2017年02月26日放送『さまぁ〜ずの神ギ問』のまとめ。今回は、全国放送スペシャル(2017年2月24日放送)でお届けできなかった幻の30分SP! 一挙放送! 神ギ問1、グ問4。
神ギ問:正当防衛ってどこまでが許容範囲なの?
法律に関する難しい神ギ問は、直接弁護士の先生に聞くのが早い。そこでグーグル、「正当防衛 詳しい 弁護士」で検索すると、暴行事件に強いという「アトム法律事務所」を発見、正当防衛の意味についてなどいろいろ書かれている。早速アトム法律事務所へ向かった。
話をしてくれたのはアトム法律事務所 代表の岡野武志 弁護士。
Q.正当防衛ってどこまでが許容範囲なんですか?
――ケースによってさまざまだが、法律上は急迫不正の侵害に対して、自己または他人の権利を防衛するため、やむを得ずした……、(何を言っているのか全然わからない……)。
実際の事件を例にわかりやすく教えてもらうことに。
正当防衛かどうか裁判で争われた事件 CASE1
~駅のホームで絡まれた~
1986年1月14日午後11時頃、駅のホームにいた佐藤優子(仮名)は、泥酔している山本(仮名)に絡まれていた。優子は無視してやり過ごそうとしたが、山本のちょっかいは止まらなかった。
優子は周りにいる人に助けを求めたが、誰も応じてはくれなかった。山本の行動はさらにエスカレートし、優子は手のひらで頭を小突かれ倒れそうになる。
このまま黙っていたら何をされるかわからない。そう思った優子は抵抗する。山本に胸ぐらをつかまれた優子は、身の危険を感じ肩を押して突き放した。押された山本は足元がふらつき、そのまま線路に落下。
この事故で山本は帰らぬ人となってしまった。
この事件は正当防衛になる? ならない?
正解は、正当防衛が認められた。
正当防衛が認められるためには3つの要件を満たす必要がある。
正当防衛成立に必要な要件
①相手の法律に違反する行為が、目の前に差し迫っている状況下どうか(急迫不正の侵害)
――今回のケースでは胸ぐらをつかむという行為は暴行罪に該当、そのため、相手の違法な行為がまさに目の前に差し迫った状況といえる。
②相手を痛めつける目的ではなく、自分や他人の権利を守るための行為だったか
――優子は自分の身を守るために山本を突き飛ばしたのでこの要件を満たしている。
③やむを得ずにした行為であったかどうか
――優子は周りに助けを求めたが誰も助けてくれなかった、その状況の中で防衛として山本を押し返した行為は社会的に見てやむを得なかったといえる。
Q.相手が亡くなったことに対しての罪はない?
――正当防衛が成立する以上は罪には問われない。たまたま悪い結果が生じてしまったとしても、防衛の行為が必要かつ相当なものであれば、処罰しないのが法律の考え。
正当防衛かどうか裁判で争われた事件 CASE2
~隣人トラブル~
1996年、あるアパートで起きた事件。2階の201号室の住人近藤(仮名)は、206号室の住人小林(仮名)と日頃から折り合いが悪かった。
5月30日午後2時13分頃、近藤はアパートの2階にある共同トイレで用を足していた。すると突然背後から頭を殴られた。近藤が痛みをこらえながら振り返ると……、そこに立っていたのは小林だった。
その手に握られていたのは、長さ約81cm、重さ約2kgの鉄パイプ。近藤は鉄パイプを取り上げようとしてもみ合いに。大声で助けを求めるが、誰も現れない。必死のもみ合いのすえ、近藤は小林から鉄パイプを奪った。
なおも小林が向かってきたため、近藤は小林の頭を鉄パイプで殴打。しかし再びもみ合いとなり、小林に鉄パイプを奪い返されてしまう。近藤は1階に通じる階段に向かって逃げ出した。
階段上の踊り場を少し下りた近藤が振り返ると、小林は転落防止用の手すりから上半身を乗り出した状態だった。今なら逃げられる、しかし……。近藤は急いで小林に近づき、左足を持ち上げて手すりの外側へ落とした。
その結果、小林は1階のひさしに当たったあと、手すりから約4m下の道路に落下、全治3ヵ月の大けがを負った。
この事件は正当防衛になる? ならない?
