- 『日銀ETF問題:《最大株主化》の実態とその出口戦略』よむかも。
- 著者:平山賢一 出版社:中央経済社
- 定価:2000円+税 発売日:2021年3月19日 単行本:176ページ
- ISBN-10:450238481X ISBN-13:978-4502384813
- 「株価指数連動型上場投資信託(ETF)の購入見直し」
- それが2021年3月、日銀の「金融政策の点検」での最優先事項だった。
- 日銀はETFを通じて年6兆円も株式を買い上げ、残高は40兆円に及ぶ。
- これは東証1部時価総額の約7%を占める。
- (つまり日銀は日本企業の最大株主!)
- 指数構成銘柄なら、業績にかかわらず、ガンガン買われた。
- だから、株価や企業統治への悪影響が懸念された。
- 今回、日銀は方針転換。「株価上昇局面では購入しない」って。
- でもマクロ経済ショックが生じた際には機動的に購入するって。
- この本は、日銀のETF購入の問題点、そしてその出口を歴史的視点から探る。
- 日銀だけ。何がって? 主要中央銀行で株式を購入するの、日銀だけ。
- 国債ならいずれ償還が訪れるけど……
- 株式は売却しないかぎりバランスシートから外せない。
- 保有残高が膨らむ。
- イコール、株式市場への影響は大きくなる。
- イコール、売却は困難になるってね。
- 現在は幸いにして含み益を抱えてる。
- けど、下落が続くと、経常収益を上回る含み損が発生する恐れがある。
- そして、問題は日銀だけにとどまらない。
- 1940年代の戦時期や60年代の証券不況期。
- 政府の株価維持策は過去にも採用された。
- けれど「出口」の際、株式の受け皿は乏しく、結局企業間の持ち合いが進む。
- 結果、議決権行使の形骸化など、企業統治に悪影響を与えたって話……。
- 日銀はこの歴史の教訓を十分に検討したの?
- かつて政府が株式を売却できたのには、理由があった。
- それは高成長下で、資本規制が行われていたから。
- されど低成長下では売却は難しい。じゃあ、どうすればいいの?
- まずは、ETFで資産運用会社に支払われる多額の手数料をどうにかしたい。
- なら手数料コスト圧縮のため、投資一任契約に転換すればいいじゃない。
- 投資一任契約なら放置されたスチュワードシップ活動への関与も可だし。
- また、ETFを別勘定に移して、長期成長基金とする。
- 日銀に資産運用の専門部隊を作って、配当などを成長戦略の原資とする。
- (金融政策を担う日銀から資産運用の専門部隊は切り離すべき?)
- (例えば、政府がソブリン・ウエルス・ファンドを作る)
- (そして国債発行を原資に日銀から買い上げ、独立した機関が運用する)
- 「物価安定を通じて、経済の長期的な発展に貢献する」
- それが、日銀法が示す金融政策の理念。
- ETF購入が物価安定につながるとしても。
- そのプロセスで企業統治を歪めてしまう。
- そうなれば産業の実力を損なって本末転倒だよねって話みたいね。
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