ここはとても速い川

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :井戸川射子
  • 出版社   :講談社
  • 定価      :1650円+税
  • 発売日   :2021年6月1日
  • 単行本   :178ページ
  • ISBN-10:4065225159
  • ISBN-13:978-4065225158

『よむかも』な本のポイント

  • 小説っぽい詩? 詩っぽい小説? 感じ方はひとそれぞれやで。

『よむかも』な本のレビュー

  • 『ここはとても速い川』よむかも。
  • 第一詩集『する、されるユートピア』が中原中也賞を受賞。
  • 井戸川射子さん初の小説集。
  • 井戸川さんは高校で国語の教師をしてる。
  • 生徒に詩を教えるのは難しく、自分でも作ってみたら……と書き始め。
  • 書きたいことがもっとある、小説ならもっと違ったふうに書けるかも。
  • そうして生まれたのがこの本。
  • 表題作『ここはとても速い川』の舞台は、関西の児童養護施設だ。
  • そこに在籍する小学五年生の集の視点で、日々のさまざまな事象が綴られる。
  • 年下で親友のひじりとの交流。
  • 面倒を見てくれる先生の人間的な一面。
  • 小学校や放課後の風景……。
  • 社会福祉学科の実習で児童養護施設に1ヵ月半泊まり込んだ体験が下敷きに。
  • いっぱい遊んで。笑って。いろんなつらいこともあるんだろうけど。
  • 今、一緒にいて、一日を楽しくしようとしてるんだよなぁ。
  • ――みたいな。
  • 集のモノローグは、見たこと、感じたことをそのまま言葉に捉える。
  • それがまるで一編の美しい詩のようで、さすがは中原中也賞受賞者。
  • 「受ける地面がなかったら、雨もこんな音はしないんやろな」
  • 自分がいなければ、地面がなければ、その音は聞こえない。
  • 自分だけで存在しているのではない世界。
  • ありきたりな日常もみずみずしい。
  • ほか、定住する家を持たないアドレスホッパーの恋人たちを描く。
  • 小説第一作『膨張』もあるよ。
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