カード師

文学・評論
  • 『カード師』よむかも。
  • 著者:中村文則 出版社:朝日新聞出版
  • 定価:1800円+税 発売日:2021年5月7日 単行本:464ページ
  • ISBN-10:4022517581 ISBN-13:978-4022517586
  • タロットカードで運勢を占うも占いを信じていない占い師。
  • ポーカー賭博、違法カジノのディーラー。
  • それが主人公の「僕」
  • ある組織の指令により資産家の顧問占い師となる。
  • 資産家は前任の占い師を、何人もの人を殺している危険な男だった。
  • 児童養護施設での子供時代。ヨーロッパの錬金術師。
  • 魔女狩り。ナチス。オウム真理教。などなど。
  • 時空を超えたエピソードを交えながら物語は進んでいく。
  • 朝日新聞での連載を改稿した長編小説だって。
  • この世界には日常からかけ離れたことが、突如起こる。
  • それを小説に書いている最中に発生した新型コロナウイルス。
  • コロナという現実が小説に入り込んでくる奇妙な体験。
  • 主人公の「僕」はカードを巧みに操る。
  • ポーカーも占いも同じ、カードをめくるまでは次の展開がわからない。
  • それは、人生もそう。実際やってみないとわからないことだらけ。
  • そのカード、めくりますか? めくりませんか?
  • ほら、カードは人生に似てる。
  • ポーカーでは相手の内面を読む。自分を隠す。
  • そこに抗いがたい駆け引きの魔力がある。
  • 強いカードを引いたときは、先の展開がわかった状態だ。
  • それは相手をコントロールできるということ。
  • そこに嗜虐的な感覚が刺激される。
  • それは占いで先のことが見えているのと同じ。
  • 本当なら体験できないこと。
  • 秘密クラブでのポーカーゲームのシーンは圧巻だそう。
  • これまで著者の人が書いた中で一番面白いシーンかも。
  • この著者の人は、小説に社会の空気を映し出す。
  • 荒んでいく世の中を見ている。
  • と、言わなきゃならないことがあふれてくる。
  • だから社会から距離を置くことができないという。
  • どんどん悪くなっていく世の中に、光とか祈りとかを強く出したい。
  • 先のことがわからないのはつらい。
  • けど、わからないから、じつは絶望もできない。
  • 人間の弱さと強さと、欲望と狂気とが錯綜する。
  • 濃密な没入感が味わえる一冊とのこと。
  • (中村文則さんは『教団X』読んだことあるある)
  • (影響されやすい私は、ちょっとポーカーやってみたくなるかも)
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