『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :山口由美
- 出版社 :新潮社
- 定価 :1500円+税
- 発売日 :2021年5月26日
- 単行本 :224ページ
- ISBN-10:4104692050
- ISBN-13:978-4104692057
『よむかも』な本のポイント
- 民泊、なんか貧乏くさい……。
- ぶっちゃけ民泊って儲かるの?
- リモートホスピタリティ。それがニュータイプの民泊経営のかたち。
『よむかも』な本のレビュー
- 『勝てる民泊:ウィズコロナの一軒家宿』よむかも。
- 「民泊」という言葉にどんなイメージがある?
- 住宅街に押し寄せてくる、見知らぬ外国人が。
- ゴミ・騒音トラブル。
- バケーションレンタル。民泊。バケーションレンタル。民泊。
- 民泊、なんか貧乏くさい。
- そんなネガティブな印象。
- 著者の人もそう。なのに自分が民泊を始めることに……。
- 人生何があるかわからない。
- とはいえ著者の人は富士屋ホテル創業家の流れを汲むノンフィクション作家。
- ホテルや旅館に関する著作が多数。海外リゾートにも精通す。
- つまりは、観光の目利き。はたしてどんな宿を手がけたのか。
- 大平台温泉といえば。
- 箱根でも知名度は低い。過疎化と高齢化が進む。
- そんな地域。
- 実はここに著者の人が生まれ育った実家がある。
- 無人の離れは「ひと夏越したらシロアリで腐る」
- どうしよう……考えていると、夫が「民泊は?」
- 折しも民泊新法(住宅宿泊事業法)施行後のこのタイミング。
- 迷い、そして民泊経営へ。
- しかし客として泊まるのと宿の主になるのとでは大違い。
- つぎつぎ試練に襲われて。
- たとえば、よく聞く水まわりのトラブル。
- しかし原因は(よく聞く?)浄化槽に入り込んだ巨大な木の根っこ。
- 取り出すと「井戸から出てくる貞子みたい」
- 「貞子」はホラー映画。
- そしてこの家の最初の女主人の名前。
- みたいな感じで体験記を読み進める。
- と、民泊開業までの手順、トラブル対処法など――自然と頭に入ってくる。
- この辺り、民泊の優れた教科書ではなかろうか。
- 2019年7月、古民家を改装した民泊施設「ヤマグチハウス アネックス」OPEN。
- これは「家主非居住型」、つまりは無人の宿。
- 民泊新法によって、物件にオーナーが住んでいなくてもおけ。
- (ただし、住宅宿泊管理業者―運営代行業者―に運営を依頼すること)
- 幸い熱意ある業者とも出会えた。
- しかもこの宿は「スタッフ同士が顔を合わせることがない」という。
- 予約担当者や清掃チームとの連絡はLINE。トラブル対応相談もLINE。
- 結果、対面でなくても質の高いサービスを提供できた。
- つまり対面でなくても、ゲストの満足度を高められる。
- これを「リモートホスピタリティ」と命名。
- 非接触型サービスが増える今、これは多くの分野で有益なヒントに。
- そんなこんなで順調な滑り出し。
- が、やはりコロナ禍では一時的にインバウンドの予約が途絶え。
- しかしその後、劇的なV字回復。
- 「三密」の心配がない「一軒家貸し切り」のスタイルがウケた。
- 実は、人々は「ニュータイプの民泊」を求めていたのか。
- コロナ禍。
- 今最も苦しい分野から、新しい時代のアイデアが生まれる。
- この本は、新しい未来の民泊の可能性を提示しているのではなかろうか。
勝てる民泊: ウィズコロナの一軒家宿
勝てる民泊: ウィズコロナの一軒家宿
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