- 『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』よむかも。
- 著者:松田青子 出版社:中央公論新社
- 定価:1500円+税 発売日:2021年4月20日 単行本:232ページ
- ISBN-10:4120054276 ISBN-13:978-4120054273
- 短編集みたいね。11作品収録。
- 2014年から2021年までの7年間、文芸誌やサイトで単発掲載されたもの。
- それぞれのテーマには芯が一本通ってて、強いって。
- 『桑原さんの赤色』
- シンプル過ぎる「女性募集」の張り紙を見て働くことになった大学生の話。
- 若いこと。給料が安いってこと。大した仕事じゃないってこと……。
- たった4文字で「相手が求める人物像」が透けて見える。
- そんなところに圧倒的な性差別が感じられる。
- 当たり前になっていた言葉にガツンと一発!
- 美しい平手打ちを食らわすような爽快さ。
- 『天使と電子』
- 昔のメロディーカードが、送り主のユカの声で語り出す話。
- 十代の頃の知己だったユカとはもう会っていないけれど。
- ユカの声が語る「あの頃のミチルちゃん」が「私」を救う。
- 『向かい合わせの二つの部屋』
- 年齢も生き方も違う二人の「ユキ」が、ある出来事をきっかけに交流をもつ。
- 収録作には、不思議な話も不思議じゃない話もあるある。
- でも、すべてにあるのは「人と人とのつながり」って。
- いつも一緒にいる人、ふと思い出す人、それほど親しくない同じ名前の人。
- 現代は人と人との物理的関係が希薄になりそう。
- でも、やたら「絆」を強調してもね。
- グラデーションのあるいくつもの人間関係を物語として紡いでる。
- そんな感じの短編小説集みたいね。
- (いつも友達と一緒に遊ぶよりも、たまに会うくらいがちょうどいい)
- (そんなふうに思うのは私だけ?)
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