虫だが、発明した手法とは言えない。
さらに、『The♥かぼちゃワイン』の三浦みつる先生からはアンケートでお返事をいただいたが――、「正直わかりません」との回答だった。ただし、「ガーン」は『巨人の星』の川崎のぼる先生が作られたと聞いています。
さらに詳しい人を探したところ、手塚治虫ファンクラブ初代会長で小説家の二階堂黎人先生に話を聞けた。
Q なぜ「シーン」以外の手法が見つからない?
昭和21年にデビューした手塚先生は、『赤本』という駄菓子屋などで安く売られていた子ども向け漫画を描いていたが、みんなこれをマネして漫画を書き始めた。
そこから生まれた新しい手法を手塚先生も見て自分にフィードバックしていた。みんなが切磋琢磨して新しい手法やテクニックを発見したり作ったりしており、だからハッキリ分かるものもあれば同時発生的に出てくるものもあるので、誰が始めたのかはなかなか明確にしにくい。
手塚治虫の発明③「物のテカリ具合を光の反射で表現」
起こった時に出てくるブタの変なの(ヒョウタンツギ)は、昭和27年『来るべき世界』で初めて出てくる。子供の頃、妹がノートに描いたラクガキだった。手塚先生によると、これはキノコの一種らしい。しかしこれはあくまでキャラクターであって手法ではない。
ここまででわかった手塚治虫が発明した手法は――
1.「シーン」(1951年)
2.カット割り・コマ割り(1947年)
3.スターシステム(1947年)
4.テカリ(1951年)
――の4つ。ただ、これをそのまま答えにしていいのか?
そこで、日本を代表する漫画・風刺画の研究家、清水勲さん(日本漫画家協会参与)にも話を聞いた。
Q 本当に手塚治虫の発明かを調べるには?
日本の漫画が始まった300年前から調べていくのが一番いい。という、案の定全部見ないとわからないパターン。
江戸時代から漫画の原型となる鳥羽絵(平安時代の鳥獣戯画が発展したもの)が販売されていた。4コマ漫画の源流は江戸後期の北斎漫画(葛飾北斎が描いた4コマ漫画の源流)が誕生していた。さらに、コマを使ったストーリー漫画の始まりは、1931年から連載された『のらくろ』(田河水泡作、コマ割り・吹き出しでストーリーを描いた現代漫画の原型)。
そこで『のらくろ』開始(1931年)から、手塚治虫の手法が生まれた(1951年)までの、約20年間の全ての漫画で最初なら手塚治虫の発明で確定とすることに。
Q どこに行けば古い漫画が見られる?
漫画や雑誌が約30万点収蔵されている京都国際マンガミュージアムの研究閲覧室へ。
Q すごく古い漫画を調べたいのですが?
1人1回5冊まで、定員最大8名、週2回のみの開室――すべて調べ切るのに何年かかるかわからない。とりあえず番組ADを1人残して東京に戻る。
こうして神ギ問の答えが導き出された。
Answer:当時のアシスタントなどから話を聞いたところ、「フカン・煽りなどのカット割り・コマ割り」、「スターシステム」、「テカリの表現」の3つ。
――ちなみに、番組ADは週2で京都へ通うことに……、展開あればお知らせします。が、京都までは往復2万6000円かかる、なので関西在住の方で「私調べてもいいよ」という方は番組HPまで。
神ギ問:ノコギリザメのノコギリで木は切れるの?
まずはグーグル、「ノコギリザメ 木は切れる?」で検索、――しかし、それらしい答えはどこにも載っていない。
さらにネットを見ていくと、ヤフオクにノコギリザメの角が出品されていた。が、商品説明には「素材:ノコギリザメ?」と「?」の表記が……、不安を感じながらも税込10584円で落札。3日後商品が届いた。なんかカッコイイ。
しかしこれ、本当にノコギリザメのノコギリ?
そこで、サメの研究を行う北海道大学名誉教授・中谷一宏さんに確認してもらうと――、「これはノコギリザメじゃない」。ノコギリエイだった……。
その後、大学の標本室にあるノコギリザメの標本を見ながら話を聞くと――ノコギリザメのノコギリで木は切れない。
スタジオで出た疑問の答えは以下の通り。
Q あれで何をどうするの?
周囲の小魚にノコギリを振ってトゲを刺す、小魚が弱ったところを捕食する。
Q 刺さったら一生食えない?
水の中は抵抗が大きいので、返しのないトゲに刺さっても簡単に抜ける。
こうして神ギ問の答えが導き出された。
Answer:トゲが付いているだけなので木は切れない。ノコギリの役割は獲物を突き刺したりするフォークや串みたいなもの。
グ問:カルガモの母親が子供たちを連れて歩いている時、父親はどこで何をしているの?
検索ワード:カルガモ 父親
父親はオスだけの群れにいて、行動するんだそうです。カルガモは、繁殖期の前半は一夫一妻のつがいで行動しますが、卵を温めたり、ヒナを育てたりはメスだけがするんだとか。お父さんは子育てに参加しないんですねえ……、お父さん、ちゃんと子育てしてますか?
本日はこれにておしまい。毎週楽しみです。
みなさんもぜひご覧になってください。
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