ひとりでカラカサさしてゆく

文学・評論

『よむかも』な本の基本情報

  • 著者      :江國香織
  • 出版社   :新潮社
  • 定価      :1600円+税
  • 発売日   :2021年12月20日
  • 単行本   :232ページ
  • ISBN-10:410380811X
  • ISBN-13:978-4103808114

『よむかも』な本のポイント

  • あると思う(……いや、ないか?)

『よむかも』な本のレビュー

  • 『ひとりでカラカサさしてゆく』よむかも。
  • 86歳男性、80歳男性、82歳女性。大晦日、東京駅の近くのホテルで。
  • 猟銃自殺。
  • っていうね。ショッキングな内容だよね。
  • まさか自分たちの家族が。そんな亡くなり方をするなんて。
  • 娘、息子、孫、親友たち。衝撃が走る。
  • なぜ、この三人が一緒に死なねばならなかったのか……。
  • もしも人生の終わり方を選べるなら? どんな終わり方を選びますか。
  • 長生きってホントにいいことなんでしょうか。
  • 家族に見守られて逝くのがしあわせ? ホントにそうなのでしょうか。
  • 82歳の千佐子の遺書には「もう十分に生きました」
  • ほしいものも、行きたいところも、会いたい人も、
  • ここにはもうなんにもない。
  • 86歳の完爾は癌、長くは持たないと言われてる。
  • そのままでも死は確実、しかし自死を選択。
  • 青森で一人暮らししてた家を息子や娘には知らせず処分する。
  • 「その時の思いがけない身軽さは、ほとんど肉体的な快感だった」
  • 80歳の勉は独身。身よりはない。経済的にも心許ない。
  • 誰よりも長く人生を過ごしてきたのが、この二人。
  • 三人は、霊園に一緒の埋葬場所を用意。
  • 死を選ぶと決めたとき、人は思いがけない自由を手にするのか。
  • 三人にあるのは「同じ時代を生きた」という思い。
  • それは家族よりも強い絆。
  • 長い間会っていなくても。会えばいつでもその時代に戻れる人間関係。
  • あなたにはそんなのありますか?
  • 互いに尊敬し合い、長い年月をかけ、変化する関係を大事に大事に。
  • 物語を作っていくのは、三人を取り巻く人々のエピソード。
  • それぞれに平穏な日々を送ってた。
  • しかし「死」をきっかけに自分を見つめ直す。
  • そして生活までも変わっていく。
  • 生きていれば必ず問題は生じる。それでも生きていくしかない。
  • そこにあるのは死を選んだ人との対比。
  • いろんな年齢の登場人物。あなたは誰に一番共感を覚えるのだろう。
  • ひとりでカラカサさしてゆく。お嫁に行くときも、死ぬときも。
  • 両者には共通する潔さがある。
  • (タイトルは野口雨情作詞の童謡『雨降りお月さん』の歌詞より)
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