緑の天幕

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :リュドミラ・ウリツカヤ
  • 翻訳      :前田和泉
  • 出版社   :新潮社
  • 定価      :3800円+税
  • 発売日   :2021年12月22日
  • 単行本   :720ページ
  • ISBN-10:410590177X
  • ISBN-13:978-4105901776

『よむかも』な本のポイント

  • 旧ソ連邦と聞けば、読みたくなっちゃうのが昨今の情勢。
  • 700ページ超だけど、読んだ人の評価は軒並み高い印象を受ける。

『よむかも』な本のレビュー

  • 『緑の天幕』よむかも。
  • この本を一言でいうと「旧ソ連の人々の小説」って感じみたいね。
  • 最近の旧ソ連邦各国についてのニュースを見ると、なんだかな~、みたいな。
  • (とくにロシアさん、あなたですよ、あなた!)
  • 時間が巻き戻されたような錯覚に陥る人もいるんだよっていう話。
  • ソ連の崩壊とは何だったのか……、みたいな。
  • リュドミラ・ウリツカヤさんは現代ロシアを代表する作家さんなんだって。
  • この本は2010年に原著が発表されて、日本語版はなんと700ページを超える!
  • 超大作大河小説!
  • 舞台はスターリンが死んだ1953年からソ連邦崩壊後の1996年までのモスクワ。
  • 3人の少年と3人の少女、そして彼らの家族や友人、関係者たち。
  • その43年間を描くっていう、たしかにスケール超大作。
  • プロローグとエピローグを合わせて32の連作短編集としても。
  • 中心となる少年少女は1943年生まれ。すなわち、著者と同年代。
  • よって、著者自身やその周辺で起きたことが織り込まれてるって話。
  • 本当に酷い時代だった。正直、全体主義国家には住みたくないな。みたいな。
  • でも、そんな時代の中でも人々は懸命に生きてきたって話。
  • とくに、3人の少年たちがとっても魅力的な。
  • 写真の才能を持つ陽気なイリヤ。
  • ピアニストを目指すがケガで挫折してしまうサーニャ。
  • 詩を愛する孤児のミーハ。
  • 彼らがシェンゲリ先生とモスクワの文学散歩をするシーンが楽しい。
  • 一旦は音楽を諦めたサーニャが、シュトックハウゼンの現代音楽に出会う。
  • 素晴らしい。
  • 登場するどの少年少女たちも幸せになってほしい。
  • そう願いながらページをめくらずにはいられない。
  • されど、作家は残酷である。
  • 彼らを待ち受けているのは厳しい人生に他ならない……。
  • さまざまなエピソードを読んでいると、何人もの人生を追体験したような。
  • 圧倒的充足感が得られる一冊。
  • いま、旧ソ連邦で生きる人たちはどうしているんだろうか。
  • 思い馳せずにはいられない。
Amazon.co.jp

コメントする?

タイトルとURLをコピーしました