『よむかも』な本の基本情報
- 著者 :垣谷美雨
- 出版社 :中央公論新社
- 定価 :1600円+税
- 発売日 :2022年1月7日
- 単行本 :304ページ
- ISBN-10:4120054888
- ISBN-13:978-4120054884
『よむかも』な本のポイント
- 「いいんです!」と軽々には言えないその気持ちわかります。
『よむかも』な本のレビュー
- 『もう別れてもいいですか』よむかも。
- ある田舎町に暮らす原田澄子さん(58)は夫と別れる決心がつかないという。
- 物語は、彼女が自宅の郵便受けに喪中ハガキを見つけるところから始まる。
- 一瞬、友人の舅や姑がなくなったのか……しかしなくなったのは友人の夫。
- 「…羨ましい」思わず心の中で呟いてしまった。
- 不謹慎かつ非人間的な感情――しかしそれほどまでに夫を嫌ってる。
- 澄子さんの夫は縦のものを横にもしない亭主関白。
- 料理も洗濯も何もしない。なのに、妻に対しては威張り放題。
- その数々の発言や嫌味な態度。すぐにでも離婚したいって思っちゃう。
- しかし澄子さんはなかなか踏ん切りがつかない様子。
- 周囲の目、離婚後のお金のこと――。
- 周囲の目? いまどきそんなこと? って思っちゃう?
- いえいえ、田舎には常に人の目があるんです。すぐ噂になります。
- 女性が我慢するのは当然――年寄りや男性の考え方も古い。
- 田舎は仕事も多くないんです。パートだって見つけるのに苦労しました。
- 澄子さんには二人の娘がいる。
- 次女は結婚して子どももいるが、長女は結婚する気はなく自由を謳歌中。
- 「みんな、何がうれしくて結婚するんだろうね」
- 澄子さんもそう思うけど、本音は言えません。
- どころか、結婚を勧めるような言い方さえしてしまうんです。
- それは、結婚を諦めてほしくない母心。
- されど、娘だってお母さんが夫に虐げられていることをよーく知っています。
- 両親が互いに家事育児を行い、男女平等である家庭で育つ。
- これが子どもにとって最も大切なことなのではなかろうか。
- 最初は夫も妻も、互いに料理や掃除が苦手かもしれません。
- しかし年数が経つにつれ熟練していく。妻も夫もですよ。
- 母から娘へ、娘からそのまた娘へ。
- 世代を越えて少しずつ変わっていく女性の価値観や暮らし。
- これは女性の変化の途中の物語だ。
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