二十面相 暁に死す

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :辻真先
  • 出版社   :光文社
  • 定価      :1800円+税
  • 発売日   :2021年3月25日
  • 単行本   :280ページ
  • ISBN-10:4334913903
  • ISBN-13:978-4334913908

『よむかも』な本のレビュー

  • 『二十面相 暁に死す』よむかも。
  • 変装の達人、美術品に執着する、敵役。「怪盗」を象徴するアイコン的存在。
  • それ、すなわち怪人二十面相だからね。
  • 江戸川乱歩さんの作品に登場する怪人二十面相を描くミステリー小説だって。
  • 著者の人は、日本ミステリー界の現役最長老のひとり。(昭和7年生まれ)
  • 今も小説だけじゃなくアニメ番組の脚本も手掛けてるってすごー。
  • シリーズ第二作『少年探偵団』をリアルタイムで読んでたってすごー。
  • (昭和12年、雑誌『少年俱楽部』に連載された)
  • この本は、そんな江戸川乱歩作品のパスティーシュ(模倣作品)
  • 舞台は、本家では言及されなかった敗戦後の空白期。
  • 『焼跡の二十面相』の続篇とのこと。

  • (むむっ、続きもの? じゃあ『焼跡の二十面相』から読みたくなる)
  • ちなみに、前作は昭和20年の東京。
  • 名探偵・明智小五郎不在の留守をあずかる小林少年の前に二十面相が現れる。
  • 本作は、昭和21年の春。戦後復興の「暁」ともいえる時代。
  • 疎開していた少年探偵団の面々が少しずつ戻ってきた東京。
  • 明智探偵と小林少年の偽者が現れ、メンバーの家から黄金の厨子を持ち去る。
  • (偽明智の正体はもちろん二十面相なんだけど、偽小林少年は何者……?)
  • だが、この事件はほんの挨拶代わり。
  • 次に狙うは、銀座の美術店所有の魔導書。犯行予告がなされる。
  • 警視庁、進駐軍も警戒する中、二十面相は見事予告を遂行する。
  • ――しかし同日、二十面相は名古屋でも事件を起こしていた!
  • 東京から名古屋まで、まあ現代なら移動できなくはないけれど……。
  • 当時、道路は戦争で荒れ果てており、自動車での移動は考えられない。
  • 石炭事情の逼迫により、列車の本数も減らされていた。
  • 進駐軍の管理下にある敗戦後の日本で飛行機移動は論外。
  • 二十面相はいったいどうやってこの不可能を可能にしたのか?
  • 当時の状況を逆手にとったトリックは、世相を反映していて印象的。
  • 他にも、当時公開されていた映画、芸能事情――。
  • 敗戦中・敗戦後を実際に体験したからこそ描ける迫真ぶりで再現される。
  • 読んでいて昭和21年の東京が目の前に浮かび上がってくるような。
  • リアルな舞台装置。小林少年の初恋と地底冒険。
  • 前作から引き続き登場する巨悪・四谷家との再対決。
  • 人を殺さないはずの二十面相が殺人を犯した? という謎。
  • ――などなど面白要素てんこ盛り。
  • 推理ありアクションありの楽しい物語になってるんだって。
  • (ネットのレビュー・感想は、結構いいね)
  • (80代後半にしてみずみずしい感性に感嘆)
二十面相 暁に死す
敗戦の翌年。焼跡にも徐々に活気が戻り、疎開していた少年探偵団の団員たちも、徐々に東京に戻り始めた。彼らが日常を取り戻すより早く、怪人二十面相は縦横無尽。明智探偵と小林少年の偽者に扮して警察を振り回したり、やりたい放題だ。しかし、明智はともか...

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