博多さっぱそうらん記

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :三崎亜記
  • 出版社   :KADOKAWA
  • 定価      :1600円+税
  • 発売日   :2021年11月30日
  • 単行本   :256ページ
  • ISBN-10:4041109868
  • ISBN-13:978-4041109861

『よむかも』な本のポイント

  • 「さっぱそうらん」とは博多弁で「大騒動」の意。
  • なんでも、市名をめぐる騒動なんだとか。
  • 博多を知る人も知らぬ人も楽しめる一冊みたい。

『よむかも』な本のレビュー

  • 『博多さっぱそうらん記』よむかも。
  • 地方の町を舞台にした「ご当地文学」っていう感じ。
  • 舞台はもちろん博多の街。
  • 福岡のRKB毎日放送の創立70周年記念連続ラジオ朗読劇の原作なんだって。
  • 博多の中堅企業に勤める福町かなめ。
  • 彼女はその日、博多駅にて東京からの客人を待っていた。
  • 「祇園駅の近くに新しか公園ば作るけん、デザインコンセプトば決めるための調査げなたい」
  • それが来訪者の目的である。
  • そして現れたのは、なんと中高時代の同級生・綱木博だった。
  • かなめは高校時代、彼に片思いをしていたのだった。
  • しかし博はアンチ博多人間になっていた。
  • かなめは今も生粋の博多っ子である。
  • 博多を愛するが知識がないかなめ、博多を毛嫌いするが知識だけは豊富な博。
  • 相性悪そうな二人を中心に、物語は動き始める――。みたいなあらすじ。
  • 「さっぱそうらん」とは博多弁で「大騒動」を意味するんだとか。
  • その大騒動とは「市名をめぐる騒動」であり、これが物語の根幹である。
  • 1890年、この地は「博多市か福岡市か」でもめにもめていたそうな。
  • なぜなら、博多は商人の町、福岡は武士の町。
  • 博多の方が栄えてる! なのに、藩名を継ぐ形で福岡市……。
  • 折衷案として駅名は博多駅になったけど。
  • 博多の人たちは収まりがつかない!
  • そうして生まれた福岡市への怒りや恨み。
  • 今も脈々と受け継がれ、博多の裏世界には「博多市の怨念」が堆積してる。
  • そうして突入するファンタジー展開!
  • 2016年11月の博多駅前道路陥没事故の際、かなめが耳にした謎のお告げ。
  • 「二人で手ばつないで、博多の街ば救ってくれんね……」
  • 現れたる異形の者。復活する博多大仏。
  • 博多弁、博多弁、博多弁!
  • 物語のテンポはややよろしくない印象を受ける。
  • でも、そのために挟まれる博多トリビアは結構楽しいって話。
  • せいもん払い、どんたく、玉せせり、市内に点在する新旧の名所などなど。
  • 県民意外には謎に満ちたローカルな主導権争いは、その地域の熱源である。
  • この街を知る人も知らぬ人も楽しめる一冊みたいね。
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