正解は、正当防衛が認められなかった。
正当防衛成立に必要な要件の①については、小林が鉄パイプを持って追いかけてきたことは違法な行為が差し迫っているといえるので「○」。
②については、近藤本人としては防衛のためだったと主張できるので「○」
③については、小林が手すりから落ちそうになっている状況ではまず逃げるのがベストの選択だった、それなのに近藤が小林を手すりから落とした行為はもはや防衛ではなく反撃となるので「×」
3つの要件があっても、実際に正当防衛が認められるかどうかはケースバイケース。身の回りで起こりそうなシチュエーションで聞いてみる。
・男性が激しく口論している女性2人を仲裁し、片方の女性に肩を押されて思わず殴り返してしまった場合
――正当防衛は成立しない。男性が殴り返した行為は防衛ではなく反撃となる。
・浮気がバレて妻が激怒、包丁を持って攻撃してきた、身の危険を感じゴルフクラブで妻を殴り重傷を負わせてしまった場合
――正当防衛が成立する。包丁とゴルフクラブを比較して、包丁のほうが悪質なのでゴルフクラブで応戦するのは正当防衛として相当だと判断される。
ちなみに、女子プロレスラーの妻が素手で攻撃してきた場合は、成立も不成立もありうる。旦那が体格や力で劣っており、モノを使ったとしてもやりすぎではないと判断されれば正当防衛が成立し、体格や力がほぼ同等でモノを使うことがやりすぎと判断されれば正当防衛が成立しない。
・歩行者天国でナイフを持った男が騒いでいて、このままでは誰かが被害に遭ってしまうと思い、男の背後から近づき持っていた傘で刺して命を奪ってしまった場合
――この場合は状況による。たとえばナイフを持って騒いでいるだけでは違法な行為が差し迫った状況とまではいえず「×」。誰かが被害に遭いそうなど、正当防衛が成立には差し迫った状況が必要となる。裁判で正当防衛を争う場合、検察側も充分な証拠を持っているケースが多く、刑事裁判で正当防衛を主張し立証するのは困難。警察に通報やそのばから非難することがまずは大切になる。
こうして神ギ問の答えが導き出された。
Answer:法律上、①相手の法律に違反する行為が目の前に差し迫っている状況であること。②相手を痛めつける目的ではなく自分や他人の権利を守るための行為であること。③やむを得ずにした行為であること。この3つ全てに当てはまれば正当防衛は認められる。
グ問:送信してしまったメールを相手が読む前に取り戻すことってできないの?
検索ワード:送信 メール 取り戻す
基本的には不可能ですが、Gmailや一部メールソフトでいくつかの条件を満たしていれば可能なこともあるようです。
グ問:USJの従業員に「1個だけ遊ぶなら?」と聞いたらなにを選ぶの?
検索ワード:
これはネットじゃわからなそうですね。「神ランキング」で取り扱ったらおもしろそうだと思いました。
グ問:フリーの医者ってギャラはどれぐらいなの?
検索ワード:フリー 医者 給料
まずフリーランスの医者がいることに驚きました。現在日本には約1万人いらっしゃるそうです。ただしテレビドラマの『Doctor-X 外科医・大門未知子』みたいな派遣というかたちは法律で禁止されていて実際にはないとのこと。
現実ではスポットや非常勤アルバイトという立場になってしまうようです。
ただ、給料についてはやはり勤め先の病院と交渉次第、言い値を提示できるので、人によりけりというところ。どの科に務めるかでも変わってくるそうですが、診療科で平均年収800万円、麻酔科で1500~2000万円といった話もあります。
グ問:浮気がバレた時、人はどんなウソをつくの?
検索ワード:浮気 バレた時 ウソ
本気だったとしても「遊びだった」、仕事が忙しい、飲み会だった、友達だよ、浮気なんてしてるわけない、……いくらでも出てきそうですね。
本日はこれにておしまい。毎週楽しみです。
みなさんもぜひご覧になってください。
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