『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :垣根涼介
- 出版社 :朝日新聞出版
- 定価 :1800円+税
- 発売日 :2021年9月17日
- 単行本 :468ページ(上)/472ページ(下)
- ISBN-10:4022517883(上)/4022517891(下)
- ISBN-13:978-4022517883(上)/978-4022517890(下)
『よむかも』な本のポイント
- よりよい条件を求める負け戦、それが弱者のタクティクス。
- 大きな夢は見られない、収入・就職、安定がほしい。
- 多くの現代日本人は直家に共感できるかも?
『よむかも』な本のレビュー
- 『涅槃 上・下』よむかも。
- 悪人といわれてきた備前の戦国大名・宇喜多直家。
- その波乱の生涯を描く歴史小説。
- 直家はずっと悪く言われっぱなし。でも、じつはそんなに悪いことしてない。
- たしかに敵の武将を鉄砲で撃ち殺した。織田家と毛利家を天秤にかけた。
- でも織田信長や武田信玄の悪行と比べてみれば……ねぇ?
- 直家は六歳のときに家が滅んだため、武士には珍しく商家と尼寺で育った。
- 宇喜多家を再興したが、戦はあまり好きではなかったっぽい。
- 初期を除けばほとんど戦場に出てないし。
- 代わりに商人的な戦略はすごかった。
- 金銭面では農作物の収入に限らず、水運料や物品税を徴収した。
- 直家が大叔父と4年間戦い続けて勝てたのは、安定収入があったからこそ。
- 戦は勇ましさだけじゃない、最後には資金力のある方が勝つ。
- (安定収入、まじそれだいじ)
- 直家には商人に対する差別意識がなかった、商家から有能な人を取り立てた。
- (その中には後の小西行長も)
- 商人と共に城下町を築いた。それは現在、岡山市の繁華街になってる。
- 戦国武将ものといえば? 下剋上? のし上がり?
- でも、この小説は現代人が共感できる悩みの方がよく描かれてる。
- 女性との交わりや妻との関係もあるよ。
- 毛利と織田に挟まれ、身動きがとれなくなる直家。
- 50万石がせいぜい、それ以上は望まない。
- 最後負けるにしてもよりよい条件で降伏する、それが弱者のタクティクス。
- その生き方、現代日本人の生き方に通ず。
- バブルから凋落し続けている日本。
- もはや大多数の人は大きな夢を見られない。
- せめて大きな負けをしないように。地道に行こうよ、それだいじ。
- 負けない戦を続けていくしか、生き延びる術はない。
- そんな現代人に直家の生き方は参考になるかも。
- (なんかネガティブ過ぎるかもだけども)
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