『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :桐野夏生
- 出版社 :朝日新聞出版
- 定価 :2000円+税
- 発売日 :2021年10月7日
- 単行本 :496ページ
- ISBN-10:402251793X
- ISBN-13:978-4022517937
『よむかも』な本のポイント
- 置かれているカップ麺と菓子パンが普通のことになってない?
『よむかも』な本のレビュー
- 『砂に埋もれる犬』よむかも。
- 置かれているカップ麺と菓子パン。
- 母親は同棲相手と遊びに行ったきり、何日も帰ってこない。
- 小学校にも通わせてもらえない。
- 幼い弟と二人、アパートで空腹に耐える。
- それがこの小説の主人公、優真である。
- 著者は『路上のX』で、渋谷の街をさまよう少女を描いた。
- いわゆるJKが性的にも経済的にも搾取される話。少年はどうなんだろ?
- 10代前半の男子、虐待被害者。
- 性的衝動は強いだろうし、どう圧迫され、どう捻じ曲がり噴出するか。
- 解き明かされる、少年の心のメカニズム。
- 優真は母親が好きだった。自分を殴る弟の父親や同棲相手を恐れてた。
- でもだんだんと母親が嫌いに、母親を捨てた父や男たちに敬意を抱く。
- それが女性蔑視への呼び水となっていくのだ。
- (最近起きた少年事件が想像される)
- 育児放棄する母親の気持ちとは。
- 自由に生きたい。なんで子育てしなきゃいけないの。
- こんなひどい母親、って思うかも。
- でもみんな懸命に生きてて。
- でもみんなの思いがうまくかみ合うわけじゃない。
- そこには貧困と虐待の連鎖、いろんな要因があるんじゃないかな。
- 少年の孤独に、何人もの大人がかかわっていく。
- 児童相談所、学校、里親――しかし、それはなかなか癒されない。
- 人と向き合い、理解するのは並大抵のことじゃないんだ。
- しかも、子どもは言葉をもっていない。
- だから、大人のカン違いにも「本当は違う」と言えない。
- そういう「裏切られた」という気持ちを優真はずっと持っている。
- 子どもは庇護されるべき弱い立場だ。
- しかし、大人の無理解と虐待にさらされ続けたら……?
- その先に起きるのは何なのか。
- 虐待、貧困、格差、過重労働。
- 現代社会に翻弄される少年の行方を見届けたい一冊。
- (ただし気になるネットの評価・感想「なにこれ……なラスト」)
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