消える地銀 生き残る地銀

投資・金融

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :野崎浩成
  • 出版社   :日本経済新聞出版
  • 定価      :1600円+税
  • 発売日   :2020年9月10日
  • 単行本   :272ページ
  • ISBN-10:4532358647
  • ISBN-13:978-4532358648

『よむかも』な本のポイント

  • SBIは新生銀行を2019年に掲げた「第4のメガバンク構想」の受け皿にしたい。
  • 2021年9月、SBIは新生銀行に対するTOB(株式公開買い付け)を発表。
  • 発表当日の新生銀行株式の終値に対し約40%のプレミアムを付与。
  • 一方、TOBに反対する新生銀行。
  • 11月25日の株主総会で買収防衛策発動の是非を問う予定で、徹底抗戦の構え。
  • 転換点を迎えつつある地銀の今後やいかに……?
  • SBIの「第4のメガバンク構想」はどうなる? 地銀の生き残る道とは?
  • (最近よく聞くからね地銀再編、第4のメガバンク構想)

『よむかも』な本のレビュー

  • 『消える地銀 生き残る地銀』よむかも。
  • SBIの動きの他にも「地銀再編」が謳われる昨今、地銀の苦境の原因は?
  • 大きな原因は二つ。「マイナス金利」「地銀の営業地盤の狭さ」
  • マイナス金利は、民間銀行が日銀に預けるお金の金利をマイナスに設定。
  • 市中に回るお金を増やして、経済を活性化させようって施策。
  • 銀行は日銀に預けると損をする。だから貸し付けを増やさねばプレッシャー。
  • このプレッシャーが営業基盤の小さな地銀に消耗戦を強いることとなった。
  • 「貸し付け増やすって簡単じゃないの?」って思うかもだけど、じつは難い。
  • となれば隣の芝が青く見えちゃって、営業基盤でない隣県などへ出店。
  • ところが、新たな地域では「お宅の銀行なんか知らないよ」とそっぽ向かれ。
  • 不利克服のため、低金利住宅ローンや定期預金金利の好条件キャンペーン。
  • すなわち価格競争が各地で勃発して、地銀同士で消耗戦をすることに……。
  • さらに、本拠地でも顧客の信用を失うようなことやっちゃった。
  • 高リスクで手数料も高い金融商品をよく説明せず売りつけたり。
  • 銀行カードローンといって消費者金融まがいの高金利無担保ローン始めたり。
  • これは地銀本来のあり方じゃない。では、地銀本来のあり方とは?
  • 地域と共生し、地域とともに繁栄すること。すなわち、地域社会への貢献。
  • とはいえ多くの地銀は上場しており、株主の利益も追求しなきゃいけない。
  • 地銀はいまその二つの板挟みにあってる。もはや発想の転換が必要である。
  • 現状、地銀の株は大安売りされてるのに市場からは見向きもされない状態。
  • となれば向き合うべきは地元、そして地銀の役割に共感してくれる投資家。
  • 地銀本来のあり方――地域社会の貢献は「株主資本主義」と相性悪し。
  • ならば「ステークホルダー資本主義」へ転換すべし。
  • 具体的には、たとえば「事業再生」
  • 事業がうまくない地域企業の中から立て直し可能なものを見つけ株取得。
  • 経営に深く入り込んで立て直し、しかるべきタイミングで株を売る。
  • さすれば地域経済の損失を防ぎつつ、地銀自身も利益を出せる。
  • また、地域のスタートアップ企業に融資する際、経営者の個人保証を取らず。
  • いずれも、企業を見極める力量や企業経営の知見が必要でリスクもある。
  • そして経営資源に限りがある地銀では単独で不可能なケースも。
  • そこで「地銀再編」「第4のメガバンク構想」。
  • でもSBIの狙いは地銀の株価の割安さに目をつけた「投資」にすぎないのでは?
  • 大半の地銀はまだ経営に工夫の余地があるはず。
  • 地域のニーズに応える金融機関になれれば、まだまだ地銀の存在意義はある。
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