『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :堀川惠子
- 出版社 :講談社
- 定価 :1900円+税
- 発売日 :2021年7月7日
- 単行本 :394ページ
- ISBN-10:4065246342
- ISBN-13:978-4065246344
『よむかも』な本のポイント
- いろいろ思うけどいつも本を閉じたら、戦争はよくない。
『よむかも』な本のレビュー
- 『暁の宇品:陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』よむかも。
- 宇品――広島市南端のそこはかつて陸軍の船舶司令部があった。
- 物流と情報の中心地だった。兵隊、軍需品、食料を戦地へ送り出す。
- しかしその最重要な機能とは裏腹に、軍中枢からは軽視されていた。
- 予算も権限も少なく、そのことが敗戦につながっていく。
- 綿密な取材と資料の発掘により、その様子が臨場感たっぷりに描かれている。
- 司令官の田尻昌次は、質・量ともに不十分な船舶と揚陸機能に直面。
- 陸軍中将でありながら「南進」策に否定的な直言をして罷免される。
- あるいはそんな田尻の意を継ぎ奮闘する技師・市原健蔵。
- 後任司令官で陸軍中将の佐伯文郎は「戦死していく民間船員をせめて軍属へ」
- 原爆投下直後には軍隊をあえて救援活動に出す決断をした。
- これら無名の軍人たち。
- 兵站を無視してデータを捻じ曲げ「ナントカナル」で押し通した軍首脳部。
- そのコントラストが史実の重みと混然一体となる。
- 多くのひとに読んでほしいと思わされる、魅力ある大作である。
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