風巻【しまき】:伊豆春嵐譜

文学・評論
  • 『風巻【しまき】:伊豆春嵐譜』よむかも。
  • 著者:鳴神響一 出版社:早川書房
  • 定価:2400円+税 発売日:2021年3月17日 単行本:280ページ
  • ISBN-10:4152100109 ISBN-13:978-4152100108
  • 明治7年3月、伊豆半島の入間沖でフランスの貨客船ニール号が嵐に遭い沈没。
  • 乗員乗客90人のうち、助かったのはわずか4人。
  • 入間村の人々は生存者を保護する傍ら、可能な限り遺体を収容。
  • 海蔵寺に葬られ、現在この地には遭難者の慰霊塔が建てられているんだって。
  • この本は「ニール号遭難事故」って史実をモチーフにした歴史小説みたい。
  • 著者の人は、架空の生存者を設定。
  • この時代ならではの、かつ現代にも通じるテーマを掘り下げる。
  • 嵐が過ぎた後、入間の漁師・達吉は浜辺で倒れている異人を見つける。
  • 網元・外岡文平の号令で達吉はじめ漁師達は難破船の周辺まで救助に向かう。
  • が、見つかるのは遺骸ばかり。かろうじて助かった4人を外岡に預ける。
  • 多くの死体を達吉が荼毘に付していると、そのうちの一体が息を吹き返した。
  • 慌てて網元に知らせようとする達吉を、その男が引き留める。
  • そして片言の日本語で匿ってほしいと告げる。どうやら事情があるらしい。
  • 達吉は、トーマスと名乗ったそのイギリス人を念仏堂に隠したのだが……。
  • 難破したフランス船の救援に尽力した日本の漁師たちの様子。
  • 達吉とトーマスの国を超えた友情。そして――
  • 戊辰戦争で負けた賊軍の会津家老と。勝ち組の薩摩藩士と。
  • 国の期待を背負うもわずか一年で帰国を余儀なくされた留学生と。
  • トーマスのために、国の違い、立場の違い、遺恨を超えて手を結ぶ人々。
  • フランス人だとかイギリス人だとか日本人だとか。
  • 男だとか女だとか。猟師だとか藩士だとか。会津だとか薩摩だとか。
  • そんなんじゃなくて。ひとりの人間同士として向き合うことの崇高さ。
  • この物語はそのことを教えてくれているんだって。
  • 不穏な嵐の描写で幕を開けた物語は、清々しい読後感とともに幕を閉じる。
  • 属性で派閥を作りがちな現代。「それでいいの?」って問いかける一冊。
  • (属性で派閥を作りがちって、スクールカーストとか?)
  • (わかります)(← たぶんわかってない)
  • (漁師たちの救助シーンが臨場感あって凄いんだって!)
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